メビックスは11月26日までに、臨床研究の参加者への電磁的同意取得システム「クラウドＩＣ」の提供を開始すると発表した。これまで紙や対面で行っていた患者同意を、デジタルデバイスやネットワークを介して行うことができる。これにより場所や時間の制約なく、「いつでも」、「どこでも」同意取得できるなど、従来の取得に要する作業を大幅に効率化し、患者中心のDCT／リモート研究を可能にした。同社によると、従来864日を要した工数（目標症例1500例）を、遠隔対応ＩＣ補助スタッフ1人の常時配置で300日まで削減できるとしている。

デジタルデバイスやネットワークを介した患者からの電磁的同意取得は、今年6月30日に施行された「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」（文科・厚労・経産省）で規定されたもの。患者は対面同意を行う必要がくなるため、感染症対策につながるほか、リモートを活用することで自宅から患者と家族が一緒に同意説明を聞くこともできる。結果的に同意取得の選択肢が増えることで、研究参加率が向上するなどのメリットも期待される。

実装予定の機能は、①リモート同意説明、②プッシュ通知などを活用した被験者とのコミュニケーション機能、③ＩＣ取得方法による、患者の納得満足度をトレースする機能、④レポート作成、⑤EDCシステムとの連携、⑥説明動画のアップロード機能－など。データ保全やセキュリティに関しては、同意書を国内のデータセンターで保管するほか、災害等に備え、複数のデータセンターへバックアップする。通信は全て暗号化され、ＩＤと権限が付与されていないユーザーによる同意書閲覧はブロックされる。同社は、システム改修やカスタマイズを重ね、顧客や臨床研究に参加する患者にとって満足度の高いシステムを目指すとしている。