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日本循環器学会 ダビガトランの適正使用求めてステートメント掲載

公開日時 2011/08/16 04:00

日本循環器学会は8月12日、「心房細動における抗血栓療法に関する緊急ステートメント」を学会のHP上に掲載した。直接トロンビン阻害剤・ダビガトランをめぐり、禁忌症例への投与も含め、重篤な出血事例が報告されていることなどから、「日本人の至適投与量の確認、より安全な使用のためのモニター法の開発、などを含めて薬剤の特性を十分理解した上で適正に使用することの重要性を循環器専門医として発信していくことが重要である」とし、一般医科を含めた心房細動治療にかかわる医師に対し、同剤の適正使用を求めている。


ステートメントでは、ダビガトランについて、食物や薬物の相互作用が少ないことや、モニタリングや用量調節が必要ないことなどを特徴とし、「ワルファリン に比較して投与し易い薬剤であることは間違いない」と説明。2011年3月の同剤の発売により、抗血栓療法は“大きな転換期を迎えた”とした。

その上で、同剤の臨床第3相試験(P3)の「RE-LY」に含まれた日本人患者が326例であったことを指摘。「出血のハイリス ク患者に対する日本人での至適用量について、また重度の弁膜症合併例についてもエビデンスは乏しい」とし、「今後の市販後調査の中で症例を積み上げて、日本人における安全性と有効性を確認する必要がある」としている。


◎出血性合併症発現時は投与の中止を


ステートメントは、①用法・用量②適応となる心房細動患者③除細動時の対応④抜歯、手術、生検時の対応⑤出血性合併症時の対応⑥ワルファリンからの切り替え法⑦抗血小板療法の追加――7項目について記載した。

用法・用量は通常、150mg1日2回投与だが、①中等度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30-50mL/min)②P-糖蛋白阻害剤(経口剤)を併用③70歳以上④消化管出血の既往がある――患者では、110mg1日2回投与への減量を考慮することを推奨した。また、改めて「高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満) のある患者にはダビガトランを投与してはならない」と強調した。

ダビガトランの適応については、非弁膜症性心房細動患者で、CHADS2スコア1点以上を「推奨」とした。一方、ワルファリンは、CHADS2スコア2点以上には推奨し、1点では考慮可としている。ただし、僧帽弁狭窄症もしくは機械弁患者に対しては、RE-LY試験のデータもないことから、ワルファリンを推奨している。一方、除細動時については、「ダビガトランによる代替療法は確立していない」とした。

手術や侵襲的手技を実施する患者では、24時間前までの投与中止を推奨。大手術や出血の危険性が高い患者については、「手術直前2日間以上の投与中止を考慮し、従来の抗凝固療法と同様にヘパリンによる代替療法を考慮する」とした。

出血性合併症時の対応としては、「速やかにダビガトランを中止した上で一般的救急止血処置を実施する」とした。緊急の止血が必要な場合は、新鮮凍結血漿、第Ⅸ因子複合体の投与、遺伝子組み換え第Ⅶ因子製剤の投与、透析を考慮するとした。内服後2時間以内の症例は、「胃洗浄や活性炭への吸着も考慮する」とした。また、ダビガトランは大部分が腎臓から排泄さ れるため、輸液等で循環血液量や血圧を確保し、適切な利尿を促すことも求めた。

ワルファリンの切り替えについては、「ワルファリンを中止した後、INRが2.0未満になったことを確認してからダビガトラン投与を開始する」とした上で、慎重な対応を求めた。

そのほか、ダビガトランへの抗血小板療法の追加は、①服薬コンプラ イアンスが良好であるにもかかわらず血栓•塞栓症を発症した場合②非塞栓性脳梗塞やTIAの既往があり、抗血小板薬が必要な場合③虚血性心疾患合併例④ステント療法後――などに考慮してよいとしている。

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