◎患者団体、医師会、政府と連携する包括的戦略を展開

ノボノルディスクのLars　Sorensen　ＣＥＯは、Ｔｈｅ　Ｐｉｎｋ　Ｓｈｅｅｔの取材に応じ、患者が求める新薬開発の方向性や、糖尿病市場でのプレゼンスをどのように発揮するかについて語った。

－　米国の販売部隊の規模は成長に見合っているか？

Ｓｏｒｅｎｓｅｎ　ＣＥＯ：　我々は他の医薬品企業とはまったく別方向に向かっている。我々は人々を雇用し、研究を拡大、ビジネスを世界的に拡大、利益を上げている。2010年末までにはそれまで1600人だったＭＲを200－300増員した。10年前は約100人だった。

－　市場は糖尿病薬メーカーに何を求めているか？

Ｓｏｒｅｎｓｅｎ　ＣＥＯ：　我々は、我々のビジネスを糖尿病患者が高品質の医薬品を入手しやすい価格で提供する患者の一生涯に関与するものと考えている。医療保険制度が糖尿病の診断・治療を確実に支えるために政治レベルでの関心を高める必要があるので、我々は患者団体、医師会、政府とも連携する包括的戦略を取っている。

◎消費者が求める新薬開発を

－　支払者からの圧力が高まっていると思うか？

Ｓｏｒｅｎｓｅｎ　ＣＥＯ：　財源不足から米国でも欧州でも支払者（保険者）からの圧力が高まっていることは感じている。支払者は短期的に経費削減に集中しなければならず、また、消費者からの圧力にも対応しなければならない。消費者は最新の製品が入手したいと考えるので、そこに緊張が生まれる。

－　ノボの次期発売インスリンであるＤｅｇｌｕｄｅｃについて話してほしい。発売はいつ頃で、Ｌａｎｔｕｓの競合品としてどの程度期待するか？

Ｓｏｒｅｎｓｅｎ　ＣＥＯ：　Ｌａｎｔｕｓの特許が切れる2015年までにＤｅｇｌｕｄｅｃのコンセプト、プロファイル、価格などを検討する余裕はある。サノフィの戦略は患者への強化療法を提供し、新規製品と同社フランチャイズを拡大することによりＬａｎｔｕｓとＧＬＰ－１受容体作動薬ｌｉｘｉｓｅｎａｔｉｄｅを一緒に調剤させることにある。我々はＤｅｇｌｕｄｅｃとｌｉｒａｇｌｕｔｉｄｅの試験で同様のことを行っている。ビクトーザはｌｉｘｉｓｅｎａｔｉｄｅよりも、ＤｅｇｌｕｄｅｃはＬａｎｔｕｓよりも優れていることを示したので、併用は一層よくなると思う。我々は非常にユニークな競争的ポジションにある。

－　Ｄｅｇｌｕｄｅｃの発売はＬｅｖｅｍｉｒにどんな影響を及ぼすか？

Ｓｏｒｅｎｓｅｎ　ＣＥＯ：　10人の患者から7人を取ったら3人残るが、他の基礎インスリン製剤がないので、その3人を対象にするのがＬｅｖｅｍｉｒだ。Ｌｅｖｅｍｉｒが1人、ＬａｎｔｕｓとＬａｎｔｕｓのバイオシミラーで2人になる。Ｌｅｖｅｍｉｒを止めることは考えていない。同剤には医学的な論理的存在理由があると考える。

◎週1回の理由はコンプライアンスの問題というより競争上の問題

－　ノボノルディスクはビクトーザの週1回投与剤を開発中だが、そのポテンシャルは？

Ｓｏｒｅｎｓｅｎ　ＣＥＯ：　1日１回より週1回がコンプライアンスが良いかどうかは分からない。週1回はコンプライアンスが悪いかも知れない。なぜなら、日曜日に何をやったか思い出すより1日1回何かやるほうが容易だからだ。日曜日に高用量取って吐き気を催したら2度と嫌だ。日曜日だけ糖尿病の心配をする必要があることを人々に告げなければならない微妙な側面がある。

月曜、水曜、金曜日と週3回の試験を行ったことがある。完全なレジメンではなかったが、Ｌａｎｔｕｓを対照薬として同等の血糖コントロールを示した。その際、行政官は、私の考えで組み立てたレジメンについて若干懸念を持っていたようだった。我々が話している週1回の理由はコンプライアンスの問題というより競争上の問題だ。守りの態勢で同剤を開発している。我々はぶざまになりたくないからね。

（The Pink Sheet　　2月28日号より）　　FDAと米国製薬企業の情報満載　“The Pink Sheet”はこちらから