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【有識者検討会 2月15日 発言要旨 医薬品の安定供給について】

公開日時 2023/02/16 06:49
厚労省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」の9回目の会合が2月15日、開催された。この日は医薬品の安定供給をテーマに活発なディスカッションが行われた。本誌は有識者検討会の構成員による議論の発言要旨を公開する。

遠藤座長:(厚労省の資料説明について)大変私も勉強になりました。これにつきましてご意見、ご質問などありますか?それでは香取構成員。

香取構成員:(有識者検討会の開催前に)非公開でしたけれどもジェネリックメーカー3社からのヒアリングがあった。こちらも大変示唆に富んだ話で、勉強になった。今日提出された資料も大変よく整理されていて、私も大変勉強になった。

(厚労省提出資料の)最後に論点の方向性が出ている。いくつかの質問とコメントをしたい。前回の長期収載品の議論でもあったが、後発品の比率が80%に到達しているということを考えると、全体として、少なくとも後発品に関する様々な産業政策、医薬品政策については、新しいステージ、次のステージに行かないといけないのではないか思う。

その前提で考えると、議論にもあったように、安定供給の問題をどう考えるかということと、資料の中でも後発品産業の育成のことが書かれているが、どう育成をするのか。企業の数がたくさんあればいいのか。あるいは(GEメーカーからの)ヒアリングにあったように、それぞれ後発品の中にも役割というか、企業の特質があるわけで、それぞれに沿った育成の仕方、特定の分野で先発、後発に関わらず特化している企業もあるし、受託メーカーもある。あるいは非常に大手で幅広く後発品全体を扱っているなど、ある程度そういった企業の形式によって、ここは後発品の産業の育成の考え方というのを考えた方がいいのではないか。

そのことを前提にいくつか質問したい。やはり(GEメーカーからの)話を聞いていると例えば多品種少量生産の問題だとか、あとヒットエンドランでちょっと言葉が悪いですけど食い逃げするような生産の仕方をしているということの背景には、現在の薬価算定方式と薬価改定方式、それから共同開発に見られるような薬機法上の規制の仕方の変更というのが非常に大きく影響しているのではないか。

先ほど事務局の説明にありましたが平成24年度の薬機法改正後、共同開発の品目が一気に増えているわけで、そもそもこういった改正した背景は何かということとも関係するのではないかと思う。いま後発品の企業数が190社ということだが、この数は諸外国との比較でも、明らかに過剰に多いということではないか。

その意味で、この後のAGの話と関係するが、資料16ページにグローバルのジェネリックメーカーはフルライン生産というかポートフォリオがその幅広いという話があったが、ここに例示されている記事はそうだと思が、アメリカ市場とヨーロッパ市場で価格の決め方が全然違うので、多分市場構造も違うのではないか。一般的にこういうふうに言えるのだろうか。もしそうだとすると、それとの比較でいうと、やはり日本の後発品の市場構造は相当特殊だっていうことになるのではないかと思う。

一方で企業規模の小さい企業がたくさんあり、他方では大企業がたくさんの企業を持っていると、先ほどの話だとかなりの部分が非上場企業というのはすごく特殊ではないか。多品種少量でたくさんの企業があること自体が、安定供給の問題だとか、製造管理や品質管理の不備につながっていると認識すべきではないかと思う。

これは私の感想だが、共同開発もそうだが、たくさんの数の企業を(後発品市場に)参入させることを慫慂(誘いかけ勧める)しているような制度になっている。そうすると市場で非常に数の競争が起こる。ちょっと言葉が悪いが、あえてそういう構造を作って競争によって薬価が下がっていくようなそういう政策をとってきたということなのではないかと思う。

それはそれで一つの政策目的にあったのかもしれないが、いま振り返ってみれば、そのことは、その薬価の価格が下がっていくような制度を仕組むということを、安定供給の問題とか安全性の問題よりも優先させてきたと言ってもいいのではないか。

だとすると、そもそも80%の話からすれば、やはりここは大きく考え方を変えていく段階にきているのではないか。共同開発もそうだが、これは何のために認めたのかと。例えばこれが参入するメーカー増やすことが、安定供給につながっているのかを考えると、決してそうはなってない。そう考えるとやはりこれを認める意味、認め続ける意味が本当にあるのだろうか。

いまの話にもあったように、安定供給のことを考えれば、当該成分の医薬品がどれだけ市場で必要か、どれだけのボリュームがそこで確保できるか、ということになるわけだから、別にメーカーの数が増えたからといって、相対としての提供ボリュームが増えるってことはないということは、もう明らかだ。むしろ諸外国のように必要なボリュームが確保できるだけの企業数、あるいは総量が確保でき安定供給できるような体制のなかで適正な競争が起こることで言えば、企業数を一定程度コントロールするというのがあってもいいような気がする。

それから、非常に疑問なのですが、資料38ページのところに安定供給義務についての規定がある。これによると、5年間の製造販売を義務付けている。もう一つは一定の在庫を持つことになっている。このルールで安定供給を考えたら、どこかの会社が倒れて供給が滞り、発注がワッときたら、企業がどういう対応をするかといえば、安定在庫の確保が義務ですから、自分が供給できない場合は受注しないという行動に出るに決まっている。そうすると、この安定供給義務の中に、例えばボリュームの規定が全然ないわけで、かつ、それぞれの企業はギリギリの製造能力の限界まで生産するという前提でビジネスモデルを作っているとなれば、これ絶対に安定供給できない。この規定自体が安定供給を阻害すると言ってもいいような話ではないか。これも見直す必要がある。

などいろいろ考えていくと、かなり大きな見直しをする必要があるのではないか。さらに言えば、今日の(GEメーカーからの)ヒアリングでも後発品メーカーで例えば剤形の工夫であるとか、後発品メーカーとしての研究開発への投資みたいなものが一方であるわけだ。そうすると、これができる企業とできない企業と明らかにわかれるはずなので、そういう意味でも後発品企業の数190社というのはどう考えるのかを行政当局として考える必要があるのではないかと思う。

それからAGについては後で議論になると思うので、その時にお話しようかと思うが、患者の立場からすれば、AGの降圧薬とその他の後発品があるとなれば、品質が高いと思われるAGの方を選択する。ある意味当たり前ですよね。事務局の資料でも価格ではなくて価格以外の品質での競争を促すと言っているのであれば、AGが選択されてある意味当然で、市場で選択されるのであれば価格が高くなってもおかしくない。AGに関しては価格の高止まりという薬価政策上の問題があると言われていますが、むしろAGの何が問題なのかということになるのではないかと思います。

そもそも資料にありましたように、後発品については市場で価格を決めると言っているが、頭で0.5とか0.6とかって言う値決めをした上で競争させているわけですよね。となると、もしAG問題にそういうことがあるのであれば、しかも頭は同じ価格で揃えるわけで、0.5で算定されて市場で競争させるのであれば、実勢価格が前提という建前で薬価制度ができている限りにおいて、そのこと自体何が問題なのかという議論になってしまうと思うので、これは別の観点からちょっと議論するという必要がある。ちょっと長くなりましたけど、私からは以上です。

