世界抗がん剤ランキング トップへの長い道のり
公開日時 2011/06/14 04:00
2010年の世界の抗がん剤市場の売上は支持療法を除外して、約540億ドル(IMSヘルス調べ)となった。医薬品業界にとっては、がん領域は重要なセグメントで、ロシュが170億ドルを売上、市場の31%を獲得、ノバルティスが61億ドル(シェア11%)で2番手につけている。
ビッグファーマは全てではないが、抗がん剤でのトップランキングを目指し、リソースを投入している。だが、各企業は集団から抜け出し、かつ、ロシュに迫るまでには長い道のりが待っている。抗がん剤の後期開発品は他の薬効領域に比べ、脱落率が最も高く、バイオ産業協会(BIO)などのデータによれば、2003年から2010年の間で、フェーズIIIにあった候補物質のうち上市されたのは34%に過ぎない。
6月3日から開催されるASCO(米国臨床腫瘍学会)では、いくつかの興味あるR&Dの結果が発表された。ブリストルマイヤーズスクイブ(BMS)の黒色腫治療薬Yervoy(ipilimumab)のフェーズIII、ロシュの黒色腫治療薬BRAF阻害剤vemurafenibのフェーズIIIの結果やアストラゼネカの卵巣がん治療薬PARP阻害剤のolaparib、ファイザーの腎がん治療薬axitinibのデータの発表が注目される。
ASCOとは別に、Cowen & Company’s Therapeutic Categories Outlook Report(3月号)は、抗がん剤のパイプラインは豊富で、1000剤以上のがん治療薬・血液学関連薬剤が開発段階にあると報告している。
●抗がん剤R&Dパイプライン世界ランキング |
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世界ランキング |
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売上(100万ドル) |
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マケットシェア (%) |
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2010年 |
2009年 |
2010年 |
2009年 |
2010年 |
2009年 |
ロシュ |
1位 |
1位 |
17,079 |
15,729 |
31.1 |
30.4 |
ノバルティス |
2位 |
2位 |
6,109 |
4,936 |
11.1 |
9.6 |
サノフィ |
3位 |
3位 |
3,752 |
4,549 |
6.8 |
8.8 |
イーライリリー |
4位 |
5位 |
3,750 |
3,500 |
6.8 |
6.8 |
アストラゼネカ |
5位 |
4位 |
3,657 |
4,144 |
6.7 |
8 |
ファイザー |
6位 |
6位 |
2,054 |
2,251 |
3.7 |
4.4 |
武田薬品 |
7位 |
7位 |
1,625 |
1,377 |
3 |
2.7 |
メルク |
8位 |
8位 |
1,179 |
1,162 |
2.1 |
2.2 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン |
9位 |
10位 |
1,113 |
1,016 |
2 |
2 |
ブリストルマイヤーズスクイブ |
10位 |
9位 |
1,039 |
1,047 |
1.9 |
2 |
(データはIMSヘルス) |
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