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薬食審・第二部会 新薬2成分を審議

公開日時 2010/10/26 04:02

厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は10月25日、新薬2成分を審議した。この中で、骨髄異形成症候群(MDS)の治療薬として日本新薬のビダーザ注射用の承認が了承された。MDSは白血病へ移行する可能性が高く、予後が悪い疾患として知られるが、治療薬は少ない。また、同日は、既存の抗菌剤が効かない多剤耐性菌として社会問題化しているアシネトバクターや緑膿菌に対する治療薬として期待される、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウムを希少疾病用医薬品に指定することを認めた。現在、グラクソ・スミスクラインが国内治験中で、承認審査されれば優先審査扱いされる。

今回審議された新薬2成分は、いずれも承認が了承された。薬事分科会には報告扱い。2成分は次のとおり。

▽はしか風しん混合生ワクチン「北研」(成分名:乾燥弱毒麻しん風しん混合ワクチン、北里研究所):「麻しん及び風しんの予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

▽ビダーザ注射用100mg(アザシチジン、日本新薬):「骨髄異形成症候群」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年(希少疾病用医薬品)。MDSを適応とする新薬では8月、セルジーン社のレブラミドカプセルが承認されているが、「5番染色体長腕部欠失に伴う」MSDが適応。ビダーザは全てのMDS患者が適応で、承認申請時の日本新薬の発表によると、高リスクMDS患者を対象とした海外臨床試験では、生存期間(中央値)は、既存薬群では15.0ヵ月だったのに対し、ビダーザ群では24.5ヵ月と有意な延長を示した。


◎3成分の未承認適応の公知申請を了承 保険適用に


25日の部会では、適応外薬3成分について要望のあった未承認適応症の公知申請を了承した。同省は、ドラッグ・ラグ問題の改善を進めている厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(検討会議)で公知申請が妥当とされた適応外薬について、薬食審で公知申請が了承されれば、半年程度かかる正式承認を待たずして、公的健康保険を適用する措置を実施しており、今回の了承分も保険適用された。了承されたのは次のとおり。

▽追加適応「褐色細胞腫の診断」。製品名:ミオMIBG-I123注射液(成分名:3-ヨードベンジルグアニジン(123I)注射液、会社名:富士フイルムファーマ)
▽追加適応「全身性エリテマトーデス」「全身性血管炎」など。イムラン錠(アザチオプリン、グラクソ・スミスクライン)、アザニン錠(同、田辺三菱製薬)
▽追加適応「グランツマン血小板無力症」。ノボセブンHI静注用(エプタコグアルファ活性型遺伝子組み換え、ノボ ノルディスクファーマ)

検討会議は10月6日の会合で、適応外薬9成分について、要望のあった未承認適応症について公知申請が妥当としており、今回のはこのうちの3成分。あと6成分は29日の医薬品第一部会で審査される。
 

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