遠藤座長:ありがとうございます。ご意見でありましたが、何か事務局コメントはありますか。

城審議官:例えば共同開発の観点で価格低下政策だったかどうかということについては明らかでないが、当時、ジェネリックの供給量伸ばしたいという発想があった。そのために参入障壁を下げる、少なくとも共同開発をすることによって、他業種なり他分野からの参入を慫慂するということであったというのはあると思う。ただ、その後はきちんと自社生産し、きちんとした製薬企業として成り立ってほしいということを期待していたということは、当時の考え方だと考えている。

香取構成員:そうですけど、安定供給につながってないですよね。つまり生産量とか全体の後発品の市場ボリューム、当該成分に対してどれくらいの供給量を確保するかっていう、そこがないですから。先ほど発言しましたが、たくさん企業があれば供給量が増えるっていうことでなく、現実に増えてないってことから考えると、やはり政策として当初の目標が達成されているとはいえない。むしろその過当競争を産んで薬価が下がっているだけなので、現実にこういう問題が起こっていること考えると私は見直す必要があるのではないかというふうに思います。

遠藤座長:はい事務局続けてお願いします。

安藤課長:ありがとうございます。審議官の方から申し上げた通りですけど、先ほど香取委員から発言がありましたように、ステージが変わっているんだろうということで、その新しいステージに即す形に薬価も薬事も、それから先ほどご指摘のあった通知ですけども、安定供給義務の話も、中身について、やはり見直しをかけていかなければいけないタイミングだろうということは、我々も全く同感でございます。

その上で、海外メーカーについてのお話あったと思うんですけど、正直申し上げて我々も全ての海外メーカーの状況を把握できているわけではございません。ここが典型だというふうに胸を張って言えるだけの材料はちょっとないんですけども、一般的に欧米では先ほどの資料にもありましたように、多くのポートフォリオを持っていて、その都度状況に応じてポートフォリオ変えることによって経営戦略を変えていくというような形で対応しているということは聞いているところでございます。

香取構成員:だとすると、そういうポートフォリオを変更できるような一定の企業規模があることが前提ですよね。何かそういう産業を育てるっていうふうに考えるかどうかっていうこともありますけれども、そこは後発品企業といえども、こういうことが可能であるような一定規模の企業があって、いろんな形で受注生産をしたり、役割分担したりっていう一種重層的な産業構造というのはある程度頭に置いて考えることが必要ではないか。そういう踏み込んだ産業政策を考えなきゃいけないっていうことなのではないかと思います。これは私の意見です。

遠藤座長:ありがとうございました。それでは坂巻構成員お願いします。

坂巻構成員:そもそもの共同開発であったり、多品種少量生産であったりという現実の捉え方について、ちょっと正しく捉えて議論されているのかなと疑問を感じます。

まず共同開発ですが、おそらく皆さん方がイメージしているのは共同開発ができるようになって質の悪い中小企業がどんどんジェネリック業界に参入してきたからけしからんというふうな話をされているように私は印象を持つ。これ事実でしょうか? 実はどちらか小さいところは共同開発以前からあって、共同開発に参入してきたのはむしろ新薬メーカーなんですよ。先ほどの(GEメーカーからの)ヒアリングでもありましたけども、新薬メーカーはジェネリックを作れないのです。同じ体内動態のものを作るというのは、実は技術力がないと作れないのです。ある意味リバースエンジニアリングですよ。だから、(ヒアリングしたような)会社に頼んで作ってもらって、それが認められたから参入してきた。実は共同開発はそちらが多いです。ですから、そもそも共同開発によって悪い会社が参入してきたっていう前提で議論されると、ちょっと産業政策の議論としておかしなことになる。

それから多品種少量生産が何で問題なのかっていうことについてもちょっと違う。そもそも多品種少量生産は医薬品以外でも一般的になっている。医薬品に限定して言えば、例えば今日の資料の中にあるようなグローバルのジェネリックメーカーは、大手であれば成分数で1000品目ぐらい作っている。包装数で恐らく1万ぐらい。量としても日本市場と同じ1000億錠位。場合によってもっと作っている。このぐらい多品種で大量生産です。

問題は、こういった多品種の製品について、正しい製造工程管理ができているかどうか。これはできていると私は思う。むしろできていないのは少量しか作っていない、いい加減な会社ですよ。そういった会社をどう淘汰するか。あわせて多品種少量生産をやめるなら、どういうものをやめるのか。例えば、売上げが小さく、コストが高いようなオーファンドラッグのジェネリックはやらなくていいという産業政策を日本がとるのか。ちょっと変な話になるのではないかと思う。

多品種少量生産の何が問題か。今日の資料にもありますが、ものすごく緻密な製造工程管理をしているために“遊び”がないんですよ。ですから、他の会社で何かあった場合に、何らかの理由で需要が一気に拡大すると、そこで“遊び”がないために、一緒に連鎖的に供給不安を起こしてしまう。つまり今日の話の前にありましたけども、いまの一杯一杯の製造キャパシティというのでなく、余裕を持った形の製造キャパシティにすれば、多品種少量生産であっても問題にはならないと私は考えます。

それからその企業数に関しても海外と比べてどうかという議論がありましたが、ちょっと古いデータで平成25年度の中医協で報告したことがあるが、実は日本の会社ってそれほど多いわけではない。例えばヨーロッパはグローバル市場としてあるが、各国ごとに小さい市場で売っている会社が結構ある。会社数でいくとそれほど日本より少ないわけではない。

問題は日本市場の中で、繰り返しますけども、質のよくない、あるいは売り方に品位がない会社が小さいところにある。そういったところの日本市場独特な中でのいくつかの企業が問題を起こしているっていうところについて、どうするかっていう議論にしなければいけないと思っている。まずその点について指摘しておきたいと思う。

遠藤座長:はい、ありがとうございます。ジェネリックに詳しい立場から意見をいただきました。それでは成川構成員お願いします。

成川構成員:はい。ありがとうございます。事務局にはジェネリックに関して様々な角度からデータをまとめていただきありがとうございます。頭の整理もでき、理解も進みました。その上で最後の論点を見ながら話させていただきたい。少量多品種生産というビジネスモデルが転換期にあるということについて、私も同意する。ただ、強制的に企業の数を絞ることはできないと思うので、品質の確保されたジェネリックを安定供給できる会社が結果的に残れるような政策をすることが求められる。

その際に一つは、何か薬価の面で下支えができればいい。新薬創出加算の議論の時に企業要件はいらないのではと意見を申し上げた。むしろその価値で判断すべきじゃないかと申し上げたが、ジェネリックについては別の意見を持っていて、逆にジェネリックというと有効性、安全性は先発と同じであるということが基本だから、安定確保医薬品とかそういう意味での差別化はあるもしれないが、基本的には企業の評価というか、品質の確保、安定供給についてしっかり体制を作っている企業に対し、何か報いるような制度ができたらいいのかなというふうに考えている。

