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大塚製薬 阪大が研究中のCAR-T療法で独占的ライセンス契約 多発性骨髄腫治療用目指す

公開日時 2018/08/22 03:51

大塚製薬は8月21日、大阪大学が基礎研究を進めているCAR-T細胞療法について、全世界で独占的に開発、製造、販売するライセンス契約を締結したと発表した。現在、多発性骨髄腫を対象に進められている。骨髄腫細胞で高発現し、細胞同士の接着に必要なタンパク質であるインテグリンβ7に結合し、骨髄腫細胞だけを排除することが期待される。基礎研究を共同で実施する。臨床試験の開始予定時期は未定という。

これは、大阪大学大学院医学系研究科の保仙直毅准教授(癌幹細胞制御学寄付講座)、熊ノ郷淳教授(呼吸器・免疫内科学)杉山治夫特任教授(癌免疫学(大塚製薬)共同研究講座)らのグループが研究を進めているもの。多発性骨髄腫において、活性型の構造を有するインテグリンβ7が特異的に高発現し、がん免疫療法の一つであるCAR-T細胞療法の標的になり得ると、大阪大学は17年11月に発表していた。

その中で、正常のリンパ球にもインテグリンβ7は発現しているが、活性型構造でのみ露出する部位を標的にすることで骨髄腫細胞を特異的に攻撃することが可能と判断。活性化されたインテグリンβ7に結合する抗体「MMG49」を同定した。マウスを用いた実験では、MMG49由来CAR-T細胞が正常細胞を傷害せずに、骨髄腫細胞のみを特異的に排除することが示されたという。

今回の契約に伴い大塚は、契約一時金や開発の進捗に応じたマイルストン、売上高に応じたロイヤリティを支払うことになるが、額は非開示。同社は、開発を進めることで将来的には先駆け審査の対象品目指定を受けることも視野に入れる。研究では多発性骨髄腫を対象としているが、ライセンス契約では診断薬を含め全ての適応症を対象としている。

同社によると、この療法の開発については4月、タカラバイオとライセンス契約を締結し、急性リンパ芽球性白血病を対象にフェーズ1/2を進めている。

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