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アクテムラ 新型コロナ関連肺炎による入院患者の人工呼吸器装着を有意に抑制 ロシュ

公開日時 2020/09/23 04:51
ロシュは9月18日、新型コロナウイルス感染症に関連する肺炎の入院患者に対し、抗リウマチ薬・アクテムラ(一般名:トシリズマブ)の投与で、人工呼吸器の装着や死亡に至る割合をプラセボに比べ、有意に44%減少させ、主要評価項目を達成したと発表した。同剤の臨床第3相試験「EMPACTA」の結果からわかった。一方で、死亡率については両群間に有意差は認められなかったが、人工呼吸器が必要になる可能性が減少することが示されたとしている。

試験は、入院中の新型コロナ関連肺炎患者におけるアクテムラの有効性・安全性を検討する目的で、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験として実施された。対象は、非侵襲的/侵襲的な人工呼吸器装着を必要とせず、SpO2 <94%で、新型コロナウイルスへの感染が確認された18歳以上の入院患者389人。米国、南アフリカ、ケニア、ブラジル、メキシコ、ペルーから登録された。主要評価項目は、28日目までに死亡または、人工呼吸器を必要とする患者の累積比率。

その結果、主要評価項目の28日までの死亡+人工呼吸器を必要とする患者の割合は、アクテムラ投与群で12.2%、プラセボ群の19.3%に比べ、有意に44%少なかった(p値=0.0348;、ハザード比(HR): 0.56 [95%CI:0.32―0.97])。

◎副次評価項目の死亡率、退院までの期間、臨床状態の改善は有意差認められず

副次評価項目では、28日目までの死亡率は、アクテムラ群10.4%、プラセボ群8.6%で、アクテムラ群で多い傾向を示したが、有意差は認められなかった(p値= 0.5146)。

退院までの期間(中央値)も、アクテムラ群6日、プラセボ群7.5日で、有意差は認められなかった(p値= 0.2456、HR:1.16[0.90―1.48])。臨床状態の改善までの期間(中央値)についても、アクテムラ群6日、プラセボ群7日で、有意差はなかった(p値= 0.2597、HR:1.15 [0.90―1.47])。臨床的悪化までの期間は、アクテムラ群で有意に長かったが(p 値= 0.0217、 HR:0.55 [0.33―0.92])、他の副次評価項目が未達であることから、統計学的有意差があるとみなせないとしている。

感染症の発生率は、アクテムラ群10%、プラセボ群11%。重篤な感染症の発生率はアクテムラ群5.0%、プラセボ群6.3%だった。アクテムラ群で多かった有害事象は、便秘(5.6%)、不安(5.2%)、頭痛(3.2%)で、新たな安全性シグナルは確認されていないという。

同社は、この結果について米FDAを含む規制当局と共有する考え。
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