先ほど経済課の安定供給義務規定で5年ということが示された。私は直感的に短いという印象。10年ぐらいはきちんと供給していただける覚悟を持って市場に入ってきて欲しい。それから二つ目の共同開発についての意見があった。私の記憶では、元々共同開発は新薬に昔から認められていた。後発品についてはそれが認められなかったのだが、薬機法改正で製造委託が全面的にできるようになり、当時の規制改革の後押しもあって、後発品にも共同開発を拡大したと理解をしている。ただ、それによって見かけ上、銘柄数が増え、卸とのヒアリングでもかなり在庫管理とか負荷をかけているということも事実だと思う。なにか歯止めをかける必要があるのかなというふうに思っている。一つは、やはり共同開発をすると開発経費が低減されるわけだから、薬価の初期の価格を別にルール化するみたいなこともあっていいのかなというふうには思っている。

オーソライズド・ジェネリック(AG)についても一言申し上げる。今の議論にあったように患者さんや医療従事者の方からはそれが好まれるというふうなことも事実だと思っている。例えAGですと開発コストが低減されるので薬価を最初から安くするという手もあるかもしれないが、そうすると、逆にシェアを取ってしまうので、そこはどう考えたらいいのかなというふうに思って難しいと思っている。

視点を変えると逆に先発品の方の薬価について、何かルールを作ってもいいのかなというふうに思っている。そのあたりは議論させていただきたいなというふうに思う。以上です。ありがとうございます。

遠藤座長:ありがとうございました。それでは小黒構成員どうぞ。

小黒構成員:私も香取構成員が言われた話で、安定供給の要件の局長通知を見直す必要があると思う。それを前提に少し質問したい。

文章を読むとその製造販売業者と書いている。一社ごとに要件を課しているのか。要は何を伺いたいかっていうと、安定供給の意味をどういうふうに考えて制度設計しているのか。例えば先ほども香取先生が言われていましたけど、医薬品で同じような成分で作られているものが複数社ある。これを何で一社ごとに個別に要件を課しているのか。なぜそういう話を聞くかっていうと、これ先ほどグローバルの話が出ていましたけど、私は日本の企業行動はかなり特殊だと思っている。いわゆる経済学で非常に何か議論しにくい。どういうことかっていうと、例えば欧米であれば利益率がなければ、企業が参入してこない。

日本の場合はそうではなく、売上げが立てば入ってくる。極端なケースは利益率がゼロでも入ってくるような形になる。そうすると競争多可になる。日本人は非常にすごいと思う。JRの時刻表なんか見てもあんなに分単位で動いている国って多分ない。これをやってしまう。それがゆえに逆に一定の限界を超えると問題が起こるっていうことだ。そう考えると制度設計を考えるときに、どういうふうに厚生労働省の方でレギュレーションしていくのかが結構重要だと思う。

そこでうかがいたいのは22ページのケース(出荷停止、限定出荷)があったときにどうやってコントロールするか。要するに、例えばある製品を10社ぐらいが作っているときに10社全部やろうと思うと、経済学的なロジックで考えるとゲーム論みたいな感じになって、お互いに見合いながら戦略行動すると思う。そうすると、非常にレギュレーションしにくいと。ちょっと見方を変えれば先ほどの局長通知みたいなものをグルーピングして、各社そこに入ってくださいと。そこをレギュレーションした後は、自由にやってくださいっていう形にすれば、厚生労働省もやりやすいと思う。その辺どう考えているのか。

元々の制度設計で、安定供給とは何かなど、どういうようなメカニズムを想定して、各社ごとにレギュレーションをかけることになったのか。もし、それが今うまくいってないとすると、これは私のアイディアですが、もう少しグルーピングした形でレギュレーションするっていうのも一つのアイディアかなと思っている。もし何か考えがあれば、ご意見あればうかがいたい。

遠藤座長:何かコメントありますか。

城審議官:私が答えて良いのだろうか…。現状から見たときに。ちょっと違和感が出てきたということはわかりません。経緯からいくと、まずジェネリックそのものは確かに同じ成分ですね。ただ、製造方法もそれぞれですし、合成方法も違います。そういうこともあって、各社ごとの承認、各社ごとに薬価収載をしています。

なので、安定供給義務をかけて、ちゃんと安定供給できなかった場合にはその後の収載で、ある種ペナルティがかかるということもありますので、各社ごとの責任という形を当初取ったのだろうということであります。それ以上のものではなかったと思います。

グルーピングしてということも、いまお話がありました。これを検討できるのかできないのかもちょっと考えてなきゃいけないと思います。共同開発の場合はちょっとわかりませんが同じ成分であったとしても、全く別の製造所、別の所でそれぞれがやっていますので、それぞれに連帯責任を課すような形ができるのかどうかというのをたぶん当初、そういった発想になっていなかったのはそんなことだったんだろうと思いますが、さっき香取構成員が発言したように、ジェネリックは置き換え事業ですので、必要量というのは、そこそこ分かるものでもある。安定供給するときにそういった量の概念をこれまで収載のときに持っていなかったものを入れていくということは一つの形ではないかなと考えています。

小黒構成員:すみません。ちょっと補足する。私はちょっと数量を厚労省が決めて書くっていうのは結構難しいと思っていまして、それは患者の需要とか需要と供給の関係で決まるものだ。ただ、ある程度似た薬剤で、例えばいろんな組織体が法的にあると思うんですけど、そういったものにグルーピングしたものを作ってもらって、そこに厚労省が監督するというやり方のスキームっていうのは法的には可能なんじゃないかなと思っている。もし可能であれば何かそういうことも検討してはいかがかと。そういう提言です。

香取構成員:今の小黒先生の話ですけど、そもそも薬価つけるときに類似薬効でやっている。類似でやるということは、そこは言ってみればその同じ薬効群の中で一つのグルーピングというか代替可能な医薬品だからこそ、そういう価格設定するわけですよね。かつ、その後発品は僕の理解だと基本的にそのグループで同じ薬価がついているはずだよね。そうすると少なくとも、その市場が共通の薬が何かっていうのは、これは医政局でなく保険局のことだけれども、そういう考え方でグルーピングするということはやっているわけだから、とすればある程度そういう、どうやり方するか判断ですけど、代替需要のある部分については一定のグルーピングはおそらく可能だ。

確かにこれは薬務局だった時代の薬事規制のルールで作っているものだから、個別企業、個別品目についてしかコントロールきかないのでそうなるのだと思うけれども、産業政策であるとか、それこそ薬価政策でもいいけれども、市場政策として考えればそういうコントロールは可能だろうと私も思う。

安藤課長:ありがとうございました。いま香取構成員からもございましたように、正直申し上げてこの通知が出た頃は、いま足元で起こっている安定供給の問題が顕在化している段階でなかったので、むしろ安定供給が問題となっている今時点で、この通知を見てみるとむしろ安定供給を阻害してしまうという指摘はある意味当たっているかなというふうに私ども考えているところでございます。

先ほど小黒構成員が発言して頂いたように、安定供給をどう考えるかというところがモノの本質だと思っておりまして、それは先ほど城審議官の方から申し上げましたし、坂巻構成員からもございましたけども、やはり企業のキャパシティ、製造能力をどう高めていくかっていうところを一つの視点として考えないといけないんじゃないかというふうに思っているところでございます。

