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日本新薬 アクテリオン社の新規PAH治療薬を日本で共同開発

公開日時 2010/02/18 04:01

日本新薬は2月17日、スイスのアクテリオン社が開発中の肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬マシテンタン(一般名)に関して、日本で共同開発する契約を締結したと発表した。国内販売については今後協議するが、共同販売する方向。日本新薬はマシテンタンと異なる作用機序のPAH治療薬タダラフィル(一般名、製品名=アドシルカ)を販売中で、さらに両剤と異なる作用機序のPAH治療薬「NS-304」も開発している。臨床現場では3種類の異なる作用機序のPAH治療薬が汎用されているが、開発が順調に進めば、日本新薬は世界で唯一の3種類の異なる作用機序の薬剤を持つ製薬企業となる。

PAHは、心臓から肺に血液を送る肺動脈末梢の小動脈内腔が狭くなり血液が通りにくくなった結果、肺動脈の血圧が高くなる難治性疾患のこと。息切れや倦怠感などの症状を伴い、進行すると心不全を引き起こす。患者数は日本で約6000~9000人とされ、成人では女性に多い。進行も早く、様々な薬剤を追加投与してコントロールする。

マシテンタンは新規のエンドセリン受容体拮抗薬。エンドセリンの強力な血管収縮作用や血管平滑筋細胞増殖作用を抑制して治療効果を発揮する。日本ではこれからフェーズ2に入る予定で、日本新薬も開発に加わる。世界ではフェーズ3試験を実施中。マシテンタンは、アクテリオンが世界で販売しているPAH治療薬「トラクリア錠」と同系統の薬剤だが、トラクリアは1日2回投与、マシテンタンは1日1回投与型で開発している。

一方、タダラフィルはホスホジエステラーゼ5阻害作用を有するPAH治療薬。平滑筋の弛緩に関係するホスホジエステラーゼを阻害することで、肺動脈平滑筋が弛緩し、PAHにおける肺動脈の血行動態を改善する。「NS-304」は日本新薬が創製した非プロスタノイドのプロスタサイクリン受容体作動薬。肺動脈平滑筋細胞内のサイクリックAMPレベルを上昇させ、血管拡張作用、血小板凝集抑制作用、血管平滑筋細胞の増殖抑制作用を示す。

「N-304」は日本でフェーズ2準備中、海外でフェーズ3段階にある。日本新薬は2008年4月に、「NS-304」の日本での共同開発・販売権と世界の開発・販売権をアクテリオン社に許諾する契約を締結したが、その際にマシテンタンの日本での共同開発権も盛り込まれていた。なお、今回の契約では契約金などは発生していない。

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