PMDA 週1回インスリンアナログ・アウィクリの投与過誤で注意喚起 連日投与し重大な低血糖の事例も
公開日時 2025/12/05 04:48
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は12月3日、糖尿病治療のための週1回持効型溶解インスリンアナログ・アウィクリ注フレックスタッチの使用において投与過誤が発生しているとして、医療従事者に対し適正使用を求める注意喚起を行った。報告された事例の中には、本来は週1回のところを連日投与したり、単位合わせダイアルの誤認識により過量投与となり、結果として重大な低血糖に至ったケースがあるとしている。
製造販売元のノボ ノルディスク ファーマが12月に発出した適正使用のお願いでは、10月31日までの投与過誤の事例を紹介。具体的には、▽誤って連日投与した結果、重大な低血糖を発現した、▽1クリック(1目盛)はインスリン10単位に相当するところ、1クリック(1目盛)が1単位に相当すると誤認識した結果、過量投与となり重篤な低血糖を発現した、▽他の週1回投与のGLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬の使用経験のある患者で、単位合わせダイアルの目盛を目視で確認せず、アウィクリのダイアルを最大単回投与量に設定し、過量投与してしまった――といった症例があった。
同社は医療従事者に対し、アウィクリは「週1回投与の製剤」であることや、単位合わせダイアルの「1クリック(1目盛)は10単位に相当する」ということに改めて注意するよう求めた。
また、「特にアウィクリ注フレックスタッチの投与開始以前に連日投与の基礎インスリン製剤の使用経験がある方、他の週1回投与の糖尿病注射薬の使用経験のある方には注意が必要」だと指摘。アウィクリの投与量の設定方法は他の週1回投与の糖尿病注射薬とは異なるとした上で、「本剤のペン型注入器のダイアル表示の目盛を目視で確認し、処方された投与量である場合を除き、最大単回投与量(300単位又は700単位)を選択しないよう治療のサポートをお願いします」と呼びかけている。