その上で具体的な手段として、先ほど成分で見ると、これ実際に安定供給への対処として我々も同じ成分の中にある医薬品でどう代替するかという手法を実際に望んでおりますので、特に後発品については、同一成分規格という一つの類型で考えていくという一つの考え方かなという感じはしています。

小黒構成員:ちょっと補足ですけど、ギリギリ合理的に考えると、やはり各社に課している限り、自分の企業でギリギリのラインまで在庫を持つかもしれないが、何か大きなショックが起こったときを想定して考えることは、多分企業行動としてないじゃないかと思う。今それをビルトインするためのメカニズムがないので、それをどうビルトインするかっていうところがポイントじゃないかというふうに思う。

遠藤座長:よろしいですね。

城審議官:すいません。おっしゃる通り、例えば成分というか、例えば輸液であるとか、それぞれが安定供給のために全体でカバーできるようなお互いの協議会や、アライアンスという形で東日本、西日本に分散しながら在庫を持って供給するような契約を結んでお互いをカバーするという形もございます。ただ、ジェネリックの同一成分ということに関しては現状ないということだと思います。

遠藤座長:オンラインで井上構成員が手を挙げておられます。井上構成員よろしくお願いいたします。

井上構成員:どうもありがとうございます。この委員会の中で唯一、あまりこの業界に詳しくない立場ですけど、外の業界から見たという形で発言をさせていただきたい。皆さんの話を伺っていて、この作業をどうしたいのかが、もう一つ見えない部分だ。現状が望ましい姿として保護したいのか、それとも最適状態から大幅に乖離しているので大きな変化を促したいのか。そこをはっきりすべきなのではないか。為替問題等で原油価格高騰の緊急的な薬価改定ということはあっても、長期的な利益率確保のための薬価の引き上げ等はある意味で現状変化を促す政策ではなくて、むしろこれは現状維持の強い動機を製造企業に与えてしまうのではないかというふうに考えています。

今後の人口減少とか財政の中で現状の維持を今後20年できるかといえば到底それは可能と思えないわけだ。むしろ創薬ベンチャー支援など新陳代謝が望ましいと考えるならば、さらに今後競争は激しくなってくるということで業界構造の改革は待ったなしなのではないかなと受けとめている。

その中で本日の議題もある望ましいビジネスモデルをどうするかという話ですが、これを行政が示すということ自体に非常に強い違和感がある。そもそも企業の超過利潤というのは他社と異なる戦略や行動、他社と異なる経営資源の投資があって初めて生まれるものなので、各企業が同じようなビジネスモデルを取ればコスト削減、価格競争以外に選択肢はないということになる。むしろ行政としては各社に他社との差別化を図る多様なビジネスモデルを採用せよというメッセージを発信すべきではないかというふうに考えます。

そういう意味で言うと、先ほど共同開発をなぜ認めたのかという話もありましたけど、ある意味、企業一つの戦略ですのでこれを規制するかどうかは、私自身は慎重でも良いのかなという受け止めをしております。そうした中で安定供給の問題ですが、これは安定供給義務の規制緩和にも関わる問題ですが、政府行政を挙げて日本はDXを推進しているわけです。そうした中で資料66ページにあるような、1か月に1回の状況確認ということが3か月から1か月に短縮しましたという報告ですが、現状のDXで言えば、これ毎日状況を把握すべきじゃないかと思います。

サプライチェーンの問題は基本的に情報不足、伝達の遅れ、リードタイムの問題ですので、これをまず徹底してこれに資源注入すべきではないか。これがまず安定供給の第一歩ではないかと考える。これは昨日、事前説明で事務局にも申し上げたこと。なかなか予算措置が認められないということだが、まさにこの部分が企業が現状では多分独自に準備できないものでありますから、行政がイニシアティブを取るべき問題ではないということです。

ただし、この情報インフラの運営コストはやはり生産者・卸が利益を受けるわけですから、これに対してはコスト負担を要求すべきで、そこにコスト負担してちゃんと参加することのインセンティブをつけるべきだ。例えばコスト参加していない品目等については、いろいろ差別的扱いを受けて小売や病院等でそうした管理された薬品を避けるような形で強い参加動機付けをしていくべきだろう。そうした形で企業に運営コスト負担を要請しながら、こうしたサプライチェーンの情報の問題というものを解決していくべきではないかというふうに考えている。

企業にとってコストアップになるわけですが、それを負担可能な企業規模に上昇させていくという動機づけにもなると考えています。

もう一つ薬価差の問題ですけども基本的に私は市場の均衡価格の問題ではないかと考えている。違うのかもしれませんけど、やっぱりその部分は一部ある。そういう意味で言うと利益確保のために薬価設定するというメッセージは間違えたメッセージになる。むしろそういうことがない中で利益確保できる体制を企業に本気で取り組んでもらうということを検討してもらう時期ではないかと考えている。

生産能力の余裕が必要であるとすれば企業規模の適正化に向けた再編を促すべきで、これは過去の様々なM&A、産業再編の歴史で言うと概ね5年以内ですね。基本的にこれは規制緩和がきっかけになるが、規制緩和後、約5年以内にほぼその産業の半分以上の企業が再編する。それが一巡してしまうということが過去の歴史の繰り返しになっています。ですからやはり大きな産業再編をもしスタートさせるとすれば、5年ぐらいで一気に進むということを前提に政策を考えていく必要がある。それなりに覚悟が必要だと思う。

こうした状況の中で適正化するためには複数の政策のミックスが必要であろう。ダラダラやるのでなくて時限的に行っていくのがやはり必要だ。例えばM&Aなど産業再編の期間は約5年ぐらいというのは過去の経験からわかっているわけで、そういう意味で言うと一定以上のインパクトのある組織再編に対して助成金を付与するとか、またはポートフォリオの適正化のための再編には、赤字品目に対して5年を待たずに撤退オプションを認めるとか、一方で同時に安定供給義務を5年ではなくて7年または10年のコミットを要請したらどうかと。

そうすると特許切れ直後の参入コストが上がるので、過当競争の緩和に繋がるのではないか。また参入するために企業再編の動機づけになるのではないか。ちょっと長くなりましたがまとめると、5年程度の時限措置によって企業再編を促進して、企業規模を拡大させる。これを通して投資力を持たせ安定供給と企業の利益率確保というものを同時に実現する政策ミックスが望ましい。これが最終的には、過当競争を緩和することで薬価においても製造業者が一定の価格交渉力を持てる。規模の上昇は当然、価格交渉力の上昇にも結びつくので、そうした一定の価格交渉力を持てる状況を確保する。そうした状況を確保して初めて新規参入者、創薬ベンチャー参入の動機を高める。そうした参入を促して産業全体の新陳代謝を続けながら産業の強靱化を図れないだろうか。他の業種で言うと一般的なので、そうしたことがやはり望まれるのではないかというふうに考えている。

