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バクスターが「かぐや」発売 在宅医療での腹膜透析推進に意欲

公開日時 2018/05/23 03:50

バクスターは5月22日、いずれも腹膜透析に使う、自動腹膜灌流用装置「ホームPDシステム かぐや/かぐやセット」と、治療計画プログラム「シェアソース」を同日に発売したと発表した。腹膜透析は、患者自身が透析液交換を行うため、社会生活を維持しやすいなどのメリットがあるが、血液透析に比べて普及が進んでいない。同社は、地域包括ケアの推進で在宅医療が広がる中で、腹膜透析の普及に寄与したい考え。

同装置は、透析液の自動識別や、透析液が入ったバッグの自動セットアップが可能などの特徴がある。使用量などの治療結果のデータを自動記録し、透析液バッグの交換など治療に必要な操作を、アニメーションと音声ガイダンスでサポートすることも可能だ。通信機能もあり、同日発売のプログラムとの接続によって、医師がセキュリティで保護された環境で、患者の治療データにアクセスできる。結果に応じ、医師が遠隔で透析液の貯留時間や量など装置設定の調整をすることも可能だ。

発売日の5月22日、バクスター主催のプレスセミナーで、アニシュ・バフナ代表取締役社長は、「日本の専門家や患者の声に耳を傾けて設計した。透析によって患者が社会参加の機会を失ってはいけない」と述べて、普及に期待感を示した。

◎埼玉医大・中元教授 中小病院への普及が今後の課題


セミナーで講演した埼玉医科大学医学部総合診療内科の中元秀友教授は、腹膜透析が普及しない現状には、専門家が少なく、患者にとって十分な情報提供の機会が不足していることが影響していると指摘。その上で、長期間の継続が困難で、EPS(被嚢性腹膜硬化症)などのリスクもあるが、「心臓への負担が少なく、自分の腎臓を生かせるなどのメリットがある。腹膜透析が必要な医療であることは間違いない」と強調した。システムの活用で、「大学病院や大病院が中心となっているPD療法(腹膜透析)を今後どうやって中小病院の先生が診てくれるかがポイントだ」と訴えた。

腹膜透析をめぐっては、血液透析に比べ取り入れている患者が圧倒的に少ない。なかでも日本の普及率はさらに低く、透析患者総数のうち腹膜透析を取り入れている患者の割合は2.8%と、総透析患者数5000人以上の国38か国中、下から4番目にあたる。
 

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