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製薬各社トップが相次いで年頭所感を発表 ビジネス変革への決意表明 事業構造改革への意識強める

公開日時 2026/01/06 04:52
国内製薬各社の経営トップは1月5日、相次いで年頭所感を公表した。R&D強化やグローバル事業展開、さらにはAIやデジタルの社会浸透を踏まえたビジネス変革と人財育成への挑戦など、各社が直面する課題に対するメッセージが各社の社員に発せられた。

◎中外製薬・奥田社長CEO 「次の100年も“患者中心”でイノベーションの追及に邁進」

中外製薬の奥田修代表取締役社長CEOは、25年に創立100年を迎えたことから、「当社は、本年(26年)、次の第一歩を踏み出す」と述べた。そのうえで、「中外製薬が最も優先する価値観は、“患者中心”だ。“患者さんの幸せに貢献したい”、“患者さんが待ち望む医薬品をいち早くお届けしたい“という強い想いが、私たちの価値創造の原動力だ」と強調。「”世の中の役に立つくすりをつくる“という創業者の志を受け継ぎ、中外製薬は次の 100 年も、世界の医療と人々の健康に貢献することを目指し、イノベーションの追求に邁進する」と決意を示した。

26年は成長戦略TOP I 2030の折り返しの年に当たると説明。「オープンイノベーションを加速し、パートナーの強みと当社の強みを掛け合わせ、私たちだからできる創薬を目指す」と強調した。このほか、AI活用や新たな研究棟・UKXの建設を通じた製法開発機能を強化などの方向性を説明。これらの実現に向けて「ひと」の重要性を強調。「昨年(25年)に導入した新人事制度を通じて、社員一人ひとりの主体性をさらに後押しし、主体性の連鎖による連続的なイノベーション創出で、TOP I 2030 の目標達成を確実なものにする」と意気込みを示した。

◎大塚HD・井上社長CEO 「トータルヘルスケア企業として社会課題に取り組む」

大塚ホールディングスの井上眞代表取締役社長兼CEOは、「大塚グループは、“世界の人々の健康に貢献する、なくてはならない企業”を目指し、 “人”に向き合い、一人ひとりの Well-being に貢献すべく活動している」と述べた。

26年は第4次中期経営計画の中間年に当たるとして、「26年も、持続的な成長に向け、新たな価値創造を継続する」と表明した。「人々の健康ニーズが、身体的、精神的な側面から、社会的な満足まで拡がり、Well-beingへと進化する中、大塚グループがもつ事業の多様性、専門性を最大限に活かし、今後もトータルヘルスケア企業として包括的な視点からヘルスケアの社会課題に取り組む」とした。

◎塩野義製薬・手代木CEO “義”を胸に「最高売上・最高利益の更新を達成する」

塩野義製薬の手代木功代表取締役会長兼社長CEOは、「世界情勢は依然として不透明で、中でも製薬産業を取り巻く環境は年々複雑化している。しかし、私たちの使命は変わらない。“創り、造り、売る、それを支援する”すべての部署が、“SHIONOGIの薬、ヘルスケアソリューションを、1分1秒でも早く、一人でも多くの方にお届けする”という目的に、改めて真っ直ぐ向かっていかなければならない」と強調した。

26年の一字には「義」を選んだ。「正しい道を貫き、患者さまとそのご家族のために尽くす。その精神を胸に、コンプライアンスとDE&Iを守りながら、今年度も最高売上・最高利益の更新を達成する。私自身も、これまで以上に全力で取り組んでいく」と抱負を語った。

田辺ファーマから筋萎縮性側索硬化症等治療薬エダラボン事業を取得したことに触れ、急性呼吸器感染症、HIV事業などと組み合わせ、「26年度はグローバル売上6000億円超を目指す体制が整った」と自信を見せた。生成AIなどの活用による業務改革で、「ロイヤリティー収入を除く営業黒字の達成と、2030年度の売上収益8000億円への確かな道筋を築いていく」とした。

◎エーザイ・内藤CEO 創薬と hhcecoで独自の価値創造「我ら天駆けて跳躍す」

エーザイの内藤晴夫代表執行役CEOは26年のスタートに当たり、創薬と hhceco(エコシステム)の2つのバリューチェーンを有する特徴を生かし、「我ら天駆けて跳躍す」と躍進を誓った。

創薬については、「まず神経領域においてアルツハイマー病(AD)治療薬・レケンビの皮下注オートインジェクター製剤の各国での承認取得とともに、症状発症前段階であるプレクリニカルADを対象とした臨床試験を着実に進める」と表明した。また、抗MTBRタウ抗体 Etalanetugとオレキシン受容体作動薬 E2086 の開発を前進させるほか、がん領域では、抗がん剤・レンビマの腎細胞がんにおける適応拡大のほか、自社創薬に加え事業開発によるパイプライン強化を図る考えも示した。

hhcecoについては、Arteryex、テオリア・テクノロジーズに加え、エコナビスタをグループに迎えたことにより、「新たな価値創造を目指す強力な体制が整っている」と自信をみせた。

そのうえで、「本年(26年)も、エーザイにしかできないイノベーション創出による価値創造を目指し、全社員が一丸となり結果にコミットメントして取り組んでいく」と表明した。