基本的には経済学の中で規制業種は企業側が一一般的に価格を上げて独占に利潤をあげる一方で、企業側はむしろ何もしない。企業は保護されているので、できるだけ努力をしないというような問題もある。そうしたものに対して本当に望ましい姿に強化を促すのであれば、ある程度時限的なインセンティブを与える中で産業再編を促していくべきではないか。以上です。

遠藤座長:はい、ありがとうございました。業界再編成については、厚労省の持っている政策手段の中で積極的に行う、有効に行うというのはなかなか難しい課題であるわけです。それに対してもいろいろとご示唆をいただいたと理解させていただきます。それでは先ほど手を挙げておられました芦田構成員どうぞ。

芦田構成員:座長ありがとうございます。先ほどの局長通知に話を戻したい。局長通知というのは安定供給を義務付けているというふうに書かれているので、それが目的の一つだろうと理解しているが、一方で資料49ページの薬価削除した品目における薬価収載期間というデータがあるが、これを見ると5年未満に薬価削除されたものが非常に多い。局長通知には5年間の安定供給を義務付けるとしておきながら、実は5年未満で薬価削除、撤退している品目が非常に多い。そういう意味でこの局長通知が実は守られていない例がたくさんあると読み取れる。こういう場合、何か5年未満に撤退した企業へのペナルティのようなものはあるか。

ペナルティもいろんな種類があると思うが、次の新しい薬価収載は何年かできないとかですね、いろんな手段があると思うが、そもそもそういったようなペナルティを課しているのか。そういうことがないとすると、この局長通知の何ですか強制力っていうのも高くないんじゃないのかなというふうに思ったんですけど、その点いかがでしょうか?

遠藤座長:事務局お願いします。

城審議官:最初の資料説明のときに申し上げておくべきだったのかもしれませんが、およそ合併によって品目の整理がされたものなどが大半です。それとは別にペナルティについては自主的に次のものを辞退してもらうとかですねそういうものは一応ありますがこちらからかけるペナルティというのはありません。

事務局:はい。資料の説明を補足させていただきます。資料39ページの説明が不足しておりました。先ほどご紹介させていただきました局長通知の下の欄に新しく発出した通知を記載しておりまして、こちらでアンダーラインを引かせていただいておりますが収載から5年を超えない範囲内で欠品ですとか出荷調整、回収等で供給不足を生じさせた製造販売業者については念書を提出していただく。その念書の中で供給不足を生じさせた場合には当該発生日以降の初回の薬価基準収載について自発的に見送っていただくという取り扱いを実施している。

遠藤座長:芦田構成員どうぞ。

芦田構成員:わかりました。そういうものがあるということは理解しましたけども、一つに先ほど成川構成員も発言していたが、やはりこの後発品で安定供給ということが課題という認識であれば、やはり大企業に何らかの要件を設けることも一つの方法だと思うし、それクリアした場合には何らかのインセンティブ、逆にそれを満たさない場合には何らかのペナルティを科すというような政策もあっていいんじゃないかなというふうに思った。

遠藤座長:他にいかがでしょうか。坂巻構成員どうぞ。

坂巻構成員:先ほどの局長通知ですけども、きちんと認識いただきたいんですけど、なぜこういった通知が出たのかというと、平成18年ごろはジェネリック薬に対する信頼がものすごく低くて、それこそ小さいジェネリックメーカーが売り逃げをしょっちゅうしているわけです。ですからその5年間は継続して発売しろという義務をかしたわけです。

合わせて次の在庫についても平成25年で、小さいジェネリックメーカーに発注してもすぐに持ってこないものだから、ちゃんと発注してすぐに持ってくるように、ある程度在庫を置いておきなさいという趣旨で作られたものなのです。ですからこの安定供給に関してはちょっと三つぐらいに分けて整理しなくてはいけない。

過去の安定供給と背景はもう現実には起きているところに関して言えば、もう合っていないので見直さなきゃいけないっていうのはご指摘の通りだというふうに思う。2番目の現在起きている安定供給に関しては、これは品質、製造問題の不祥事で起きているものなので、製造問題に関してどのように解決するのかについて議論をきちんとしておかなきゃいけない。ただしこれはいずれ解決しなきゃいけないし解決されるわけですよ。

次のステージ。ここはもうサプライチェーンの強靱化っていうのはやっぱり考えていかなきゃいけない。国際的な状況を見ますと、例えばヨーロッパであれば、2020年の11月に欧州医薬品戦略っていうものが公開されている。これは全部で4つ大きなポイントある。その一つが危機への備えと対応メカニズムの強化、安全なサプライチェーンの構築、医薬品不足の対応が入っています。これをベースにして医薬品の安定供給に関する構造対話がいま行われているが、この中で堅牢なサプライチェーンの定義、それから必須医薬品の特定とEU域内での製造能力の把握、脆弱性の原因の分析、技術革新について議論されている。こういった海外の議論を比べてみると、いかにも今のその日本のおかれている状況が、もちろん企業のジェネリック医薬品の不祥事というレベルの低いところからスタートしてはいるのですけども、もう少し先のグローバルな医薬品の安定供給とサプライチェーンの強靱化といったところで議論をしていかないと、もう周回遅れの議論を続けるのかなっていう印象を私は持ってしまう。以上でございます。

遠藤座長:どうもありがとうございます。他にご意見ございますか。それでは三浦構成員お願いいたします。

三浦構成員:どうもありがとうございました。資料もありがとうございました。安定供給の一番の元は品質管理だと思っている。もの作り日本は品質の力っていうのがあって、そういう意味ではこの19ページにありますけれども、薬機法違反でものすごい多くの企業が大きな問題を起こしているのは非常に問題だ。

ちょっと聞きたかったのが、業務停止とあるが、このあたりは何か違反の程度、品質の悪さの程度も含めて、それってどう違うかをお聞きしたい。そういった意味では成川構成員が発言した通り企業要件を厳密にする話もあるし、芦田構成員が発言したペナルティもある。(GEメーカーの)ヒアリングでもペナルティみたいな話がありましたが、実際に品質が悪いものが出てしまって、それが多量で多くの問題を起こして出荷停止になっているわけですから、そう考えますと出荷停止大きな問題を起こした会社に対してはペナルティとして新規の薬価収載を1年資格停止するとか、半年にするとか十分考えてもいいのかなという感じがした。

ただ、こういった政策の場合にはやっぱり報酬とペナルティという話なもんですから、ちゃんとしているところに対しては何かインセンティブを与えるみたいなこともセットとして考えるのがいいかなという感じがした。

もう一点、資料44ページに乖離率がだいぶ違うという話がありまして、先発品の100に対して、283とか3倍みたいな話があった。乖離率7%で105としたら3倍で15%とかって話になるわけだ。この1週間ぐらいで大手ドラッグチェーンの粗利が38%とか39%になっているとの記事が出たが、粗利ってことはまさにいわゆる乖離率ということなのですからそういう意味ではものすごく取られていている。その辺の資料があればいいなと思いました。薬局とか医療機関とか、診療所で乖離率が違うとか、何かそういったところの資料があればありがたい。それに関わる話ですが今回のこの会議私も出させていただきまして、薬局の方々も多分意見がいろいろあるのではないかと思う。何かそんな機会があったらありがたいなと思います。また消費者や患者の意見とか聞ける機会があればいいかなという感がした。要望みたいな感じだが、ご検討いただければありがたい。以上です。

