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米作業班のPSA検査非推奨 各界の反応

公開日時 2011/10/24 04:00

米政府機関の予防医療サービス作業班(US Preventive Services Task Force)が9月7日、PSA(前立腺特異抗原)検査について健康な全年齢の男性に対して同検査を推奨できないとの勧告案を公表した。前立腺がんの早期発見の検査法として期待されているPSA。米国での同案をめぐる各界の反応を探ってみた。(ヤマト・ファルマ 緑川労)


Bylor医科大学のVirginia Moyer博士(予防サービス作業班班長)は、「エビデンスは残念ながら、PSA検査が男性の延命につながることを示さなかった」(米紙「ニューヨークタイムズ」(NYT)電子版)とPSA検査に係る5つの大規模臨床試験結果を分析した結論を振り返る。


これに対し、前立腺がん生存者の会であるUs TOOのThomas Kirk氏は、「大事なことは、PSA検査は我々が持っているベストな検査法だということだ。それをやるな!なんて」と失望を隠さない。


前立腺がん基金(Prostate Cancer Foundation)のDan Zenka広報担当も、同氏自身の前立腺がん手術で立ち直った経験を踏まえ、「PSA検査が結果的にがんを発見、リンパへの転移を見つけた」と話し、同検査の有用性を訴える1人だ。



◎精神的デメリット大きく


このように、PSA検査でがんが発見され救命される患者がいる一方で、がんだと診断されることによる、精神的デメリットについての研究発表もある。

 

Harvard and Bringham & Women’s Hospitalの研究者らは昨年、前立腺がんと診断された男性は、自殺のリスクあるいは心臓発作による死亡率がそうでない男性の2倍に上るという研究発表を発表した。PSA検査の結果が悩まないで済む悩みを作ってしまい、結果的に自殺に導いたということになる。

 

また、5つの大規模臨床試験のデータそのものへの疑問を示す声も聞かれる。


テキサス大学MDアンダーソンがんセンターで、放射線腫瘍医を務めるAndrew Lee博士は、「エビデンスが決定的でなく、PSA検査を推奨するには十分な情報があるとは言えない。(従前のPSA検査推奨は)思い切りがよすぎた」(米「ロイター通信」)――と話す。


一方で、今回の非推奨の決定に予防サービス作業班の委員構成に疑問を投げかける向きもある。


ニューヨーク大学医学部のHerbert Lepor教授(泌尿器学)は委員に、前立腺がん患者を治療していない小児科、産婦人科などの診療科の医師が含まれている点を指摘。「彼らは試験データを間違って解釈し、この致命的な疾患で死ぬ男性を見ていない」と厳しく批判する。

 

国内ではPSA検査については、厚生労働省の「がん検診の適切な評価法の確立に関する研究班」(濱島(ちさと)班)が2007年に「PSA検査を集団検診として推奨しない」とする報告書をまとめる一方、日本泌尿器科学会はPSA検査の推奨を主張、長期間、意見が対立したままとなっているが、この双方の論争にも影響を与えそうだ。

 

 

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