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第一三共 11年度の日本市場 新薬4製品発売へ 専門MRのカテゴリーを一部見直し

公開日時 2011/05/16 04:02

 

第一三共は5月13日に経営説明会(10年度決算説明会)を開き、11年度に日本で発売予定の新薬4製品の売上最大化に向けて、MR2400人がより効率的・効果的に機能するように、一部専門MRの疾患カテゴリーを見直したことを明らかにした。同社の国内営業はMRを大きく施設担当と領域担当(=専門MR)に分けて配置し、それぞれが連携する営業体制を敷いている。同社によると、変更後の領域担当は▽循環器・AD(アルツハイマー型認知症)担当▽造影剤・肝疾患担当▽がん▽ワクチン――という。これまでAD担当はいなかった。11年度の新薬4製品のトップバッターとなる6月発売予定のAD治療薬メマリーに照準を合わせた体制を敷いたとみられる。

第一三共の国内営業は2007年4月の旧三共と旧第一製薬との完全統合時から、「MRクロスワイズ体制」と呼ぶ仕組みを導入している。これは施設担当と領域担当が有機的に連携(クロス)して、より質の高い学術情報(ワイズ)を提供していくというものだが、新製品の発売などに合わせてフレキシブルな人員配置ができることも特徴だ。施設担当は▽大学病院▽200床以上の医療機関(HP)▽199床以下の医療機関(GP)――。領域担当はこれまでに整形外科や消化器などの担当もあったが、現在はこれらの担当は置いていない。各担当のMR数は非開示。

第一三共は11年度に、▽メマリー(一般名・メマンチン)▽術後の静脈血栓塞栓症用薬リクシアナ(エドキサバン)▽消化性潰瘍用薬ネキシウム(エソメプラゾール)▽がん骨転移用薬デノスマブ――の発売を予定。中山讓治社長は説明会で、「国内営業が力を最大限に発揮させて成長を加速させたい。これらの新製品でかねてから目指している国内ナンバー1の地位に一歩でも近づきたい」と話した。

11年度の新薬4製品のうち、メマリーは既存薬や今年発売が見込まれる競合新薬の作用機序であるアセチルコリンエステラーゼ阻害とは異なる機序、NMDA受容体拮抗タイプの新薬。作用機序の違いを前面に出し、他のAD治療薬との併用も訴求ポイントのひとつに据えると見られる。リクシアナはファーストインクラスの経口ファクターXa阻害薬。ネキシウムはアストラゼネカの最主力品で、10年世界売上が49億ドル超と世界で最も売れているPPI。国内では第一三共とAZがコ・プロモーションする。第一三共は08年までH2ブロッカーのザンタックを手掛けており、ネキシウムでも早期から存在感を発揮しそうだ。

◎グローバル製品オルメサルタンの成長 「国内営業がこれから実現」

そのほか、第一三共の最主力品オルメサルタン(一般名)は、単剤オルメテックと自社CCBアゼルニジピンとの合剤レザルタスとの合算で11年度国内売上1100億円を目指す。中山社長は「グローバル最重要品目としての成長を、国内営業がこれから実現していきたい」と述べ、12年度世界売上3000億円に挑戦中のオルメサルタンは、国内営業がキーになるとの見方を示した。これは米国市場で競合ARBに後発品が参入したことによって、オルメサルタンも影響を受けていることが背景にある。

また、同社では10年10月から後発品と一部の長期収載品を手掛ける第一三共エスファが業務を開始した。10年度の手応えや今後の展望について中山社長は、「我々なりにある程度手応えのあった年度だったが不十分なところもある」とし、「基本的に品目数を増やす。第一三共ブランドや品質を訴求すると同時に丁寧に売れるような、しかも利益率の良い製品を揃えることが課題だと思う」と話した。
 

 

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