遠藤座長:貴重なご意見どうもありがとうございました。できるだけ多くの方のご意見を頂戴したいと思いますが…。菅原構成員をお願いします。

菅原構成員:ありがとうございます。私も先生方のご発言を聞きながら、どのようにすべきかを考えた。やはり資料8ページの後発品のビジネスモデルをどのように考えるか。二つの大きな目標は低価格で安定的にということをいかに両立させるかという非常に難しい方程式を解くのだと考えている。

先ほどのヒアリングの中にもあったが、低価格というところの部分に関しては、製造コストの低減というところが恐らく一つのポイントになっていて、その話の中で生産ロットのスケールがやはり大きくなればかなりの効率化が図れて製造コストの低減が図れる。

共同開発に関しても、これは企業側からしてみると費用低減の一つの大きなファクターになっているということだと思う。製造コストの低減を図るためにどうすればいいかっていうところですが、やはり一定の企業要件で再編を促すというのは必要ではないか。というのは市場のメカニズムに任せていくってこと私も基本的な線だと思うが、これまでの後発医薬品の市場構造をみると、ここ10年、20年というスパンの中で同じような議論がされてきたわけですけど、なかなか数が再編されていくという流れにはつながっていないように思える。

井上構成員の指摘にもあったように、やはりドラスティックに再編していくためには短期間で促すための何らかの呼び水的な仕組みは必要だ。そういった意味では参入時の供給義務の長期化だとか、ある一定程度の供給義務のハードルを考え直して上げていく、そのことによって、そこから退出していただくというような仕掛けがそろそろ必要ではないかというふうにも考えている。

もちろんそこのハードルを超えていけるものに関しては何らかのインセンティブを考える。これは時限的かもしれないが、そういう議論があってもいいのかなというふうに思っている。

もう一方の安定的にというところの一つのポイントは、企業側からすると一定の収益がある程度予見性を持って確保できるという点に尽きるのではないか。そういった意味では先ほど小黒構成員や香取構成員からありましたけども、城審議官の話の中で、ジェネリックの市場というのは置き換え市場だから、ある意味ではある程度、市場規模というのが予見できるというのは、やはり先発品と違うところだというふうに私自身も認識をしている。そういった意味ではある程度予見可能な市場規模、一定の必要量を手元である程度わかるとすれば、あとは各領域別の製造のコスト構造ですよね。先ほどヒアリングの中ではありましたけども、かなり各社が自分たちの製造コストの状況については当然わかっていますから、市場規模と製造コストがどのぐらいのロッドになっていけばどれぐらい原価が落ちてくるのかってことがある程度把握できれば、産業組織論的に言えばある程度市場の中にあるべき適正な企業数、最も国民的に見てですね、安い値段で安定的に供給できるような適正数っていうのがある程度見えてくるのだろうというふうに思う。

その後に考えるべきことは、放っておけば、これまでの単品単価、総価の調整役になってしまっている後発医薬品のあり方を考え、一方で直していかなきゃいけない流通の問題であるわけですけれども、バイイングパワーが相当強いがわけですから、これをすぐに直すことが難しいかなということを織り込めば、ある一定の診療報酬改定、つまり薬価改定の後には、その薬価改定から除外をするというような考え方、あるいはある一定回数が終わった後はレートベース方式といいますか、あるいはその原価を基に、ある一定の原価にプラスアルファの利益率をそこにオンして安定供給を促していくという考え方があってもいいのではないかなというふうに思った。以上でございます。

遠藤座長:はい、どうもありがとうございました。それでは三村構成員お願いします。

三村構成員:ありがとうございます。今回の話につきまして、基本的にこの3年間に起こった大変凄まじい後発薬の供給不足と、それから現場の混乱というのがあった。基本的に何があったのか、どうしてあそこまで混乱が広がったのか、そして収束まで何故2年も3年もかかるのか、ということについてしっかりと分析しておく必要があるだろうと思う。

資料22ページですが、恐らくこれだけでは説明できないものがきっとあるだろうというふうに思う。私は今回の問題につきましては先生方のご意見等とも重なるんですが、三つの次元を開けて考えた方がいいというふうに思う。

一つは、従来型の後発薬の政策とか業界が持っていた問題が今回噴出した。それが日医工の問題で富山県の薬事審議会が非常にレポートを作っていた。本当にこんなことが許されていたのかというような表現がある。明らかに薬機法違反が横行していたということであり、GMP、GQP違反ということが平気で行われていたという話で、これについては先ほど新しい通達を出されたと説明があったが、やはりそれについてこれからも厳しい薬事監査、あるいは例えば参入要件についてきちんとした監査や企業要件というのを入れていく必要があるということだと思う。これについては恐らく誰も反対されないだろうというふうに思う。

あと二つの次元が残っていて、私も非常に心配しましたのは、このいわゆる後発薬の供給不安問題と、先ほどの原材料・原薬の輸入あるいは海外調達の問題、あるいは経済安全保障の問題が同時に起こっていたということですね。それが例えばセファゾリンの問題や品質問題だったということなのですが、明らかにこれば違う次元で起こっている。そしてそれは先ほどのメーカーの方のヒアリングにもあったのですが、それは新薬なのか、長期収載品か、後発者か、という次元を超えて共通した問題としてきちんと捉えるべきだと考える。

坂巻構成員が発言されたように、やはりこれはサプライチェーンの強靱化というきちんとした政策を作っていく必要がある。そのためにまず問題点を整理し、一番危ないものは別にしていただいて、きちんとした枠組みを基本的に制度的に整理して頂くくらいに国の経済安全保障と連動すると思いますけど、それについての仕組み作りと、それから後発薬の混沌とした状況は、先ほどから香取構成員がおっしゃいましたように、いろんな形をとりながらそれを整理していくっていう話を少し同時進行で、政策として分けていただいて進める必要があるのではないかというふうに思う。

そしてやはり三つ目の次元があって、これは前回のバイオシミラーの議論とか、坂巻構成員の専門であるわけですけど、なぜ日本でそのバイオシミラーができないのか。メーカーのお話を伺った印象ですけれども、厚労省が提示されている後発薬のビジネスモデルは、まず持続性困難というか、まずあり得ないようなモデルになってきている。

もちろん従来型の分野においてこれは十分ですけれども、新しい新薬のこれが後発薬になっていくとき、はたして日本からそれに対応できるような後発薬メーカーがちゃんと生まれてくるのだろうか。元々バイオの議論の際に出たように、日本で研究開発、創薬や生産技術がなければ、実は後発薬も出ませんよというのが前回の話だったと思います。そうしますとそれから三つ目の話があって、やはり言い方をしますと後発薬っていう言い方がある意味では安くて特許が切れたからあまり価値がないものみたいな言い方をしてきたんですけど、それはとんでもないことであって、むしろ治療の現場に行っていろいろ組み合わせで使ってらっしゃるわけですから非常に重要なものがある。それが特許が切れたときに日本はどうするんですかという話が出てきて、そうすると重要後発薬の戦略的基盤整備はひょっとしたらベンチャーと一緒かもしれない。それと同じような形をしっかりともう一つ政策基盤作っておかないと、ちょっと危ないのかなという感じがした。

