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【esc特別編】ICSS 症候性頸動脈狭窄症 CAS留置でCEAと致死的+機能障害脳卒中では同等も脳卒中の発生は有意に高率に

公開日時 2012/05/28 06:56

症候性頸動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術(CAS)の長期成績は、致死的脳卒中+機能障害を引き起こす脳卒中の発生率で、頸動脈内膜剥離術(CEA)と有意差を示さないことが分かった。一方で、機能障害を引き起こさない脳卒中は有意にCAS留置群で多いことも分かった。CASとCEAの治療成績を約5年間フォローアップした「ICSS(International Carotid Stenting Study)」試験の結果から明らかになった。5月22~25日までポルトガル・リスボンで開催された第21回欧州脳卒中学会議(esc)で、23日に開かれた「Large Clinical Trials(RCTs)」セッションで、ICSS Collaboratorを代表して、Brown MM氏が報告した。(望月英梨)


試験は、症候性頚動脈狭窄症への治療として、CEAと比べたCASのリスクと長期間の有用性を検討することを目的に実施された、他施設オープンラベルランダム化比較試験。


対象は、最近症状が発現したものの、治療により患者も狭窄の状態が安定している頭外蓋アテローム性内頸動脈狭窄症患者1713例。2002年から08年までの間に、欧州、カナダなど15カ国50施設から登録された。追跡期間は、2012年までで、平均追跡期間(中央値)は、CAS群、CEA群ともに4.2年間。7350患者・年を対象に解析を行った。主要評価項目は、ITT解析による致死的+機能障害を引き起こす脳卒中の発生率。


その結果、主要評価項目の発生率は、CAS群の6.6%(53例/853例)に対し、CEA群では6.5%(49例/857例)例。ハザード比は1.08[95%CI:0.73-1.60]で、両群間に有意差はみられなかった(p=0.69)。サブグループ解析でも、すべてのサブグループで同様の傾向をみせた。


一方で、副次評価項目の全ての脳卒中はCAS群の15.5%(120例/853例)に対し、CEA群は9.4%(72例/857例)で、CEA群で有意に少ない結果となった(ハザード比:1.73[1.29-2.32]、p=0.0002)。同側梗塞、対側梗塞ともに、CAS群で有意に多い結果となった(同側梗塞:ハザード比:1.63[1.16-2.30]、p=0.005、対側梗塞:ハザード比:1.88[1.10-3.19]、p=0.018)。


そのほか、脳卒中+死亡(CEA群:178例/857例、CAS群:230例/853例、ハザード比:1.34[1.10-1.63]、p=0.003)、致死的脳卒中(CAS群:23例/853例、CEA群:11例/857例、2.10[1.02-4.30]、p=0.039)、同側梗塞+同側梗塞発症から30日以内の全梗塞+死亡(CAS群:95例/853例、CEA群:57例/857例、ハザード比:1.72[1.24-2.39]、p=0.001)のいずれの脳卒中発生に関する項目もCAS群で有意に高い発生率を示した。また、致死的心筋梗塞(CAS群:21例/853例、CEA群:8例/857例、ハザード比:2.54[1.12-5.73]、p=0.020)もCAS群で有意に高い発生率を示した。


治療から30日以降に脳卒中を発症した割合は、CEA群の5.8%に対し、CAS群は9.2%で、CAS群で有意に多い結果となった(ハザード比:1.56[1.04-2.35]、p=0.031)。この傾向は、経時的に開く傾向をみせたが、これらはほとんど対側梗塞だった。


これらの結果から、Brown氏は、「いずれの群も、治療後の長期的な脳卒中発生率は低かった」とした上で、「CEAは、症候性頚動脈狭窄症の治療選択肢として残っている」との見解を示した。その上で、CAS留置後の機能障害のない脳卒中の発生率上昇の臨床的なインパクトや、対側梗塞の発生率がCAS留置群で高率であることの原因については、さらなる研究が必要との見解を示した。

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