エコノミスト・カンファレンス主催の製薬産業円卓会議2008が12月11日、都内
で開かれ、今後の製薬企業の成長は新興市場の攻略がカギとなるとの見方が相
次いで披露された。

IMSヘルス・ゼネラルマネジャーのレイモンド・ヒル氏は、新興７ヵ国（中国、
ブラジル、インド、韓国、メキシコ、トルコ、ロシア）市場は、年率12～15％
成長し、12年の市場は1450～1750億ドル、17年には2900～3200億ドルまで成長
すると予測。これらの国は「大きな商機」と指摘した。中国は12年には450～5
50億ドルと予測し、注目市場に挙げた。

監査・コンサルティングのプライスウォーターハウスクーパースのパートナー
のスティーブ・アーリントン氏は、20年段階の市場予測を紹介し、06年と比べ
市場は約２倍の1.3兆ドルとなり、新興７ヵ国（中国、ブラジル、インド、イ
ンドネシア、メキシコ、トルコ、ロシア）市場拡大が成長要因と指摘した。新
興７ヵ国の市場シェアは9％が19％にまで拡大し、中国が台頭し、世界第２の
市場になるとの予測を示した。

それら予測に絡めクレディ・スイス証券の医薬品担当アナリストの酒井文義氏
は、新興市場の販路を持つランバクシーを買収した第一三共について「グロー
バルアクセスという点では、他社より一歩も二歩も先行できるだろう。今後、
いかにランバクシーをマネジメントするかが大切になる」と述べた。