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【ACC.12特別版】ARISTOTLE アピキサバンが脳卒中や出血リスクによらず一貫した脳卒中+全身性塞栓症発症抑制効果示す

公開日時 2012/03/29 06:31

第Ⅹa因子阻害薬・アピキサバンは、脳卒中や出血リスクによらず、心房細動患者の脳卒中、全身性塞栓症の発症抑制効果や、出血リスクが低く、全死亡を低下させるなど、一環した結果を示すことが分かった。アピキサバンの国際臨床第3相試験「ARISTOTLE(Apixaban for Reduction in Stroke and Other Thromboembolic Events in Atrial Fibrillation)」のサブ解析の結果から分かった。3月24~27日、米国シカゴで開催された第62回米国心臓病学会議(ACC.12)で25日に開かれた、米国不整脈学会との合同セッション「Management of the Patient with Atrial Fibrilation-Anticoagulation and Prevention of Stroke」でDuke Clinical InstituteのRenanto D.Lopes氏が報告した。(米国・シカゴ発 望月英梨)

 

ARISTOTLEは、1つ以上の脳卒中危険因子をもつ心房細動患者1万8201例を対象に①アピキサバン5mg1日2回(選択された患者は2.5mg)群②ワルファリン群(目標INR:2.0~3.0)――の2群に分け、治療効果を比較した試験。すでに報告された本解析では、主要評価項目の脳卒中+全身性塞栓症の発生率をアピキサバン群で有意に21%低下させ(p=0.011)、ISTH基準による大出血を有意に31%低下させたことが分かっている(p<0.001)。なお、INR至適範囲内時間(TTR)は66%だった。


今回報告された解析は、ARISTOTLEの被験者を対象に、脳卒中発症リスクの指標である“CHADS2スコア”と、出血リスクの指標である“HAS‐BLEDスコア”に層別化し、アピキサバンとワルファリンで、有効性と安全性を比較することを目的に実施された。主要評価項目は、脳卒中+全身性塞栓症の発生率。
CHADS2スコアは、①心不全の既往②高血圧③高齢(75歳以上)④糖尿病⑤脳卒中、TIA(一過性脳虚血発作)、全身性塞栓症の既往(2点)――の5項目からなり、最高得点は6点。0~1点を低リスク、2点を中等度リスク、3点以上を高リスクと3段階に層別化する。


一方、HAS-BLEDスコアは、①高血圧②腎機能異常③肝機能異常④脳卒中の既往⑤出血の既往⑥INR値の変動⑦高齢(65歳以上)⑧抗血小板薬、NSAID、抗炎症薬の投与⑨薬物・アルコール乱用――の9項目からなり、最高得点は9点。0~1点を低リスク、2点を中等リスク、3点以上を高リスクとした。


解析対象は、有効性が1万8201例。脳卒中の発症リスクが低リスク(0~1点)が6183例、中等リスク(2点)が6516例、高リスク(3点以上)が5502例だった。患者背景では、年齢が低リスクでは67.0歳、中等リスクが71.0歳、高リスクが75.0歳と、リスク上昇につれて、年齢が上昇した。また、脳卒中やTIA、全身性塞栓症の既往は、低リスクが0.6%、中等リスクが4.7%、高リスクが58.0%だったほか、心不全や左室駆出率(LVEF)の減少、糖尿病の合併、腎機能低下などがリスク上昇につれて増加する傾向を示した。
安全性(出血)の解析対象は、1万8140例。HAS-BLEDで低リスク(0~1点)が6876例、中等リスク(2点)が6782例、高リスク(3点以上)が4543例だった。HAS-BLEDによる出血リスクと、CHADS2による脳卒中発症リスクを掛け合わせてみると、ともに低リスクだったのは、2980例、ともに中等リスクが2549例、ともに高リスクが2136例だった。


◎出血高リスク群では有意にアピキサバン群で良好な結果に


主要評価項目(脳卒中+全身性塞栓症)の発生率は、CHADS2スコアによる脳卒中発症リスクが低リスクではアピキサバン群で0.74%/年(44例)に対し、ワルファリン群で0.87%/年(51例)、中等リスクではアピキサバン群の1.24%/年(74例)に対し、ワルファリン群で1.37%/年(82例)、高リスクではアピキサバン群の1.95%/年(94例)に対し、ワルファリン群で2.80%/年(132例)で、有意差はないものの、高リスクになるにつれ、アピキサバン群で良好な結果を示す傾向を示した(p=0.45)。


一方、HAS-BLEDの出血リスクも同様で、低リスクではアピキサバン群で0.98%/年(59例)に対し、ワルファリン群で1.37%/年(72例)、中等リスクではアピキサバン群で1.32%/年(82例)、ワルファリン群で1.53%/年(94例)、高リスクではアピキサバン群1.58%/年(71例)、ワルファリン群2.51%/年(99例)で、有意差はないものの、アピキサバン群で良好な結果となった(p=0.31)。


安全性については、ISTH基準による大出血との相関は、CHADS2スコア(p=0.40)、HAS BLED(P=0.56)で、いずれも有意差はみられなかった。頭蓋内出血は、CHADS2スコアとの相関はみられなかったが、高リスク群ではアピキサバン群で結果が良好な傾向がみられ(p=0.18)、HAS-BLEDスコアでは、リスク増加につれ有意にアピキサバン群で良好な結果となった(p=0.01)。高リスクでは、アピキサバン群の0.19%/年に対し、ワルファリン群では1.22%/年(44例)だった。


全死亡は、CHADS2スコア(p=0.77)、HAS BLEDスコア(p=0.42)で、相関はみられなかった。
ネットクリニカルベネフィット(脳卒中、全身性塞栓症、大出血、全死亡)は、CHADS2スコア(p=0.75)、HAS- BLEDスコア(p=0.82)で、相関はみられなかった。


Lopes氏は、CHADS2スコア0点の患者が含まれていないなどの試験の限界があることも指摘。その上で、「ワルファリンと比較したアピキサバンのベネフィットである、脳卒中、全身性塞栓症、全死亡の減少や、出血の少なさは、脳卒中や出血リスクによらず広範囲の心房細動患者で一貫していた」と述べた。
 

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