エーザイ 重症敗血症用薬E5564、第4四半期に日米欧同時申請へ
公開日時 2009/05/14 23:00
エーザイは5月14日に08年度決算を発表し、アルツハイマー型認知症用薬アリ
セプトやがん関連製品の伸長に加え、日本事業の好調さが連結業績に大きく寄
与した。なかでも日本事業は、医療用医薬品、一般用医薬品、診断薬、後発品
――の4事業を統合した日本事業本部体制による情報提供活動が機能し、トー
タルで前期比11%の増収となった。一方、開発パイプラインでは、同社初の国
際共同(日米欧)治験品目の重症敗血症用薬E5564を10年1~3月に日米欧で
同時申請する計画を明らかにした。内資系企業で日米欧同時開発、同時申請の
品目は初めてとみられる。
日本事業本部による情報提供では、例えば、市場ニーズに応じてエーザイ本体
のMRと後発品を手掛けるエルメッド・エーザイのMRが一緒に行ったり、OTCを
扱う外勤営業スタッフが薬局を訪問する際に医療薬のMRも同行したりといった
取り組みが行われた。「エーザイ製品」の売上拡大に向けて連携を強化し、情
報提供の効率を高めた格好だ。96年からスタートさせた後発品事業は、初めて
黒字化を達成した。
一方、最主力品のアリセプトについては日本で、軽度~高度までの全想定処方
患者数のうち、同剤の処方割合が50%になったという。今年7月に長期処方が
解禁される関節リウマチ薬ヒュミラは、慎重かつ迅速に全例調査を実施する方
針。ただ、全例調査終了後には、現在の専門MR50人に加えて一般MRを投入する
考えで、完全ヒト化抗体のメリットなどを中心に情報提供を行う考えだ。
【連結業績(前期比)、次期予想(前期比)】
売上高 7817億4300万円(6.5%増)、8200億円(4.9%増)
営業利益 918億800万円(417.2%増)、1030億円(12.2%増)
経常利益 825億8300万円(338.1%増)、970億円(17.5%増)
純利益 476億7800万円(-)、630億円(32.1%増)
研究開発費 1561億円(30.8%減)、1640億円(5.1%増)
【グローバル製品売上高(前期比%)、億円】
アリセプト 3038(4.4)
パリエット/アシフェックス 1599(-9.1)
メチコバール 395(2.1)
Aloxi 365(465.0)
Dacogen 151(461.8)
ゾネグラン 61(8.1)
【08年度(前期比%)、次期予想、億円】
アリセプト 782(25.6)960
パリエット 446(20.1)520
メチコバール 313(-1.3)310
セルベックス 160(-12.1)135
アクトネル 93(13.0)100
ミオナール 77(-3.8)75
イオメロン 71(-9.2)60
グラケー 54(-15.5)40
グルカゴンG・ノボ 37(-3.5)35
ニトロールR 30(-11.3)25
ヒュミラ 19(-)75
その他 521(16.5)520