この3つの次元はやはり綺麗に整理しながら政策を進めていく必要があるのでないかというのが私のきょうの感想でございます。以上です。

遠藤座長:ありがとうございます。政策の視点について大変重要な御指摘をいただいたと思います。それでは川原構成員、その後オンラインで手を挙げている堀構成員の順番にいきます。川原構成員どうぞ。

川原構成員:はい。本日幅広い資料の提供ありがとうございました。資料53ページのところで製造能力の状況についてご説明いただきましたが、ちょっとこれ見て驚いたんですけれども、90%以上が稼働率の会社が半分以上を占めるといったところで、先ほど、その前の資料の方で、小林化工の例で過度の出荷優先があって、それがまた事故に結びついた。この高い稼働率がずっと維持されるというのは、同様の事例が繰り返されないかというふうな懸念が一点あるなと思ったところだ。

それとあと、もし分かれば聞きたいのですけれども、この資料53ページで70%未満という事例の会社が5社あるという。こういった状況を鑑みると、ある程度高い稼働率にどの企業もなるのではないのかなと思うんですが、その中でも5社が70%未満といったあたりで何らかの要因があったのかどうか教えていただきたい。これが一点です。

2点目が資料16ページである程度、その売上げと利益の状況が書かれている。後発メーカーに規模の利益みたいなことが働くのかどうかという辺りが分かれば教えていただきたい。ある程度新工場を作ったり、新しいラインを作るのには当然投資が必要で、その投資コストの回収のためにはある程度体力も必要で、きちんと売上と利益が必要だというふうになっていると思う。そこで、ある程度売上規模が大きい方が利益も大きくなるというふうな関係性が見られるのかどうか。資料16ページの表だけではなかなか判断できない。また、単年度のデータなので、16ページの上の方の事業の中でも赤字があったりしますけれども、単年度じゃなくてある程度複数年度見ることによってそういうふうな規模の利益があるのかどうかというところを見た上で、今後再編っていうふうな物を捉えるときに、何らかのそのターゲットといいますか、どれぐらいの規模の大部分の後発メーカーを増やしていきたいっていうふうなあたりのそういった何か議論に繋がればいいなというふうに思ってご質問させていただきました。以上です。

遠藤座長:事務局いかがでしょうか。

事務局:はい、恐れ入ります。今いただきましたご質問のうちまず1点目53ページの製造能力に関するデータですが、こちら集計といいますか企業の回答の方法が若干解釈異なる部分があるかもしれませんが、基本的にはその次の54ページでもお示しをしております通り、製造の合間の稼働停止だとかの影響もございます。また機器のメンテナンス等の影響もございますので、必ずしも本来の製造所の製造能力100%を発揮できない状況もあるということで企業あるいは製造所によっては70%未満となっているケースもあるというふうに聞いているところでございます。

もう1点のご質問の16ページです。一般論で申し上げれば、今日のヒアリングの中でもありました通り、規模の経済といいますか、製造すればその分コストが下がり、利益も出しやすいといったような傾向はございますけれども、実際の営業利益の出方につきましては小社のそれぞれ事情がございますのでちょっと一概には言えないというような状況でございます。

遠藤座長:川原構成員いかがでしょうか? 

川原構成員:はい、ありがとうございました。

遠藤座長:それではお待たせしましたオンラインでご参加の堀構成員お願い致します。

堀構成員:最初のビジネスモデルのところについてお伺いしたい。左側は前回も出されていたと思うのですが先発企業のあるべきビジネスモデル、右側は後発品企業のあるべき一つモデルというふうになっている。個人的な疑問でもあるのですが、前回はこの左側のところに先発企業のあるべきビジネスモデルで収益構造というふうになっています。確かにどういうところで利益をあげて、どういう感じでやっていくかというところが見えるような気がします。

一方でこの右側にある後発品企業のあるべきビジネスモデルで言うと、もちろん井上構成員がおっしゃるように、個々の企業がそれぞれの戦略でビジネスモデルを作るべきだと思うのですが、全体としての方向性を多分示したいというふうに解釈しています。

この右側のビジョンも書かれているのですけど、何を売ってそこから何で収益を上げるのかっていう後発企業に対するメッセージとしてちょっとよくわからない。これを厚生労働省の政策として、後発品の品質を確保して低価格なものに誘導するっていう、そういう姿勢としてのビジョンであるならわかるのですが、あのこれを見たときに後発品を専業にしているような企業だけではないのかもしれませんが、これを見たときにどんなメッセージを受け取るのかなっていうのはちょっとわかりづらい。

何を言いたいかというと、結局新しい事業展開または未来を考えていくときに、どういうふうに自分たちはトランスフォーメーションしていけばいいのかっていうことがわかるようなビジネスモデルを見せていかないと企業側がついてこれないのではないかと思った。

もう一点は、私がいま言ったことと矛盾するかもしれないのですが、先発企業と言っても後発品を作っているところもありますし、後発品専業もあればそうでないという話も今日の資料の中にありました。なので、ビジネスモデルを展開していくためのトランスフォーメーションを支援するような政策とか、それ厚生労働じゃなくて、別の象徴なのかもしれませんが、今回のサプライチェーンの強靱化という議論をDXでどう進めるかとかもそうですけど、厚生労働省だけじゃなくて他の省庁と一緒に戦略的にやっていくっていう視点も、薬価や規制をどうするかっていうのは非常に重要だと思うんですけど、それだけじゃない事業ビジネスモデルを展開していくためにトランスフォーメーションをどう支援するかっていう視点もどこかにあったらいいのではないかなというふうに思いました。以上です。

遠藤座長:はい。ご意見として承りました。事務局何かありますか。

城審議官:ありがとうございます。井上構成員からもありましたし、途中何名かの構成員からも意見を頂きましたけれども、これがビジネスモデルなのかということについて言えばですね、このビジョンにおいても、どちらかというと目指すべきというよりは最低限満たしてもらわなきゃいけないことを書いている状況に近いかなと私は理解をしていました。明確に書かれていませんが、あの特許期間書満了後ということが書いています。特許期間満了後ですので、先発メーカーは特許期間中の勝負になるというのがあたり前です。ですので新薬はサイクルを早く回してきちんと出していくということなりますけど、後発品は特許期間終了ですので、これ安定的に供給すると書いてますけども、これは長期にわたり、別に期限がないのが本来の姿であってもいいかなというぐらいのもの。安定的に早期に大量に供給していただくということはせめてやってほしいというのが、この当時の足跡で、その上にですね、それぞれのビジネスモデルをちゃんと確立してほしいということであって、これがビジネスモデルだということが書かれては実はいない。

