米FDA aTTP治療薬Cabliviを承認
公開日時 2019/02/13 03:50
米食品医薬品局(FDA)は2月6日、仏サノフィのグループ企業であるベルギーのAblynx社の後天性血栓性血小板減少症(aTTP)治療薬Cablivi (caplacizumab-yhdp) を承認した。aTTPを特異的に適応とした初の薬剤となった。
血小板がフォンヴィレブランド因子重合体に凝集することによって血栓が形成されるため、その相互作用を阻害することで血栓形成を抑制する抗体医薬。適応は、aTTPで、血漿交換療法および免疫抑制療法との併用下で用いる。
主な副作用は、鼻血、歯茎出血および頭痛。処方情報には、医療者および患者に向けて、重篤な出血の可能性があるとの警告が記載された。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur腫瘍拠点センター長兼血液・腫瘍製品部長代理は、aTTP患者にとっては、血漿交換療法が心身に大変負担となり、さらに免疫抑制剤を服用しても再発する可能性があるとの現状を説明したうえで、「Cabliviは、血栓の形成を阻害する初の標的療法で、患者に再発の可能性を減少させる新たなオプションを提供する」と同剤に期待感を示した。FDAは同剤に対して、優先審査および希少疾患治療薬の指定を行った。
サノフィは、2018年にAblynx社を約5300億円で買収したことにより、Ablynx社が得意とする血液・呼吸器分野などでの抗体医薬領域を手中にしていた。同社のOlivier Brandicourt CEOは、「わが社に新たに創設されたフランチャイズでの初の米国承認薬剤となった。今後も、これら希少疾患とともに生きる人々のために重要な薬剤を提供し続けていきたい」とコメントした。
aTTPは、がん、HIV、妊娠、感染症、術後、骨髄移植など様々な原因で微小血管に広範囲にわたり血栓を発症、主要臓器への障害や脳卒中、心臓発作など重篤な症状を引き起こす可能性がある疾患。