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第一三共「第6期中期経営計画」 30年度に売上高3兆円以上 35年にがん領域グローバルトップ5企業へ

公開日時 2026/05/12 06:30
第一三共は5月11日、2030年度を最終年度とした「第6期中期経営計画」を発表した。30年度の売上収益3兆円以上、営業利益6000億円以上を掲げる。リクシアナ特許満了、エンハーツ販売マイルストーンの受領終了なども見込まれるが、エンハーツやダトロウェイの売上伸長により、がん領域売上収益を倍増させる計画だ。奥澤社長は、「当社がグローバルトップ5オンコロジー企業という新たな成長ステージへと踏み出すための重要な計画だ。持続的な価値創造を実現し、サステナブルな社会の発展に貢献する先進的なグローバルヘルスケアカンパニーへと成長する」と意欲をみせた。

◎リクシアナの特許満了、エンハーツの販売マイルストーンの受領終了も増収基調

第6期中計(26~30年度)では、30年度の売上収益3兆円以上、営業利益6000億円以上、EPS(1株当たり純利益)は260円以上、調整後DOE(株主資本配当率、各年度)10%以上を掲げる。5年間で研究開発費として約2兆9000億円、設備投資として約7000億円を積極的に投資する。30年までの間に、リクシアナの特許満了、エンハーツの販売マイルストーンの受領終了、鉄剤ビジネスの収益減少といった課題のほか、27年度以降は第一三共ヘルスケア譲渡による減収影響が見込まれる。奥澤社長は、「第6期中計の戦略の着実な実行、エンハーツやダトロウェイを中心とした DXd ADC の製品価値最大化により、中計期間中の売上収益は一貫して増収基調を見込んでいる」と自信をみせる。

◎がん事業は25年度に2兆3000億円超に成長見込む 20以上の適応症上市を目指す

注力するがん事業については、“35年までにがん領域でグローバルトップ5カンパニー”の実現を掲げ、25年度の売上収益9540億円から2兆3000億円超に成長させる計画だ。今後5年間で20以上の標的適応症を全世界での迅速な上市を実現させる考え。適応症拡大を含むLCM戦略で製品価値最大化を図る方針で、「製品のライフサイクル全体を通じて、薬剤の価格や償還戦略をグローバル視点で作成することに加え、継続的なデータやエビデンス創出により長期的な製品価値を確保し、各製品の価値最大化を目指す」と強調。「DXd ADC 事業は大きく成長し、3兆円以上のピークセールスポテンシャルを有していると考えている」(奥澤社長)と自信をみせる。

◎自社開発・商業化できるケイパビリティを構築 デジタル活用で開発スピードを向上

同社はこれまでアストラゼネカや米メルクとの提携を通じ、製品の市場浸透を図ってきたが、グローバルトップ5企業に成長するために、「競争力のあるパイプラインを有し、それらの製品価値を最大化できるよう、自社開発・商業化できるケイパビリティを構築し、将来の持続的な成長を実現する」と意欲をみせた。

開発をめぐっては、「開発スピードの向上が不可欠」との考えを表明。エンハーツが世界最速レベルで承認取得に至ったと自信をみせ、「後続の自社開発品でも、エンハーツのような競争力のある承認スピードを再現できるよう、非臨床から臨床入りまでの期間短縮と臨床開発の各プロセスを効率化する」と述べた。

具体的には、10以上の国・地域で治験経験が豊富な施設と提携し、グローバルでフェーズ1を実施する治験ネットワークの構築に力を入れているという。提携施設は今後さらに拡大する方針で、FIH(ファーストインヒューマン)を加速させたい考え。また、バイオマーカーの探索や研究、リアルワールドデータの利活用、プロトコルの作成など、あらゆるプロセスでデジタルテクノロジーや AIを積極的に活用することで、効率性を向上。プロセス全体のスピードアップにつなげたい考えを示した。

継続的な成長に向けて、30年度までにDXd ADC技術に続く、同社の技術に基づいた複数の“Breakthrough Generating Technologies(BGTs)”を特定し、持続的な成長を実現することも柱として盛り込んだ。DXd ADC耐性を克服する新規の細胞傷害性ペイロード、長期の寛解を目指す免疫療法(IO)ペイロード、腫瘍選択性を高める抗体改変型ADCのほか、マルチスペシフィック抗体、TPD molecule、核酸医薬・siRNAなどを列挙した。

