米国の糖尿病性腎臓病有病率の一時的傾向
公開日時 2011/07/06 22:59
糖尿病は先進国における腎臓病の主因といわれる。今後も、糖尿病性腎臓病(DKD)は、糖尿病人口の拡大および未治療者の増加により増えると見込まれるが、米国でのDKDの一時的な傾向を見極めるために「National Health and Nutrition Examination Survey」の1988-1994、1999-2004、2005-2008におけるDKD罹患率、糖尿病罹患率、血糖降下薬の使用状況などを調査、分析し、糖尿病と腎臓病の関連を把握した。
DKDの定義を以下のようにした。タンパク尿(クレアチニンに対する尿アルブミンの割合が30mg/gあるいはそれ以上)を有する糖尿病および/もしくは糸球体透過率の障害(CKD疫学共同フォーミュラを使用して、60mL/min/1.73 m2未満)がある糖尿病。
米国における1988年から2008年のDKDの有病率は、糖尿病の有病率の割合に比例し、増加したことが判明した。糖尿病患者では、DKDの有病率は血糖降下薬やレニンアンジオテンシン系阻害剤の使用が増加しているにも関わらず、変化はなかった。Ian H.de Boer (Kidney Research Institute and Division of Nephrology, University of Washington) ほか。
JAMA 2011:305(24)