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近畿大・植村教授 前立腺がん治療にパラダイムシフト ザイティガなど去勢抵抗性対象の新薬登場で

公開日時 2014/08/29 03:50

近畿大学泌尿器科教授の植村天受氏(写真)は8月27日、メディアセミナー「急増中の前立腺がん 治療の最前線」(主催:ヤンセン、アストラゼネカ)で講演し、去勢抵抗性前立腺がんを対象とする新薬3剤が相次ぎ登場することから「前立腺がんの治療が大きく変わると期待できる時代が日本にもようやく訪れた」と述べ、治療にパラダイムシフトが起こるとの見方を示した。これまで、去勢抵抗性の患者では治療選択肢が限られており、生存期間も短かったが、有効な新薬の登場で予後の改善や生活の質の向上が期待できるという。

 

去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として登場する3剤のうち、新規ホルモン製剤のイクスタンジ(一般名・エンザルタミド、アステラス)が5月に新発売された。同様にザイティガ(アビラテロン酢酸エステル、ヤンセン/アストラゼネカ)が9月2日に発売予定となっている。また、抗がん剤のジェブタナ(カバジタキセル アセトン付加物、サノフィ)も2日に薬価収載されることが決まっている。

 

去勢抵抗性前立腺がんは、一般的に初回ホルモン療法でコントロール不良となった患者が該当する。この患者への治療選択肢は、2次・3次のホルモン療法や抗がん剤による化学療法で、植村氏によると▽ホルモン療法では治療抵抗性が示されている▽高齢などの理由で化学療法を受けられない患者が多い▽生存期間が1~2年と予後不良―などの課題があったという。このため、去勢抵抗性前立腺がんのメカニズムに即した新規のホルモン製剤が求められていた。

 

相次ぎ登場する新薬のうち、植村氏はザイティガについて説明。国際共同臨床第3相試験として去勢抵抗性前立腺がん患者で化学療法既治療の患者1195人を対象とした試験、および化学療法未治療の患者1088人を対象とした試験が行われているが、いずれにおいても全生存期間の延長が認められているという。副作用は疲労や背部痛、悪心など併用薬のプレドニゾロンに見られる症状で、植村氏は長期安全性を確立していく必要性を指摘しながらも、現時点で有効性、安全性が共に高い薬剤との認識を示した。

 

また、薬効特性についてアンドロゲン合成酵素のCYP17活性を阻害する「全く新規の作用メカニズム」と評した。精巣や副腎だけでなく前立腺がんの組織内にも作用し、「前立腺がんに必要な男性ホルモンをシャットアウトする」という。

 

◎イクスタンジとの使い分け「どちらでも良い」

 

国内では、去勢抵抗性患者への新規ホルモン製剤としてイクスタンジとザイティガがほぼ同時期に発売されるため、その使い分けに注目が集まっている。植村氏は、現時点ではイクスタンジの使用が化学療法既治療患者に限られているのに対し、ザイティガは化学療法未治療も対象となり得る点を挙げた。ただ、イクスタンジも今後、化学療法未治療の段階から使用できるようになる見通しであることから、「(両薬が)同じ条件となった場合は、どちらを使っても良いと考えている。(使い分けを)考えるとすれば副作用に基づいた判断となってくるのではないか」と述べた。また、両薬の作用機序が異なることから、治療選択肢の幅が広がるとの見方も示した。

 

さらに、植村氏はザイティガが去勢抵抗性となる前の早期段階から治療選択肢となり得るかについての質問にも答え、「われわれ研究者として関心のあるところ。時間はかかると思うが、世界的に解明されていくのではないか」と期待を寄せた。

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