薬剤のもたらす「価値」の広がりと地域包括ケアへの影響
公開日時 2021/02/01 00:00
A.T.カーニー株式会社シニアパートナー後藤良平連載第1回(薬剤のもたらす「価値」の広がりと製薬ビジネスの構造変化)においては、医薬品の薬価算定だけでなく、製薬会社の活動全体が「価値ベース」のものへと進化しつつある現状を紹介した。本稿においては、製薬会社単独の活動を越え、価値ベースで組成・生成される医療のエコシステム(日本においては地域包括ケアモデル)とその意味合いについて紹介したい。価値ベースの医療エコシステムの現状世界各地で医療のあり方が大きく進化を遂げつつある。病気になった患者を都度病院で治療するモデルから、患者が病気になる前、あるいは予後も含めて病院と病院外の接点でケアをするモデルへの進化である。医療費の「ムダ・ムラ」に繋がりやすい救急搬送や再入院といったイベントを抑制しつつ、そもそ...