日薬連 新会長に第一三共の庄田社長
公開日時 2010/05/20 04:01
日本製薬団体連合会は5月19日、東京都内で任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に第一三共の庄田隆社長を選任した。新副会長には武田薬品の長谷川閑史社長、協和発酵キリンの松田譲社長、大日本住友製薬の多田正世社長の3人が就いた。任期は同日から2012年5月までの2年間。
庄田新会長は就任あいさつで、2010年度薬価制度改革で試行的に導入された「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」(=特許期間中の新薬で一定条件を満たした場合に、薬価改定を特許切れまで先送りする新ルール)について、12年度薬価制度改革で恒久的なルールになるよう取り組むと表明した。同加算の対象が現在、特許期間中の新薬となっているが、12年度改革では「保険医療上不可欠な医薬品」も同加算の対象となるよう取り組むとした。また、日薬連は業態別団体14団体、地域別団体19団体で構成され、会社数ベースでは約1000社が加盟していることになるが、庄田新会長は、「利害が必ずしも一致しないところもあるかもしれないので、各団体間の調整をしながら、日薬連として取り上げる事項を見極めながら、やっていきたい」と抱負を述べた。
●竹中前会長 「各企業とも、国民の信頼獲得を」
一方、1期2年の任期を務めた竹中登一前会長(アステラス製薬会長)は退任あいさつで、最も印象に残っていることに新薬創出等加算の実現を挙げながら、「今までは何かもう、(薬価が)永久に下がるのではないかと我々は心配していたが、1つの歯止めになったのではないか。この画期的な時に偶然にも会長をさせていただき幸せ者だと思う」と話した。
医薬品の総合的な安全対策をまとめた厚労省の薬害再発防止検討委員会の最終提言や、「1つ残念なこと」と指摘した田辺三菱製薬の不祥事を引き合いに、「薬事法、コンプライアンス、いろいろなルールがある。『うっかり』とかは(国民に)理解されない。各企業が小さいところから国民の信頼感を得て、(新薬創出等加算の)試行の2年間を大切にしてもらいたい」と述べ、国民・患者の理解と信頼を得て新薬創出等加算の恒久化につなげてもらいたいとの考えを示した。(写真は、右が庄田新会長、左が竹中前会長)