日本の市場は本当に魅力がないのか
公開日時 2022/09/01 00:00
編集長沼田佳之日本の医薬品市場は魅力がないとの発言を耳にする機会がある。薬価の政策変更により市場成長率が諸外国に比べて鈍化し、今後はマイナス成長に転ずるとのロジックで語られる。ドラッグ・ラグ(ドラッグ・ロス)の原因も日本市場の魅力度が落ちているためだとの論調まである。投資家だったら分からないでもないが、気がかりなのは欧米企業の経営者ならまだしも日本企業の経営者が自国の市場に魅力がないと声高に発言している点だ。国内の収益構造はここ数年で大きく様変わりした。この理由を政策変更のみで論じてよいのだろうか。産業としてどうあるべきか考えてみたい。日本の医薬品市場の魅力が落ちていると最初に指摘したのは米国研究製薬工業協会(PhRMA)だ。IQVIAが2021年春に公開した主要10か国の市場成長予測(21...