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NICEガイダンス Tyverb、Herceptinのアロマターゼ阻害剤との併用を推奨せず

公開日時 2012/07/12 04:00

英国立臨床評価研究所(NICE)はこのほど、グラクソスミスクライン(GSK)の分子標的抗がん剤Tyverb(ラパチニブ)およびロシュのHerceptin(トラスツズマブ)について、HER2遺伝子過剰発現の転移乳がんの第1選択薬として、アロマターゼ阻害剤の併用を推奨しないとする最終ガイダンスを発表した。


NICEのAndrew Dillon局長は、「独立評価委員会は入手可能なエビデンスから判断して、ラパチニブ、トラスツズマブともにアロマターゼ阻害剤のレトロゾールやアナストロゾールに比べて腫瘍を縮小させ、転移を抑制することができるが、全生存期間を延長させる期間が小さいか、あるいは数量化しにくいと結論付けた」と指摘したうえで、「両剤の(アロマターゼ阻害剤との)併用は経済的分析でも、NHS(国民保健サービス)での使用には費用対効果が十分でない」と推奨しない理由を語った。


生存期間の延長については、両剤ともに「寿命末期」についてのNICEの基準を満たしていないことを指摘している。「寿命末期」の基準は、評価委員会が、寿命を少し延長させる治療で、治癒不能の少数の患者に関わる適応症を推奨する場合に考慮する補足的指標だ。


NICEは、GSK、ロシュともに、対象薬剤を割引価格で患者に提供する患者アクセススキーム(PAS)を保健省(DOH)に提出していないとしている。NICEの評価のプロセスにおいて、その割引価格で当該薬剤への支払いが合意されれば、患者は高価な薬剤にアクセスすることが可能となる。


ラパチニブについては、NICEは今回初めて使用ガイダンスを発行した。トラスツズマブについては、化学療法を受けていないか、アントラサイクリン系抗がん剤が不適切なHER2陽性乳がん患者に対してはパクリタキセルとの併用、手術および化学療法を受けたHER2陽性の早期乳がん患者、およびHER2陽性転移胃がん患者に対してはNHSでの使用を推奨されている。
 


 

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