英国立医療技術評価機構（NICE）はこのほど、英連邦の一部諸国の医療技術評価担当機関と評価方法の改善、情報交換、デジタル化推進およびCOVID-19（新型コロナウイルス感染症）対策などで提携を開始した。

提携先は、カナダ医薬品・医療技術機構（CADTH）、オーストラリア政府保健・高齢者介護局（AGDHAC）、スコットランドヘルスケア改善局（HIS）、ウエールズ医療技術局（HTW）および全ウエールズ治療・毒性センター（AWTTC）の各機関。提携の目的は、各関係機関が医療技術評価上で直面した共通の問題解決について情報を共有、問題解決に協力する。

具体的な協力分野は以下の通り。

＊COVID-19対応：関係国は、関係機関が他規制当局とどのように協力しているか、解決を優先すべき問題、販売未承認医薬品の管理、医療技術評価についての計画、エコノミックモデルへのアプローチなどの検討を行う。
＊関係国は、HTAが問題となる前に技術的かつ方法論的アプローチを予測できるHTAプロセスがどうあるべきかの考えを共有する。
＊規制者との協力：HTAの改善と規制上の協力推進を目的にその機会を見出すために英国、カナダおよびオーストラリアにおける規制機関と協力するためのアプローチを模索する。
＊ワークシェアリングと効率向上：関係国は、他国のHTA情報を認識あるいは活用の可能性を模索し、共同の臨床評価の試行プログラムの実行を模索する。
＊デジタルおよび人工知能（AI）活用：関係国は、AIを含むデジタルヘルス技術の評価の開発の情報を共有する。

具体的な会合日程については、実務者グループは、優先分野について四半期ごとに会合を持ち、全関係国の年次総会は、提携の全活動を見直し、今後協力を強化する分野を再確定する。

NICEのMeindet Boysen国際部長は、国際的なHTA機関の協力が拡大することに喜びを示しながら、「我々は、我々に提示されている科学およびヘルスケアの発展の機会と課題を共有している。協働することによって、我々は、これらを予測し、認識し、かつ対応可能である。我々が奉仕できる皆のための解決策を共有し、発展させよう」と同提携の今後に期待感を示した。