そーせいグループ ムスカリン受容体作動薬の精神病治療薬開発で米社と提携 一時金約114億円
公開日時 2021/11/24 04:51
そーせいグループは11月22日、統合失調症などで開発を進める新規ムスカリン受容体作動薬について、米ニューロクライン・バイオサイエンシズと戦略的研究開発提携およびライセンス契約を締結したと発表した。一時金として、現金で1億ドル(約114億円)を受領するほか、開発、申請・承認マイルストンとして最大約1715億円、販売マイルストンとして最大1258億円などを受領する権利を有するとしている。
そーせいグループが自社創製した選択的なM4、M1およびM1/M4デュアル受容体作動薬は、選択的にムスカリン受容体をターゲットとすることで、有害な副作用の軽減や、減少するアセチルコリンの協同作用を必要とするポジティブ・アロステリック・モジュレーター(PAM)による一部の高齢の患者さまにおける有効性の問題を回避することが期待される。
契約により、ニューロクライン社は、新規サブタイプ選択的ムスカリンM4、M1およびM1/M4デュアル受容体作動薬の広範なポートフォリオの研究開発および商業化の権利を取得する。統合失調症や認知症、その他の精神神経疾患治療薬の開発を目指す。最も進捗している、選択的M4受容体作動薬については2022年に統合失調症を対象に、新薬臨床試験開始申請(IND)を行い、プラセボ対照臨床第2相試験を開始する予定。
そーせいグループは、国内ですべての適応を対象としたムスカリンM1受容体作動薬の開発販売権を保持する。ニューロクライン社は、日本でのムスカリンM1受容体作動薬に対する共同開発および共同販売のオプション権を保有するとしている。
両社は、前臨床開発候補品を第Ⅰ相臨床試験に進めるため共同で研究開発を実施する。本共同研究開発にかかる資金はニューロクライン社が提供する。
ライセンス契約により、そーせいグループは一時金として現金で1億ドル(約114億円)を受領する。ライセンス許諾された候補品の規制当局による承認までの進捗に応じ、開発、申請・承認マイルストンとして、最大約15億米ドル(約1715億円)を受領する権利を有する。また、提携のもとで開発された製品のグローバル販売について、マイルストンの達成に応じて販売マイルストンとして、最大で11億米ドル(約1258億円)を受領する権利を有するとしている。このほか、販売ロイヤリティとして、将来の純売上高に対して、一桁後半から10%台半ばの範囲で段階的ロイヤリティを受領する権利を有するという。契約一時金は2021年12月期第4四半期に収益として計上される見通し。