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【ESCOリポート】心原性脳塞栓症患者の血栓溶解療法 予後予測因子でD-Dimerが有用

公開日時 2011/07/20 04:00

カットオフ値は0.85μg/mLに 

長尾毅彦氏

 

 

非弁膜症性心房細動に起因する心原性脳塞栓症患者における、血栓溶解療法実施前の予後予測因子として、D-dimerが有効であることを、東京女子医科大学神経内科臨床准教授長尾毅彦氏が5月26日のポスターセッションで報告した。

 

 

 

心原性脳塞栓症患者は、非心原性脳梗塞など他のサブタイプの脳梗塞患者に比べ、D-dimerの値が高いことが知られている。これは、心腔内に、“フィブリンリッチ”と言えるフィブリン密度が高い血栓があり、凝固系の亢進に加えて、二次線溶が亢進するためと考えられている。
 

長尾氏らは、血栓溶解療法を実施した心原性脳塞栓症患者における、ベースライン時のD-dimer値を測定し、D-dimerの予後因子としての有用性を検討した。
 

資料非弁膜症性心房細動に起因する心原性脳塞栓症患者で、アルテプラーゼ(rt-PA)を用いた血栓溶解療法を実施している患者26例(男性:16例、女性:10例)。脳卒中重症度評価スケールであるNIHSS<6の軽症例、悪性疾患、合併症による死亡は除外した。転帰良好群(modified Rankin Scale(mRS)で0[全く症状なし]~1[何らかの症状はあるが障害はない: 通常の仕事や活動は全て行える])、転帰悪化群(mRS>1)に分け、ベースラインでのD-dimerの値を比較検討した。患者の平均年齢は、65.6歳、3カ月後のmRS中央値は2[軽微な障害]だった。2群間の患者背景に有意差はなかった。
 

その結果、D-dimer値は転帰良好群で1.36±0.78μg/mL、転帰悪化群で0.86±0.37μg/mLで、有意に転帰良好群で高い結果となった(P値=0.037、Fisher’s PLSD test)。
 

D-Dimerのカットオフ値を0.85μg/mLにすると、感度は66.7%、特異度は81.8%となった。
 

長尾氏はこれらの結果から、「非弁膜症性心房細動に起因する心原性脳塞栓症患者で、血栓溶解療法前のD-dimer高値は、転帰良好の予測因子であることを示している」と結論付けた。

 

 

 

 

 

 

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