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LDL-C値1.0 mmol/L低下で心血管イベント発症率は1/5に メタ解析の結果から

公開日時 2010/12/04 04:00

LDLコレステロール(以下、LDL-C)を1.0 mmol/Lの低下させることで、心臓発作や血行再建術、虚血性脳卒中などの発生率が1/5に減少することがメタ解析の結果から明らかになった。より積極的脂質療法な脂質低下療法を行うことの有用性が示された形だ。学術誌「THE LANCET」のオンライン版に11月9日掲載された。


これは、スタチンを用いた積極的な脂質低下療法と標準的な脂質低下療法とを比較した5本の無作為化試(被験者総数3万9612例、追跡期間中央値:5.1年)と、スタチン療法と対照群とを比較した21試験(被験者総数12万9526例、追跡期間中央値:4.8年)のデータを解析した結果、分かったもの。解析では、イベントリスクの抑制効果の平均値を求めるとともに、LDL-C1.0 mmol/L当りのイベント発症リスクの低下率を検討した。


より強力なスタチン療法と、標準的なスタチン療法とを比較した試験では、強力な療法によるLDLコレステロールの更なる低下が、無作為化から1年後の加重平均で0.51 mmol/Lとなった。より強力なスタチン療法では、主要血管イベント発症率が有意に15%抑制された(95%CI:11~18、
P値<0.0001)。


内訳は、冠動脈死または非致死的心筋梗塞の発症率が13%(95%CI:7~19、 P値<0.0001)、冠動脈血行再建術が19%(95%CI:15~24、 P値<0.0001)、虚血性脳卒中の発症率が16%(95%CI:5~26、 P値=0.005)抑制されていた。


LDL-Cが1.0 mmol/L低下することでのイベント発症抑制効果は、スタチンとコントロールを比較した試験での相対リスク削減と類似しており、これら2種類の試験を組み合わせた場合、LDL-Cが2 mmol/L未満の被験者を含め、全てのタイプの被験者において、主要血管イベントリスクの相対的なイベント発症率抑制効果がみられた(RR 0.78, 95% CI: 0.76~0.80、P値 <0.0001)。


全26試験の解析では、LDLコレステロールが1.0 mmol/L低下するごとに、総死亡のリスクが10%抑制されていた(RR 0.90, 95% CI 0.87-0.93; P値<0.0001)。これは主に冠動脈心疾患死の有意な減少(RR 0.80, 99% CI: 0.74~0.87、P値<0.0001)と、他の心臓起因の死亡の抑制(RR 0.89, 99% CI: 0.81~0.98、P値=0.002)による影響が大きかった。また脳卒中による死亡とその他の血管起因の死亡も、有意差はなかったが、低下する傾向が見られた。


筆者らは、これらの結果から、強力なスタチン療法は、LDLコレステロールを1.0 mmol/L低下させるごとに、心臓発作や血行再建術、虚血性脳卒中の年率を約5分の1削減することが分かったとした。コレステロールの閾値に関するエビデンスは特になく、2~3 mmol/Lの低下により、これらのリスクは40~50%抑制できることが示唆されたとしている。

 

 

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