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ACC/AHA  脂質管理GL改訂 糖尿病患者へLDL-C値によらずスタチン投与を推奨

公開日時 2013/12/20 07:00

米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)は、「成人のアテローム性動脈硬化疾患予防のための脂質管理ガイドライン(GL)」を改訂した。GLでは、スタチンの有用性を強調。LDL-C値≥190mg/dLなどに加え、糖尿病患者についてはLDL-C値によらず、スタチン投与によるベネフィットを得られるとした。スタチンについては、これまでのランダム化比較試験(RCT)などのエビデンスから、アテローム性動脈硬化症発生抑制効果が大きく、安全性も高いとした。一方で、スタチン以外の脂質異常症治療薬については、スタチンに追加投与しても、有効性を示すデータが得られなかったことも明記した。


GL改訂に際し、脂質低下療法のアテローム性動脈硬化症の発生抑制への寄与を検討するために、①クリティカルクエスチョン(批判的質問:CQ)の作成②RCT、システマティックレビュー/メタ解析を独立して検討――を行った。CQは、コレステロールパネル3問、リスク評価2問、ライフスタイル管理3問で、質問に基づいたエビデンス探索を行った。


GLでは、心臓に健康的な生活習慣の遵守が、アテローム性動脈硬化症予防の基礎であると強調した。その上で、スタチンを用いた脂質低下療法によるベネフィットを得ることができる集団を特定。①アテローム性動脈硬化症の臨床症状②二次性脂質異常症(甲状腺機能低下症・ネフローゼ症候群などほかの疾患が原因)を除くLDL-C値≥190mg/dL③糖尿病患者の一次予防(LDL-C値70~189mg/dL、40~75歳)④アテローム性動脈硬化症発生リスク≥7.5%の非糖尿病患者(LDL-C値70~189mg/dL、40~75歳)―の4集団を挙げた。


アテローム性動脈硬化症のリスクスコアについては、性別、年齢、人種、コレステロール値、HDL-C値、血圧値、降圧薬による治療の有無、糖尿病の既往、喫煙歴などを入力すると、10年間のアテローム性動脈硬化症の発生リスクが分かる。リスク計算ツールは、http://my.americanheart.org/professional/StatementsGuidelines/PreventionGuidelines/Prevention-Guidelines_UCM_457698_SubHomePage.jspから、ダウンロードできる。

 

 

◎二次予防 ストロングスタチン第一選択薬として投与、継続を

アテローム性硬化症の既往がある患者への二次予防については、「投与禁忌を除き、臨床的にアテローム性動脈硬化症がある75歳以下の男女については、強力なスタチン(ストロングスタチン)を第一選択として投与を開始、継続する」(クラスⅠ:ベネフィット>>>リスク、推奨グレードA:強力に推奨する)とした。


一方、一次予防については、21歳以上でLDL-C値≥190mg/dLの患者では、高用量のスタチンの投与を求め、忍容性がない場合は忍容性がある最高用量のスタチンの投与を求めた(クラスⅠ、推奨グレードB:推奨する)。40~75歳でLDL-C値70~189mg/dLでは中等度のスタチン療法を推奨(クラスⅠ、推奨グレードA)。ただし、アテローム性動脈硬化症の発生リスク≥7.5%の患者については強力なスタチン療法を推奨した。


非糖尿病患者でLDL-C値70~189mg/dLの患者で、臨床的なアテローム性動脈硬化症のない患者では、アテローム性動脈硬化症発生リスク≥7.5%で中等度から強度のスタチン療法を推奨した(クラスⅠ、推奨グレードA)。


強力なスタチン療法(ストロングスタチン)については有用性が明記され、治療法の推奨を示すアルゴリズムでも、▽臨床的なアテローム性硬化症のある75歳以下の患者▽LDL-C値≥190mg/dL▽40~75歳の1型/2型糖尿病患者でアテローム性動脈硬化症の発生リスク≥7.5%―で推奨。アテローム性動脈硬化症発生リスク≥7.5%の患者では中等度~強力なスタチンの投与を推奨した。


ただし、安全性についても明記し、クレアチニンクリアランスの測定やALTなど肝機能値の測定を行うことも推奨した。


ストロングスタチンとしては、アトルバスタチン(40)~80mg、ロスバスタチン20(40)mg、中等度のスタチンとしては、アトルバスタチン10(20)mg、ロスバスタチン10(5)mg、シンバスタチン20~40mg、ロバスタチン40mg、フルバスタチンXL80mg、フルバスタチン40mg1日2回、ピタバスタチン2~4mgとした。


◎スタチン以外の脂質異常症治療薬 スタチンへの追加投与の有効性認めず


これまでの大規模臨床試験の結果からスタチンの有効性・安全性については明らかとした一方で、スタチン以外の薬剤については、「スタチンと同等の有効性を示す薬剤はない」と指摘。スタチンへの追加投与の有効性を示したRCTの結果についても、「日常的なスタチン以外の薬剤とスタチンとの併用が、さらなるアテローム性動脈硬化症の発生を抑制することを支持するデータはなかった」と指摘。さらに、スタチン不耐性の患者を対象にしたRCTも見つからなかったとした。そのため、スタチン以外の薬剤については、忍容性が認められる最大用量のスタチンを投与しているにもかかわらず、治療効果が期待を下回っているアテローム性動脈硬化症高リスクの患者について、リスク低下が有害事象が起きる可能性を上回る場合に考慮可能としている(クラスⅡb:ベネフィット≥リスク、推奨グレードC:弱い推奨)。


国内では、欧米と異なり、アトルバスタチン10mg、ロスバスタチン2.5mgの最低用量が多く処方される中にあって、同GLが日本の臨床現場に与える影響も注目される。

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