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TASTE STEMI 患者にPCI施行前の血栓吸引療法 死亡リスク低下得られず

公開日時 2013/11/11 00:00

ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者における、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行前の血栓吸引療法はPCI単独と比べ、全死亡のリスク低下がみられないことが分かった。多施設、前向き、オープンラベルで、登録研究をベースとしたランダム化比較試験(Registry-based Randomized Clinical Trial:RRCT)「TASTE(Thrombus Aspiration in ST-Elevation myocardial infarction in Scandinavia)」の結果から示された。9月1日の「Hot Line I:Late Breaking Trials on Thrombosis」で、スウェーデンOrebro University HospitalのOle Fröbert氏が報告した。Ole Fröbert氏

 

STEMI患者において、PCI施行前に血栓吸入療法を施行することで、末梢での塞栓リスクを軽減し、再かん流を向上させる可能性が期待されている。しかし、これまで統計学的検出力を有した血栓吸入療法の無作為化試験は実施されたことがなかった。現行のESCガイドラインではエビデンスレベルBのClass IIaで推奨されている。
対象は、発症から24時間未満のSTEMI患者。緊急冠動脈バイパス術が必要とされた患者は除外した。同試験では、スウェーデンの登録研究SCAARとSWEDEHEARTの症例を対象とした。7244例が登録され、PCI前に手動血栓吸引を実施する群(以下、PCI+TA群、3621例)、PCIのみを施行する群(以下、PCI群、3623例)に無作為に割り付けた。主要評価項目は30日後の全死亡、副次評価項目は30日後の再梗塞による再入院、およびステント血栓症とした。
平均年齢はPCI+TA群が66.5歳、PCI群65.9歳、発症からPCI施行までの時間(中央値)が185分、182分、心電図による診断からPCI施行までの時間(中央値)が67分、66分で、ベースラインの患者背景に群間差はみられなかった。実際に血栓吸引療法を受けた割合は、PCI+TA群が93.9%、PCI群では4.9%だった。
治療関連の投与薬は、アセチルサリチル酸がPCI+TA群97.9%、PCI群97.8%、クロピドグレルが65.8%、66.1%、チカグレロルが29.0%、28.0%だった。GP IIb/IIIa阻害薬の投与率には2群間に有意差がみられ、PCI+TA群の15.4%に対し、PCI群は17.4%で有意に高率だった(p=0.02)。
直接ステント留置術の割合がPCI+TA群で有意に高く(PCI+TA群38.3%、PCI群23.3%、p<0.001)、施行あたりのステント数がPCI群で有意に多かった(PCI+TA群:1.35、PCI群:1.39、p=0.02)。

 

 

◎Fröbert氏 「手動血栓吸引療法 日常的な実施を支持する結果得られず」

主要評価項目の30日後の全死亡は、PCI+TA群が2.8%、PCI群が3.0%で両群間に有意差はなかった(ハザード比(HR): 0.94、95% CI:0.72–1.22、p=0.63)。実際に受けた療法に基づいたper-protocol解析でも有意な群間差は認められなかった。
30日後の再梗塞による再入院はPCI+TA群が0.5%、PCI群が0.9% (HR:0.61、95% CI:0.34–1.07、p=0.09)、ステント血栓症はPCI+TA群0.2%、PCI群0.5%(HR: 0.47、95% CI:0.20–1.02、p=0.06)で、いずれも2群間に有意差はなかった。糖尿病や喫煙、既往症により分けたサブグループ解析でも、同様の傾向を示した。
Fröbert氏は、「STEMI患者に対し、PCI施行前の日常的な手動血栓吸引療法を支持する結果は、得られなかった」と結論付けた。

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