◎小野薬品・相良会長CEO 「米デサイフェラ社と協働で欧米の事業地盤を盤石に」

小野薬品工業の相良暁代表取締役会長CEOは、2024年に子会社化した米バイオ医薬品企業・デサイフェラ社(Deciphera Pharmaceuticals, Inc.)の研究所から新薬を創出し、米国・欧州での事業地盤の盤石化を図る方針を明示した。国内については、「引き続き開発、販売をしっかりと展開していく」と指摘。導入品の着実な獲得にも意欲を示した。社員に対しては、「各部門、個々人がコンプライアンスを徹底したうえで、創意工夫してミッションを達成していくことで、夢は現実のものとなると確信している」と強調。製薬業界の事業環境は依然として厳しいとの認識を示しながら、「患者本位に多様な人財が手を取り合ってイノベーションを生み出していけば、きっと様々な壁を乗り越えていける。小野薬品は挑戦する会社であることを追求していく」と決意を示した。

◎住友ファーマ・木村社長 “自立した”成長戦略実現へ

住友ファーマの木村徹代表取締役社長は、「忘れてはならないのは、まだ危機対応から再建フェーズに移行したにすぎないこと」と強調。「2026年は、“自立した力強さ”を示す年」と位置づけながら、コア営業利益の確保と中長期的な成長投資の着実な実施を掲げ、「すべての業務で価値を創造し続け、研究開発型の製薬会社としての自立した成長戦略をしっかり実現していきたい」と抱負を述べた。

木村社長はまた、干支・丙午に絡めながら、「古来より丙午は、エネルギーに満ちて物事が勢いづき活気づく年とされている。当社が力強く走り出すのに相応しい。追い風をしっかりと捉え、自らの足で力強く駆け抜ける一年にしましょう」と社員に呼び掛けた。

◎旭化成・工藤社長 医薬、医療の枠を超えたコラボレーションの広がりに期待

旭化成の工藤幸四郎代表取締役社長は社員へ向けた年頭所感で、「未来の旭化成を創るために、今なすべきこと」として、①旭化成の「チーム力」、②素材の力、③私たちの仕事で未来の旭化成を創るーの3点についてメッセージを発した。なかでも“チーム力”では、「領域経営に磨きをかけ、不確実な時代において大きな波にも揺らぐことのない経営を進めることが、旭化成らしさの具現化につながる」と強調。特にヘルスケア領域は、バイオ関連中心に、「医薬、医療の枠を超えたコラボレーションの広がりに大いに期待している」と指摘した。

さらに、“我々の仕事”については、「仕事の評価自体を我々は聞くことがない。何十年、何百年先の人びとが我々の仕事の評価をしてくれる」(宮大工である西岡常一氏の言葉を引用)と述べながら、「私たちの仕事もまた、未来の旭化成社員やステークホルダーによって評価されるものだと言える」と語り「2030年あるいはその先の旭化成のために、今年一年何をなすべきかを真剣に考え、確実に実行する年にしたい」と力を込めた。

◎ツムラ・加藤社長CEO 「歴史的な挑戦」グローバルスタンダードを漢方薬へ実装

ツムラの加藤照和代表取締役社長CEOは社員向けの挨拶で、干支「丙午」に絡めて、「在来勢力が大いに伸びて盛んになる一方、反対する勢力が内側から突き上げてくる年でもある。変化をどう受け止め、処理するかによって、今後の流れが大きく変わっていくことになる」と強調した。

同社グループが医薬品規制調和国際会議(ICH)の定める合成医薬品と同等の品質管理レベルまで品質を引き上げていることを示し、「通常は新薬開発で導入されるこの手法を、漢方薬においても原料生薬の段階からリスクを管理する、世界初の取り組みに挑戦している。これは、グローバルスタンダードを漢方薬に実装する歴史的な挑戦であり、ツムラが世界に示す革新の第一歩でもある」とも強調した。

2026年が同社の長期経営ビジョン「TSUMURA VISION“Cho-WA”2031」の折り返し地点だとして、「丙午に象徴されるように、勢いが高まる中で変化の兆しを見極め、的確
な行動で未来を切り拓いていきましょう」と呼びかけた。

◎日本新薬・中井社長 「業務を根本的に見直し変革へ」 創造的な業務を呼びかけ

日本新薬の中井亨代表取締役社長は社員向けの新年の挨拶で、「“既成概念を打ち破り、ゼロベースで変革を進めよう!”を合言葉に、これまでの業務を根本から見直し、変革に挑んでほしい」と発した。さらに、変化が激しいなかで持続的な成長には、「従来の延長線上の発想だけでは不十分」と述べ、「AIの積極的な活用を含むデジタル化の推進によって業務を効率化し、これまで以上に創造的な業務」を増やしていくよう呼び掛けた。さらに、「会社から“選ばれる社員”として、そして社員から選ばれる“会社”として、ともに未来を創っていこう」と力を込めた。

◎帝人ファーマ・種田社長 治療と支援で誰もが望む医療を実現へ

帝人ファーマの種田正樹代表取締役社長は、25年を「帝人ファーマにとって事業構造転換の成果が着実に現れた一年であった」と振り返った。同社は26年3月期中間決算で、ヘルスケアセグメント全体で事業利益71億円(前年同期比+31%)への伸長を掲げている。種田社長は、「CPAP の順調な伸長に加え、“在宅医療+希少疾患”体制の構築やコスト構造改革の取り組みが徐々に実を結び始めた結果だ」とした。その上で26年は、同社が掲げる長期ビジョン「より支えを必要とする患者、家族、地域社会の課題を解決する会社」への進化を着実に進めると宣言し「私たちが提供するCure(治療)と Care(支援)によって、誰もが望む医療を受けられる社会の実現を目指して、日々着実に努力を惜しまず邁進することにほかならない」と決意を示した。
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