◎全社でOperational Excellenceを実施 5年間で2000億円のコスト最適化見込む

さらに、デジタル化などOperational Excellenceを全社で実行することで、5年間で2000億円のコスト最適化を見込む。今年4月には、CEO直轄のビジネストランスフォーメーション組織を新設。コスト構造を見直し、利益創出力を強化する方針。

奥澤社長は、「定型業務だけではなく、非定型業務もスコープに入れて、AIの活用により業務効率化を図ると同時に、効率化によって従来業務から解放された人的リソースについて、リスキリングを通した能力転換と適材適所の再配置を組み合わせた人事戦略を策定、実行し、全社最適の観点で人材配置の高度化を図る」と述べた。また、調達プロセスの最適化で、さらなるコスト削減を図る。

また、全ての国と地域を管轄し、オンコロジー及びスペシャリティの新薬事業全領域のマーケティング、メディカル・アフェアーズ、マーケットアクセスなどの活動をグローバルで一元的に担う新たな組織を設立。統括責任者であるChief Commercialization Officerのポジションを27年4月に設置することも明らかにした。これにより、「スピード感と一貫性のあるグローバルな活動を展開するだけでなく、組織や要員の最適化を含め、事業戦略に沿った優先順位に基づくリソース配分や事業投資判断を進める」との考えも示した。

◎25年度売上高は2兆1230億4500万円で増収増益

25年度の売上高は前年同期比12.6%増の2兆1230億4500万円、コア営業利益は15.1%増の3599億6200万円の増収増益だった。主力品のエンハーツが対前年同期比26.3%増の6984億円(対前期比1455億円増)、ダトロウェイが対前期比462億円増の476億円を売り上げたことが貢献した。エンハーツは、主要な国や地域で既存の各適応症で新規患者のシェア1位を維持。26年度にも、販売マイルストーンとして938億円の受領を見込む。ダトロウェイは、日米で乳がんの適応症で市場浸透が進んだほか、米国では肺がんの適応症が売上を牽引。グローバルで累計4900人以上の患者に処方された。

ジャパンビジネスユニット他は、ダトロウェイが128億円伸びたほか、疼痛治療薬・タリージェが97億円、経口抗凝固薬・リクシアナが87億円伸びた。一方でインフルエンザ治療薬・イナビルの売上減少に加え、第一三共エスファの棚卸資産未実現利益の実現益を計上したことから、32億円の増収となった。

【連結業績(前期比)26年度予想(前期比)】
売上高 2兆1230億4500万円(12.6%増) 2兆2800億円(7.4%増)
コア営業利益 3599億6200万円(15.1%増) 3600億円(27.5%増)
営業利益 2290億8900万円(31.0%減) 3150億円(37.5%増)
親会社帰属当期利益 2598億7400万円(12.1%減) 2600億円(0.0%)

【グローバル主要製品売上(前期実績)26年度予想、億円】
エンハーツ※ 6984(5528)8613
うち日本 377(310)450
米国 3863(3020)4663
欧州 1748(1496)2042
ASCA(アジア/中南米) 997(703)1459

ダトロウェイ※ 476(14)1114
うち日本 131(3)131
米国 332(11)922
欧州 12(-)23
ASCA(アジア/中南米) 1(-)38

イフィナタマブ デルクステカン ―(―)31

エドキサバン 3677(3440)3254
うち日本 1418(1330)1140
米国 14(36)15
欧州 1930(1790)1755
ASCA(アジア/中南米) 315(283)344

【国内主要製品売上(前期実績)25年度予想、億円】
リクシアナ  1418(1330)1140
タリージェ 654(556)738
プラリア 458(422)460
エンハーツ 377(310)450
エフィエント 352(315)79
ビムパット 285(304)53
ベルソムラ 186(99)178
ランマーク 195(201)133
カナリア 145(156)139
ミネブロ 111(96)138
ロキソニン 119(123)128
エムガルティ 128(107)124
ダトロウェイ 131(3)131
イナビル 16(199)60
ワクチン事業 68(82)118

第一三共ヘルスケアユニット 907(867)981

※アストラゼネカが売上計上する国/地域における共同販促収入を含む
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