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厚労省 ファイザー及びモデルナのオミクロン株対応2価ワクチンを特例承認 追加免疫用

公開日時 2022/09/13 04:50
厚生労働省は9月12日、ファイザーとモデルナ・ジャパンそれぞれから申請されていたオミクロン株(BA.1)対応の新型コロナワクチン(以下、2価ワクチン)を特例承認した。同日開催の薬食審・医薬品第二部会に両社の新型コロナワクチンの承認事項の一部変更を特例承認することが報告され、部会了承後、即日承認された。有効性は両社の2価ワクチンとも、オミクロン株BA.1系統に対する中和抗体価について、従来型ワクチンに対する2価ワクチンの優越性が確認された。2価ワクチンの追加接種による安全性については、臨床試験成績から、重大な懸念は認められなかった。

◎ファイザー製は12歳以上 モデルナ製は18歳以上が対象

ファイザーの2価ワクチンの製品名は「コミナティRTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1)」、モデルナの2価ワクチンは「スパイクバックス筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1)」となる。両社のワクチンはいずれも、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の起源株とオミクロン株BA.1系統のスパイクタンパク質をそれぞれコードする2種類のmRNAを含む2価ワクチン。いずれも追加免疫用だが、ファイザー製は12歳以上、モデルナ製は18歳以上が対象となる。

2価ワクチンの用法・用量は、ファイザー製は「追加免疫として、1回0.3mLを筋肉内に接種する」、モデルナ製は「追加免疫として、1回0.5mLを筋肉内に接種する」。モデルナの従来型ワクチンの追加免疫では1回0.25mLを筋注で用いる。2価ワクチンの方が投与量が倍となるが、これは2価ワクチンは全体的な濃度が2分の1のため、接種量が2倍になっても、mRNAの量としては同じ量になるよう設計されているため。

◎厚労省・吉田医薬品審査管理課長 「BA.4/5についても抗体価が上がる、効果が期待できる」

厚労省の吉田易範・医薬品審査管理課長は部会後の記者説明会で、今回承認された2価ワクチンがオミクロン株BA.5系統にどの程度の有効性があるかについて、「(部会で)BA.4/5についてもちゃんと抗体価が上がる、効果が期待できるということは議論された。具体的な数字を見ながら、部会でも確認をいただいた」と説明した。具体的な数値は審査報告書で公開するとした。

◎2価ワクチンによる追加免疫の接種間隔 短縮の方向で検討 10月下旬までに結論

2価ワクチンの接種間隔は、ファイザー製、モデルナ製のいずれも、「通常、前回の接種から少なくとも5カ月経過した後に接種を行うことができる」として承認された。これは従来型ワクチンから2価ワクチンによる追加免疫を行う際の接種間隔のこと。ただ、厚労省によると、接種間隔に関して同日の部会で短縮すべきとの指摘があり、議論の結果、「今後、海外の動向、有効性、安全性等の情報を踏まえ、接種間隔を短縮する方向で検討し、10月下旬までに結論を得ることになった」と説明した。

接種間隔については、ファイザーの2価ワクチンは接種間隔が5カ月のデータを用いて一変申請され、モデルナ製は3カ月のデータを用いて一変申請されたこともこの日、明らかになった。今回、接種間隔は「少なくとも5カ月経過した後」と承認した理由について、同省は、ファイザー製とモデルナ製それぞれの2価ワクチンで接種間隔が異なると現場が混乱するリスクがあることに加え、「本当に3カ月にしていいのかという情報の整理がまだ必要ではないかということで、今回は5カ月になった」と説明した。接種間隔については改めて同部会で議論する予定。

なお、従来型ワクチンから2価ワクチンによる追加免疫の接種間隔は、米国は2カ月、欧州は3カ月となっている。

◎BA.1に対する中和抗体価 従来型ワクチンと比べファイザー製1.56倍、モデルナ製1.745倍

両社の2価ワクチンの海外臨床試験結果によると、4回目接種後1カ月のオミクロン株BA.1系統に対する中和抗体価は、従来型ワクチンに比べてファイザー製は1.56倍、モデルナ製は1.745倍となり、それぞれ優越性が示された。主な副反応は両ワクチンとも、注射部位疼痛、疲労、頭痛が挙がったが、ほとんどが軽度又は中等度で回復性が認められた。2価ワクチンの追加免疫に係る安全性プロファイルは、「従来型ワクチンの追加接種時と概ね同様であり、現時点で重大な懸念は認められていない」と評価された。

同省は9月2日付の事務連絡で、オミクロン株対応2価ワクチンについて、9月中旬以降、まずは重症化リスクが高い等により現在実施している4回目接種の接種対象者に対し、従来のワクチンから、今回の2価ワクチンへの切り替えを進める方針を示している。10月中旬以降は、初回免疫が完了した12歳以上に2価ワクチンを使えるようにする予定。

◎BA.5対応2価ワクチン 「申請された場合は可能な限り速やかに審査」

ファイザーとモデルナはこれまでに、オミクロン株BA.5系統の新型コロナ2価ワクチンを承認申請する意向を示している。この点について厚労省は、「近く申請されるのではないかと思うが、申請された場合には今回のBA.1株と同様、可能な限り迅速に審査を行っていく形になる」と話した。
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