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大日本住友製薬・野村社長 CNS営業を営業本部長直轄に ラツーダ、ロナセンテープ「テコ入れ」

公開日時 2020/10/29 04:52
大日本住友製薬の野村博社長は10月28日、2021年3月期(20年度)第2四半期の決算会見で、CNS領域の営業を小田切斉営業本部長の直轄で展開し、非定型抗精神病薬ラツーダと統合失調症薬ロナセンテープの「テコ入れをする」と述べた。直轄体制は10月から始めた。多様な病態のCNS領域では症例情報の積み重ねや、きめ細やかな情報提供・収集活動がより重要になる。野村社長は、「情報共有及び指示伝達の効率化を図り、統一した戦略を迅速に展開する」とねらいを説明。症例情報を蓄積・共有・戦略への落とし込みをしやすい社内体制を整備し、MRや「iMR」と呼称するリモート専任MRによる症例ベースのオンライン面談を推進する方針だ。

CNSと糖尿病の2領域で国内トップを目指す同社にとって、20年6月発売のラツーダと19年9月発売のロナセンテープの早期の最大化は喫緊の課題となる。しかし、ラツーダの20年度上期の売上は9億円、ロナセンテープは同6億円。通期計画は、ラツーダが22億円と期初計画と変わらないが、ロナセンテープは期初計画の53億円を第1四半期決算時に早くも25億円に下方修正した。

■コロナ禍 CNS新製品の市場浸透に影響

野村社長は、「CNS領域の新製品は、コロナ禍で医師にアクセスできなかったことによるネガティブなところが出た」と述べ、コロナ前に比べてきめ細やかな情報活動ができず、結果、新薬の市場浸透に影響したとの認識を示した。月を追うごとにリアル面談の実施状況は回復しているものの、9月のリアル面談は、CNS専任MRは約46%、CNS以外の一般MRは約52%――にとどまるという。特に病院市場での訪問規制は厳しい。

そこで、10月に「CNS営業部」を新設し、これまで各支店の傘下にあった「CNS営業所」を同営業部に移管した。小田切営業本部長がCNS営業部長を兼務して直轄体制とし、特にデジタルでのアプローチを強化することにした。CNS専任MRは350人。「iMR」は現在3人。「iMR」は6月からラツーダで活動を開始し、リアル面談を1回もせずにクロージングに至った実績もある(記事はこちら)。このため「iMR」の取扱製品に10月からロナセンテープも加えた。

野村社長は、「まだまだ制限がある中で活動しないといけない。まずはオンライン面談を進める。iMRの認知度を上げて積極的に使っていく。バーチャルなコンテンツも使っていく」と、当面はデジタルを活用した非接触型の活動が中心になるとした。そして、「症例が積み重なることで、先生方にも剤の良いところをより理解いただけるようになる」と述べ、症例ベースの活動を推進して最適患者への処方につなげる考えを示した。

■糖尿病領域への支店マネジメント強化

10月以降、各支店の支店長の管轄からCNS領域が外れたことで、糖尿病領域への支店マネジメントは強化された。これによりGLP-1受容体作動薬トルリシティや19年11月から販売を始めたDPP-4阻害薬エクアファミリーなどの売上最大化を図るほか、「イメグリミンの上市に向け糖尿病領域の強化を図る」(野村社長)とのねらいもあるとした。イメグリミンはミトコンドリアの機能改善というファースト・イン・クラスの可能性がある2型糖尿病治療薬で、7月に承認申請し、21年度の上市を計画している。

■「Face to Faceの情報提供に勝るものはない」

コロナ禍でMRのリアルの活動が制限されているなか、今後のMR数への影響も気になるところ。この点について野村社長は、新型コロナの感染拡大など今後の市場環境が不透明と前置きした上で、「キーパーソンとのMRによるFace to Faceの情報提供に勝るものはないだろうとは思っている」と強調した。そして、「私としてはコロナの動向をよく見ながら、MRが本来的に持っているキーパーソンに情報を密に伝えるという機能を、どのような形で相対していくか考えていきたい」と話した。

今後のMR数に関しては、「今の段階でどうするというところは答えにくい」と述べるにとどめた。

■国内2ケタ増収 エクアファミリーの売上計上、トルリシティ好調で

同社の20年度上期の国内売上は773億円で、前年同期比20.5%増だった。エクアファミリーの売上204億円が今期に計上された影響が大きい。トルリシティは売上168億円、前年同期比15.9%増と2ケタ成長したことも国内事業をけん引した。ラツーダの売上9億円は「概ね計画通り」という。ロナセンテープは10月に処方日数制限が解除されることから、同社はこの増収効果も期待している。

上期の連結業績は、売上2615億円(前年同期比13.4%増)、営業利益475億円(同28.9%減)だった。増収は国内事業の2ケタ成長と、北米での主力品ラツーダの売上増が主因となる。大幅な営業減益は、前年同期に抗がん剤ナパブカシンの膵がん患者を対象としたフェーズ3(P3)の中止決定に伴い、多額の費用戻入を計上した反動などによるもの。

ナパブカシンはがん領域の成長ドライバーとして同社が期待を寄せている開発品。現在、日米で、結腸・直腸がんでP3の段階にあるが、コロナ禍で開発が遅延している。この日の会見で同剤の申請・上市時期を見直すことを明らかにし、米国上市目標を当初の21年度を22年度に、日本は同22年度を23年度に、それぞれ1年後ろ倒しにすると説明した。

■糖尿病管理指導用アプリ「SMC-01」 医療機器として22年度上市計画

このほか、同社はこの日、コア事業である医療用医薬品事業をソリューションとして支える「フロンティア事業」の進捗や国内の上市目標を示した。

Save Medical社と共同開発している糖尿病管理指導用モバイルアプリケーション「SMC-01」は現在国内P3の段階にあり、医療機器として22年度上市を目指す。Drawbridge Health社と共同開発している糖尿病の在宅管理・遠隔医療を補助する低疼痛自動採血・保存デバイス「OneDraw」は22年度の国内申請を計画。Aikomi社と開発を目指す認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)を緩和させる医療機器は、AikomiとSOMPOグループが介護用デジタル機器として共同で21年度の国内正式販売を目指すとしている。

【20年度第2四半期の連結業績(前年同期比) 20年度通期予想(前年同期比)】 
売上高 2614億9800万円(13.4%増) 5060億円(4.8%増)
営業利益 475億3900万円(28.9%減) 580億円(30.3%減)
親会社帰属純利益 372億9700万円(23.0%増) 420億円(3.1%増)

【20年度第2四半期の国内主要製品売上高(前年同期実績) 20年度通期予想、億円】
エクア・エクメット*1 204(—)405
トルリシティ*2 168(145)366
トレリーフ 83(83)170
リプレガル 69(70)137
メトグルコ 47(49)88
アムビゾーム 18(21)40
ラツーダ 9()22
ロナセンテープ 6(1)25
アムロジン 33(40)61
シュアポスト 27(34)35
AG品 38(38)72

仕切価ベース
*1 プロモーションのフィー収入は除く
*2 薬価ベース
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