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【ATS特別版】ブデソニド/ホルモテロール配合剤 コントロール不十分な成人喘息への維持療法に頓用吸入を追加する治療法で有効性を示す

公開日時 2012/05/24 07:55

吸入ステロイド薬(ICS)だけでは十分なコントロールが達成出来ない持続型喘息患者において、維持療法に頓用吸入を追加する治療法でブデソニド/ホルモテロール配合剤(BUD/FM)を使用した場合、同配合剤による維持療法にテルブタリンの頓用吸入を追加する治療法を行った場合より、重度の喘息増悪までの期間が有意に延長されることが明らかになった。フィリピンMary Mediatrix Medical CenterのTito Atienza氏らの研究グループが、米国胸部学会(ATS)年次学会(米国カリフォルニア州サンフランシスコで5月18~23日開催)のポスターセッションで、22日発表した。


喘息治療ガイドラインでは、吸入ステロイド薬(ICS)だけでは十分にコントロールできない持続型喘息には、維持療法として低用量から中用量のICSに長時間作用性β2刺激薬(LABA)を併用し、その上に短期作用性β刺激薬(SABA)を頓用することが勧められている。


ブデソニド/ホルモテロール配合剤(BUD/FM)を維持療法に頓用吸入を追加する治療法を行う場合は、維持療法もしくは頓用のどちらの場合でも同じ吸入器を使用することができる。維持療法に頓用吸入を追加する治療法に対するBUD/FMの有効性は過去の無作為化試験でも示されており、同治療アプローチやドライパウダー吸入器(DPI)を用いた維持療法に頓用吸入を追加する治療法は、多くの国々で推奨されている。(米国で承認されているのは定量噴霧式吸入器(MDI)のみ。)


同試験は、ICS単剤のみでは十分にコントロールされない持続型喘息患者において、BUD/FMを維持療法に頓用吸入を追加する治療法を実施する治療法と、BUD/FMの維持療法に発作時にテルブタリンの頓用吸入を追加する治療法について、増悪までの期間および頻度、肺機能などについて評価した。
対象は日本人を含む成人の持続型喘息患者。試験参加基準は、6ヶ月以上罹患し、気管支拡張薬吸入前のFEV1(1秒量)正常予測値が≤50%、可逆性気道閉塞を示し、維持療法としてICSを使用するものの、過去12ヶ月以内に1回以上重度の喘息増悪を起こした患者とした。


2週間のランインで参加基準を満たした患者2091例について、BUD/FMを維持療法に頓用吸入を追加する治療法(160/4.5 μg 1回1吸入1日2回+160/4.5 μg を頓用)を行う被験者群(BUD/FM +BUD/FM群、1049例)か、BUD/FMの維持療法(160/4.5 μg 1回1吸入1日2回)にテルブタリンの頓用吸入を追加する治療法(0.4mgを頓用)を行う被験者群(BUD/FM +テルブタリン群、1042例)に割り付けた。頓用吸入する治療法は1日10吸入までとし、治療期間は12ヶ月間であった。


ベースラインの患者特性において群間差はなく、平均年齢46歳、喘息罹患期間の中央値は12年、試験参加時のICS投与量中央値は640 μgであった。


試験の結果、主要評価項目である最初の重度増悪までの期間を、BUD/FM+BUD/FM群がBUD/FM+テルブタリン群よりも有意に延長した(p=0.0007)。重度に増悪した患者の割合はBUD/FM+テルブタリン群で22%だったのに対し(363イベント)、BUD/FM+BUD/FM群では16%であり(259イベント)有意に低かった(ハザード比 0.70、95%CI:0.57 – 0.85、p=0.0003)。軽度増悪の頻度においても、BUD/FM+BUD/FM群はBUD/FM+テルブタリン群と比べ有意に低かった(71% vs 80%、ハザード比0.81、95%CI: 0.73 – 0.89、p<0.0001)。


この他BUD/FM+BUD/FM群では、経口ステロイド薬の最初の使用や入院、ER治療までの期間においても有意に延長し、またFEV1やACQ、頓用頻度、朝と夜のPEF(最大呼気流量)なども、有意に改善していた。
両群とも高い忍容性を示し、重篤な有害事象の発生率は、BUD/FM+BUD/FM群で4.0% 、BUD/FM+テルブタリン群は7.1%。主な有害事象は、鼻咽頭炎(BUD/FM+BUD/FM群13.1% 、BUD/FM+テルブタリン群12.8%。、気管支炎(それぞれ6.6%、7.5%)、ウイルス性上気道感染(それぞれ5.7%、6.9%)など。


これらの結果から研究グループは、BUD/FMを維持療法に加え頓用吸入する治療法はBUD/FM+テルブタリン療法と比べ、至適コントロールが出来ない喘息患者において、より有効的な喘息コントロールを可能とし、肺機能や喘息症状においても、追加的な改善が示されたと結論づけた。

 

 


 

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