厚労省・医薬品第二部会 ローカルドラッグ2品目が通過
公開日時 2009/08/04 04:01
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は7月31日、大日本住友製薬の抗がん剤「ミリプラ」(一般名:ミリプラチン水和物)と東亜製薬の抗菌剤「バンコマイシン眼軟膏」(バンコマイシン塩酸塩)などの承認を了承した。9月に開催予定の薬事分科会を経て正式承認される見通し。
ミリプラは、「肝細胞がんにおけるリピオドリゼーション」を効能・効果としている。リピオドロゼーションとは、抗がん剤と懸濁液を混ぜて肝動脈に注入することで、懸濁液と抗がん剤ががんの組織内にとどまり効果を示すという治療法。ミリプラ用の懸濁液(ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル)も同様に通過した。類似した薬剤としてアステラス製薬のスマンクス(ジノスタチン スチマラマー)があるが、効能で「リピオドロゼーション」を謳った薬剤は国内で初めて。開発は国内のみという。
バンコマイシン眼軟膏は、「バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)を適応菌種とする結膜炎や眼瞼炎、瞼板腺炎、涙嚢炎」を効能・効果としている。これまで同疾患を対象にした眼軟膏製剤はなく、院内調剤で対応していたが、安定性が悪かったり刺激があるなど使いにくい面があったという。今回、日本眼感染症学会の要望に応じた東亜製薬が開発を請け負った。開発は国内のみで、世界的にみても院内調剤で対応しているという。希少疾病用医薬品で、患者数は年間6000人程度。
そのほか、ヤクルト本社の抗がん剤エルプラット(オキサリプラチン)の結腸がんにおける術後補助療法の適応追加と剤型追加や、ヤンセンファーマの抗HIV薬プリジスタ(ダルナビルエタノール付加物)の未治療患者を対象にした薬剤「同ナイーブ錠」などの承認も了承した。