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抗血小板剤Brillinta、ドイツの保険償還をクリア

公開日時 2012/01/24 04:00

ドイツで薬剤が新たに保険償還されるためには、当該薬剤がどれだけ既存薬に比べ追加的ベネフィットを持っているかを示すルール(AMNOG法)が施行されたが、その実際的基準が不明確だとし、製薬企業を困惑させている。

アストラゼネカ(AZ)の抗血小板薬Brillinta(ticagrelor)は、「合同連邦委員会」(G-BA)の追加ベネフィット評価をクリアした初の薬剤となった一方、具体的な評価を行うヘルスケア質・評価研究所(IQWiG)は、米メルクのC型肝炎治療薬(プロテアーゼ阻害薬)Victrelis (boceprevir)を一部患者集団にのみ限定して推奨した。そのため、製薬企業の間では、どのような資料を提出すれば良いのかとの疑念が起きている。

G-BA は、Brillintaが非ST上昇型急性心筋梗塞(NSTEMI)および不安定狭心症患者には既存治療と比較して有意にベネフィットがあるとしたが、STEMIで経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行患者には数量化できないと結論付けた。AZは、STEMIでPCI施行、STEMIでCABG(冠動脈バイパス術)施行および医学的に管理できるSTEMI患者などSTEMIのサブグループに対する適応も求めていたが、これらの適応は見送られた。

IQWiGはVictrelisについて、ペグインターフェロンによる前治療に無効だった患者および肝硬変患者への追加的ベネフィットはメルクが提出したデータではエビデンスが不十分だと指摘した。さらにIQWiGは、Victrelisがウイルス学的反応を維持しているが、そのこと自体は「患者とは関係なく」、「治癒とは等しいものとは言えない」との見解を取っている。メルクではこの見解に当惑している。

英国の国立臨床評価研究所(NICE)も同剤を評価しており、それがどういう方向性になるか不明だが、ドイツと相反する結果が出ても、欧州全体を通じて、ヘルステクノロジー評価についての調和の動きを求める傾向が強くなると見られている。

The Pink Sheet 12月19日号


 

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