第一三共 プラスグレルが欧州で承認取得
公開日時 2009/02/24 23:00
第一三共は、次期主力品のひとつに位置づける抗血小板剤「エフィエント」
(一般名:プラスグレル)の販売承認を、欧州委員会から23日付(英国時間)
で取得したと発表した。適応症は、経皮的冠動脈形成術(PCI)治療を受けて
いる急性冠症候群(ACS)患者のアテローム血栓性イベントの予防。第一三共
にとっては、旧三共と旧第一製薬との統合後、第1号の新規有効成分を含有す
る医薬品となる。
同剤は第一三共と宇部興産が発見し、第一三共と米イーライリリーが共同開発
した。欧州では第一三共とリリーが共同販売する。発売開始は「数週間以内」
(第一三共コーポレートコミュニケーション部)で、欧州各国で順次発売する。
第一三共は同剤の発売に向けて、欧州で08年度末までにMRを1200人体制(07年
度比400人増)にする。
第一三共の庄田隆社長は承認取得にあたり、「現在の治療法では心臓発作の再
発に悩み続けている患者がおり、欧州では毎年70万人以上もの方々が心臓発作
が原因で死亡している」とし、「重篤な疾患であるPCI治療を受けているACS患
者にとって、プラスグレルが有力な新しい治療法になる」とコメントした。
一方、同剤は審査遅延が続く米国でも承認申請中。同剤も同様に遅延にあった
が、FDA諮問委員会から2月3日に承認勧告された。勧告後、通常は2ヵ月以
内にFDAの判断が示されるが、最近承認を取得した武田薬品の新規痛風・高尿
酸血症治療薬ユーロリック(フェブキソスタット)は、勧告後、3ヵ月弱の時
間がかかった。疾患領域は違うものの、勧告後から承認取得までこれまでより
時間がかかる可能性がある。