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新型コロナウイルス感染症で期待のヒドロキシクロロキン 米・FDAが緊急使用許可を一転取り消し

公開日時 2020/06/17 04:53
米FDAは6月15日、抗マラリア薬のクロロキンとヒドロキシクロロキンについて、新型コロナウイルス感染症の治療薬治療に処方する緊急使用許可(EUA)を取り消した。大規模ランダム化比較試験の結果、入院期間の短縮や呼吸機能の改善など新型コロナウイルスへの有用性は認められず、逆に心室頻拍が多数報告され、死亡率も上昇することなどが指摘されていた。FDAは、新型コロナに対する潜在的なメリットがリスクを上回ることはないと判断。「EUAに該当する基準はもはや満たしていない」としている。

◎研究グループが同剤の有用性に疑問も一転論文は取消し


同剤の有用性をめぐっては、医学誌「The LANCET」に5月22日、新型コロナウイルス感染症で入院する患者9万6032人とした大規模試験の結果、新型コロナへの有用性は認められず、入院中の心室頻拍や死亡率が上昇したと指摘。研究グループは同剤の有用性に疑問を投げかけていた。これを受け、WHOが臨床試験を一時中断すると発表するなど、波紋を広げていた(関連記事)。ただ、同論文については、データの信用性への懸念から研究グループが撤回しており、WHOも臨床試験を再開している。

FDAはこの日、クロロキンとヒドロキシクロロキンが新型コロナウイルスを除去したり、阻害したりする可能性が低いことなどを含む結果が、新たなデータと一致したと説明。現時点で、同剤の新型コロナウイルス感染症へのベネフィットが認められないとした。

FDAのPatrizia Cavazzoni薬物評価センター代理部長は、サイエンスに基づいた決定であることを強調。追加の臨床試験で今後も同剤の有用性の検証を継続されるとしたうえで、「緊急使用の認可はもはや適切ではないと判断した」としている。

◎レムデシビルはクロロキン、ヒドロキシクロロキンとの併用で警告 抗ウイルス効果減弱も


FDAは同日、新型コロナ患者への緊急使用許可を得ている抗ウイルス薬・レムデシビルについて、クロロキンもしくはヒドロキシクロロキンとの併用で効果が減弱する可能性があるとの警告も発出した。非臨床試験の結果に基づくもので、同剤のファクトシートも改訂した。なお、この薬物相互作用について、臨床ではまだ確立しておらず、今後もレムデシビルに関連するすべてのデータの評価を続けるとしている。


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