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【ASCO特別版】骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん の全生存  ベースラインの骨関連因子と関連示す

公開日時 2012/06/05 05:00

転移性去勢抵抗性前立腺がんの全生存と、ベースラインの骨関連因子が関連することが明らかになった。骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん患者を含む、デノスマブの大規模臨床第3相試験のデータから、ベースラインの患者特性と予後との関連性を解析した結果から分かった。仏・Institut Gustave RoussyのKarim Fizazi氏らの研究グループが、6月1日から開幕した米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)のポスターセッションで3日発表した。
進行性前立腺がんは骨への転移を起こしやすく、骨折や脊髄圧迫といた骨転移による骨格関連イベント(SRE)が、QOLや予後不良に関連している。


ベースラインの因子と全生存との関連性はこれまでに検討されているものの、転移性去勢抵抗性前立腺がんにおいて全生存を予測する予後モデルはいまだ確立されていない。

同研究では、転移性去勢抵抗性前立腺がんのSREの予防において、デノスマブがゾレドロン酸よりも優れた効果を示した第3相国際試験のデータから、ベースラインの臨床的共変量と全生存との関連性を解析し、これまでに報告されてきた予後モデルの確認と新たな因子の確立に向け、検討を行った。
解析の対象は、ECOG PSが2以下で、放射線学的に骨転移が確認された転移性去勢抵抗性前立腺がん患者1901例。


あらかじめ特定したベースラインの共変量の中から、全生存を予測する可能性がある因子として、①SRE既往歴②PSA(<10 ng/mlまたは≥10 ng/mL)、③前立腺がん治療として現在の、化学療法施行④内臓転移⑤ECOG PS(≤1または2か)⑥年齢⑦初期診断から骨転移までの期間⑧原発がん診断から最初の転移性疾患までの期間⑨グリーソンスコア(2から6または8から10)。


またこれらに加え、これまでの研究報告をもとに、⑩尿中N-テロペプチド(uNTx)⑪骨特異的アルカリホスファターゼ(BSAP)⑫最初の骨転移から無作為化までの期間⑬疼痛⑭検査所見(アルカリ性ホスファターゼALP、ヘモグロビン)――についても、転帰との関連性を解析した。


その結果、単変量解析では▽ALPとBSAP▽SRE既往歴▽疼痛▽PSA▽ヘモグロビン▽内臓転移▽ECOG PS――が関連していた。


一方で、多変量解析で全生存の向上と関連が示されたのは、▽BSAP <146μg/L(ハザード比0.683、p<0.0001)▽uNTx ≤50 nmol/mmol(ハザード比0.755、p<0.0008)▽SRE無既往(ハザード比0.748、p<0.0002)▽軽度の疼痛または無疼痛(ハザード比0.648、p<0.0001)▽低ALP(ハザード比0.664、p<0.0001)――といった、骨に関連する因子が多数だった。


それ以外で、全生存の向上と関連していた因子は、▽PSA <10 ng/ml(ハザード比0.486、p<0.0001)▽内臓転移なし(ハザード比0.733、p=0.0002)▽ECOG PS≤1(ハザード比0.755、p=0.0167)▽高ヘモグロビン値(ハザード比0.614、p<0.0001)――など、疾患特異的な因子や検査所見指標だった。


研究グループは、これまで関連性が指摘されてきた因子に加え、「骨関連の共変量も全生存の独立した重要因子であることが分かった」と指摘。「これらの因子は今後、去勢抵抗性前立腺がんによる骨転移を伴う患者において、予後を個別に評価する予後モデルに組み込まれていくだろう」と結論付けた。

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