質の高い医療の継続的な提供に向けて
公開日時 2016/10/31 00:00
ボストンコンサルティンググループシニア・パートナー植草徹也これまで12回にわたって、2025年に向けた医療提供体制再編の中で、患者にとっての医療サービスの価値向上(Value-basedHealthCare=VBHC)を切り口として、競合病院とは明確に差別化され、かつ筋肉質な病院経営を進める方法論を論じてきた。しかし、質の高い医療サービスを継続的に提供するには、個々の医療機関の経営努力だけでは解決できないシステムレベルでの課題が存在する。今回は病院経営から一歩引いて、我が国でVBHCを進めるために国や地域レベルで取り組むべき課題と打ち手について考えてみたい。注目すべき医療におけるバラツキの存在厚生労働省の発表によると、2015年度の国民医療費が概算で41.5兆円を超えた。対前年度比で3.8%...