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【ISCリポート】AVERROES試験最終データ アピキサバン投与で脳卒中+全身性塞栓症の発症55%抑制

公開日時 2011/02/12 00:00

 

 

 

心房細動を対象に、ファクターXa阻害剤・アピキサバンのアスピリンへの非劣性を検証した「AVERROES(Apixaban Versus ASA To Reduce the Risk Of Stroke in Patients With AF Unsuitable for Vitamin K Antagonist Therapy)」試験の最終データが報告された。アピキサバンの投与により、アスピリンに比べ、脳卒中+全身性塞栓症の発症率が55%抑制されることが分かった。独・University Hospital Essen神経内科教授のHans-Christoph Diener氏が国際脳卒中学会(ISC)で2月10日に開かれた一般口演で報告した。


試験は、ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)の投与が難しい症例に対し、アピキサバンがワルファリンの代替薬になることができるか検証する目的で実施された。同剤は、①経口の選択的Xa阻害作用を持つ②半減期が12時間で、腎排泄(25%)だが、複数の排泄経路を持つ③通常の抗凝集能検査が必要ない④整形外科の静脈血栓塞栓症(VTE)の有効性・安全性がすでに示されている――ことが特徴とされている。


試験の対象は、脳卒中の発症リスクが1つ以上あり、ビタミンK阻害剤(ワルファリン)による治療では不安定な心房細動患者5599例。危険因子は、▽脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)の既往▽75歳以上▽治療例を含む高血圧▽治療例を含む糖尿病▽心不全(NYHAクラス分類でⅡ度以上)▽左室駆出率(LVEF)≦35%▽末梢動脈疾患(PAD)――。長期間の抗凝固薬の服用が求められる患者や心臓弁膜症で手術が必要な患者、過去6カ月以内に重大な出血があった患者は除外した。


①アピキサバン2.5mg1日2回投与群(選択された患者には1.25mg1日2回投与)2808例②アスピリン(81~324mg)投与群2791例――の2群に分け、治療効果を比較した。主要評価項目は、脳卒中+全身性塞栓症の発症率。主要な安全性評価項目には、重大な出血を据えた。日本を除く米国、中国、韓国など世界36カ国522施設で実施された。なお、同試験は2010年5月28日に、アピキサバンの有効性が明らかに上回ることから、試験の早期中止がなされている。


対象患者の平均年齢は、両群ともに70歳。CHADS2スコアの平均値はアピキサバン群で2.0±1.1(0~1:36%、2:37%、3以上:27%)、アスピリン群で2.1±1.1(0~1:36%、2:34%、3以上:29%)。試験登録時には40%の患者がワルファリンを服用していたが、
「ビタミンK拮抗薬の服薬を継続できない」が4割、「効果が安定していない」が6割の理由で治療が不安定だったという。


◎Diener氏「良好なリスク・ベネフィットプロファイルを持つ薬剤」


1.1年間(中央値)追跡した結果、主要評価項目(脳卒中+全身性塞栓症)の発症率は、アピキサバン群で1.6%/年(51例)に対し、アスピリン群では3.6%/年(113例)で、アピキサバン投与群はアスピリン投与群に比べ、55%発症リスクを抑制した(95%CI:0.33~0.64、P値<0.001)。脳卒中の発症率は、アピキサバン群で1.6%/年(49例)だったのに対し、アスピリン群で3.4%/年(105例)で、有意に発症を抑制した(RR:0.46、95%CI:0.33~0.65、P値<0.001)。一方で、全身性塞栓症の発症率はアピキサバン群で0.1%/年(2例)に対し、アスピリン群で0.4%/年(13例)で、有意差はみられないものの、発症を抑制する傾向がみられた(RR:0.15、95%CI:0.03~0.68、P値=0.01)。そのほか、総死亡は、アピキサバン群で3.5%/年(111例)に対し、アスピリン群では4.4%/年(140例)だった(RR:0.79、95%CI:0.62~1.02、P値=0.07)。特に、脳卒中やTIAの既往があるハイリスク群でアピキサバンの高い効果がみられた。


一方、安全性については、重大な出血はアピキサバン群で1.4%/年(44例)に対し、アスピリン群で1.2%/年(39例)で、ハザード比は1.13だった(95%CI:0.74~1.75、P値=0.57)。このうち、頭蓋内出血はアピキサバン群で11例、アスピリン群で13例だった。


そのほか、両群間に有意差がみられたのは、少なくとも1つ以上の重大な有害事象を発生した患者数(アピキサバン群:22.2%、アスピリン群:27.2%、P値<0.001)、神経系疾患(アピキサバン群:3.0%、アスピリン群:6.6%、P値<0.001)でいずれも、アピキサバン群で良好な結果となった。


Diener氏は、1000人の患者をアスピリンの代わりにアピキサバンで治療することで、「21人またはそれ以上の脳卒中、9人の死亡、33人の冠動脈疾患による入院を防ぐ」と有効性を強調。一方で「2人の重大な出血が増加する」と説明した。


これらの結果からDiener氏は、「肝障害を増加させることなく、アスピリンに比べ、良好な認容性を示した」とし、「ビタミンK拮抗薬による治療で不安定な心房細動患者に対し、良好なリスク・ベネフィットのプロファイルを示した」と述べた。


会場から出た直接トロンビン阻害剤・ダビガトランとの比較についての質問に対し、Diener氏は、「この試験はアスピリンを対照薬としているので比較はできない」とした上で、アピキサバンとワルファリンの効果を直接比較した臨床第3相試験(P3)「ARISTOTLE(Apixaban for Reduction In Stroke and Other ThromboemboLic Events in Atrial Fibrillation)」が進行中であることを紹介し、8月に開かれる欧州心臓病学会議(ESC)で結果が公表される予定であることも明らかにした。


なお、同試験の結果は、同日付の「The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE」のOnline版に掲載された。


 

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