エイザス MRのディテール最大化ツール「1GO1E」の提供本格スタート
公開日時 2014/02/13 03:53
エイザス(西章彦代表取締役)は2月12日、MRのディテールを活かした製薬版ビッグデータサービス事業を本格スタートさせると発表した。第1弾としてMRによる医師への訪問機会の増大と、ディテールの最大化をサポートする「1GO1E」の提供を開始した。具体的にはMRが携帯するiPadなどのタブレット端末を活用し、医師へのアプローチとディテール効率を向上させるもの。医師の志向や行動に応じてコンテンツがアップデートされ、MRは最適化された情報に基づく製品ディテーリングを行うことができる。
MR活動は病院の訪問規制や接待規制の導入により、医師との面談機会の拡大や、そこでの十分なディテーリング力の確保が課題となっている。ところが近年はeディテーリングや自社サイト、さらには研究会・講演会やコールセンターの活用など、マルチチャネル型の情報提供も活発化しているところだ。ただ、医師の処方の動機づけという点では、リアルMRによるディテーリングが最も効果的とされ、MRを取り巻く環境が変化する中で、活動そのものをいかに最大化させることができるかが課題となっていた。
◎「強いMR」を生み出す
同社は、MRの活動記録(ログ)からマーケティングに必要な情報を収集し、同時にMRが次に行うべき行動をシステム化することで、クライアント独自の「強いMR」を生み出すサービスを提供する。具体的には、MRのアクティビティを、①マーケティング、②データベース、③コンテンツ――というサイクルに統合し、医師に見合ったディテーリングをMRが瞬時に判断できるような、製薬版ビッグデータを活用した新たなソリューションを開発した。
同社が提供する「1GO1E」では、MRによるタブレット端末を活用した情報提供において、訪問先の医師に話しかける機会を増大させ、その後のディテールを最大化する。従来のタブレット端末を利用したMR活動は、多くの場合、大量に格納された資材の中からMR自身が使うコンテンツを選択する必要があった。これに対し、同社のサービスは、医師に話しかけやすい仕掛けと、アプローチをディテールに結び付ける仕掛けを組み合わせることで、スムーズなディテーリングを可能とした。
同社は第2弾として、MRが面会する医師をタイプ別にセグメント化し、それに見合う最適なディテールの流れをシステムが導き出す「マーケティングディテール」というサービスも提供する予定。医師の行動の流れのフェーズごとに、何が最も効果的なディテールなのかをMRが理解できる仕組み。社内のベストディテールを同じ企業のMR間でタイムリーにシェアすることも可能だ。
同社の西氏はエムスリー時代に「MR君」などeディテーリングを手掛けたエキスパートだけに、リアルMRを軸とした製薬版ビッグデータという新たな切り口の取り組みに注目が集まっている。