薬局間譲渡GL策定 同一法人間でも記録保管徹底求める ハーボニー偽造品問題受け
公開日時 2017/04/04 03:51
日本薬剤師会、日本保険薬局協会(NPhA)、日本チェーンドラッグストア協会の3団体は3月31日、「薬局間における医療用医薬品の譲受・譲渡に関するガイドライン」をまとめた。ガイドラインでは、3団体の自主基準として制定。チェーン薬局など同一法人の薬局間であっても、本社だけが医薬品管理を行うのではなく、それぞれの薬局が譲受譲渡記録の徹底することなどを求めた。
ハーボニー配合錠の偽造品流通問題は、薬剤師を介し、患者の手に渡ったことが問題視され、品質が確保された医薬品の供給が使命のひとつである薬剤師の職能にまで議論が及んだ。厚労省は2月23日に薬剤師の職能団体・薬局関係団体である3団体の幹部を集め、医薬品管理についての共通認識をもつことを要請。日本薬剤師会が音頭を取る形で、これまで明確な規定がなかった薬局間での譲受譲渡のガイドライン策定に至った。
偽造品問題を受け、すでに厚労省医薬・生活衛生局は、総務課長通知などで、保険薬局に記録管理の徹底や医薬品の確認などが求めている。ガイドラインでは、薬局間、特に同一法人内の薬局間であっても、医薬品管理を徹底することが打ち出された。また、薬局開設者、管理薬剤師、薬局薬剤師、医薬品管理におけるそれぞれの役割を改めて明確化。医薬品の管理責任を管理薬剤師が負うとし、薬局開設者には管理薬剤師の意見を尊重し、責務が遂行できる体制とすることを求めた。薬局薬剤師には医薬品の確認の徹底を求めた。
◎製造番号・使用期限の確認も求める
ガイドラインでは、譲受譲渡に際しては、薬局の従事者が譲渡人の薬局において対面で行うことを求めた。譲受人・譲渡人の氏名などの情報の記録・保存を行うほか、薬局開設許可書(写)を提供してもらい、薬局の許可番号や連絡先などの情報を確認することを求めた。また、身分証明書の提示を求め、本人確認を行う。情報を確認できない場合には、医薬品の譲渡は行わないことも明記した。
ハーボニーの偽造品は添付文書がなく、裸のボトルのままで流通していたことを踏まえ、医薬品の容器に記載されている製造販売業者や医薬品名、規格、さらには添付文書や包装状態などが問題ないことを確認する。あわせて、製造番号・記号や使用期限(有効期間)などの確認も求めた。
ただし、通常の小売包装単位に収められている医薬品の一部を分包して販売する“分割販売”については、添付文書が添付されていないケースもあるが、調剤専用の文字、分割販売を行う者の氏名、薬局・所在地が記載されていることの確認を求めた。
確認した情報については、薬局開設者に3年間の保管する。