ということなので、先ほど井上構成員から、今の状況でいいのかって話について言えば、我々も、あの、相当変えていただかなければならないだろうというふうに考えております。どういう手段があるかっていうのは、厚労省もなかなか手段が即思いつかないわけですが、先ほどいただいたお話も含めてそこをしっかり、考えていかなきゃいけないというのが現状でのコメントになります。

遠藤座長:はい、ありがとうございます。大体皆さん一通りご意見承りましたが、追加でございますか。坂巻構成員どうぞ。

坂巻構成員:ちょっと言わせてください。一つ目は先ほど感染症法の改正に伴って医療法の中で情報の提供を義務付けたということなのですけど、ちょっとやっぱり情報提供を義務付けてそれをどう使うのかっていうところをもう少し具体化しないといけないんじゃないかなというふうに思う。海外の状況を見ますとECが今年3月に新しい法律改正で改めてその企業に情報提供を義務付ける形になっている。グローバルな動きを見たときに日本でもやはり情報の共有、提供サイトについての具体化をもう少し議論していただきたい。

それからAGに関して資料を用意していただいたのですけれども、先ほど資料に関してはお話ありましたけども、実は価格に関して私個人でデータ分析したところ、やっぱり価格高止まりする傾向がある。品質に対して評価しているから市場がそういう値段をつけているんだっていうご意見もあろうかと思いますけども、やっぱり医療費高騰効果が上がるってこともあるし、何よりもジェネリック医薬品全体におけるその健全な供給を阻害してるっていうことに問題があるんだろうというふうに思っている。

具体的にどうしたらいいのか。成川構成員からは先発品の方で何らかの対処をするっていうこともあり得るんではないかということを言いましたけども、やはりそのジェネリック薬品の市場が健全に競争するためには、AGあり方については引き続き検討していただきたいと思っている。

それから三つ目。今日の資料にはなかったんですけども、前回の菅原構成員の方からお話ありましたけども、特許が切れて先発品が撤退した場合に情報の移譲をどうするのかという話がございました。実際にこのことはもう既に起きているわけですけども、正直言ってうまくいってないのが事実です。おそらく2024年度でしょうかG1ルールの前倒しで撤退する品目が23品目と言われていますけども、かなりの数が撤回する中で、情報の一部がどうなるかっていうことについて現状なく言ってないのが私事実だと思っていますので、これに関してはその情報の移譲に関するガイドラインですね。早急にそういった議論をスタートするべきではないかと思う。以上です。

遠藤座長:重要なご指摘ありがとうございます。他にいかがでございましょう。三村構成員お願いします。

三村構成員:最後の安定供給について一言だけコメントさせていただきます。今回、厚労省がやっていることなんですが、基本的には医薬品の供給安定のための基本的スキームがあってその三つのステップをどういうふうに踏んでいくか。一番最後が一番難しく、まさに需給調整をどうするかって議論ですが、1ステップ、2ステップはある意味少しずつ進んでらっしゃるのかなというふうには私は評価しております。

一つは先ほどの調査権限ですけど、基本的にある一定のいわゆる品目指定された商品については、予定した情報収集、それに対して企業側がついちゃって対応する義務という感じですから、1ステップとしてやっていらっしゃる。二つ目は先ほどのコメントとしては日薬連の対応はもう少し短くいいのではないかということですけど、まず基本的には川上段階におけるリスク情報の開示、これまでに二つ目としてやっていただきますということになったと思います。

問題はその三つ目というか、川中における供給の透明化というとちょっと難しいんですけど、一種のある意味で見やすくしていくっていうところをしておかないと、もし何かあったときに困る。ただ最終的に先ほどワクチンみたいには綺麗な統合システムできればいいんですが、ちょっとワクチンがちょっと特殊な条件ありますから、そう簡単にできるわけではないということになりますので、まずは当面ということで結構ですけれども、厚労省が担っていた、いわゆるイレギュラーな発注抑制、発注制限のような安定確保医薬品、必須医薬品といったものについてはぜひお願いする。サプライチェーンを安定化させるために、それからなるべく重複発注もやめていただく。

そして出来ましたら先ほど第三者っていうか中立的第三者を通して、ある一定の期間における例えば在庫情報とか、あるいは発注情報をある程度見えるようにしていくっていう可能性もあるかもしれないと思いました。その場合も、基本的にそういったような品目指定とかしっかりしたそういったことに対して国として対応するんですよということがあればということだと思いますけれども、ただ22ページにあった混乱した状況を少しでも改善する当面の措置としては、まずそこまではできるのかなという感じはいたしました。以上です。

遠藤座長:はい、ありがとうございました。他にございますか。はいそれでは小黒構成員お願いします。

小黒構成員:事務局への質問です。資料17ページ目で表の見方がちょっと後から気づいてよくわからなかったんですけども、インドの上から4番目のところは売り上げに占めるその後発割合が100%になっている。しかし欄を見ると先発薬に「〇」があるがどういう理由なのか?

事務局:申し訳ございません。事務局でございます。事実確認ができませんので、確認をさせていただきまして、後日先生方にはご連絡させいただきたいと思います。

小黒構成員:わかりました。特段ありますけど業界の話の再編話も含めて、下側の方とかほぼ100%に近いものもあるので、やっぱりその辺のメッセージ性はどういうふうに持っていくかっていうのは非常に重要かなと思いました。

遠藤座長:はい重要な御指摘ありがとうございます。事務局の適切な対応よろしくお願いいたします。それでは大体ご意見よろしゅうございますか。一通りご意見を頂戴いたしました。どうもありがとうございます。また本日は「資料2」として香取構成員から資料提出がされておりますので、香取構成員からこれについてご説明をお願いできればとお願いします。

香取構成員:すいません。ちょっとこの機会があると思ったので手を上げなかったのですが、あの一点先ほどの井上構成員のお話にあったように、かなり大きな産業構造を変えていくための取り組みが必要だということだと思うので、例えば先ほどから安定供給はこういう理由でやりましたとか、共同開発はこういう理由でやったという話がありますけれども、そういう話ではなくて、結果何が起こっているか、どういう効果になっているかを考えて、やっぱりいろんなことを見直していくと。それとまさに三村構成員が言ったように、どのステージで議論するのか。なんていうか安全保障って観点で議論する議論と、産業構造で議論するべき議論と、個々の企業の行動をどうやって変えていくかという問題と、それぞれあるんだろうと思います。そうすると安定供給の問題は、例えば個々の企業の問題でもありますけれども、基本的には市場全体の構造の中でどういうふうに確保していくかってことになるので、今やっていることがどういう意味を持っているかっていうふうに考える必要があると思います。

もう一つバイオシミラーの話ですけど、バイオシミラーのベンチャーもきっと必要だって話になるのだろうと思う。バイオの話は言ってみればガソリン車の世界がEV車とPHEVなるような話なので、そういうものとしてちょっと別に1回議論をした方がいいんじゃないかと思います。

その上で私がお願いした資料ですけれども、この後、薬価あるいは薬価制度の話になると思うのですが、もちろん産業政策とかあるいはこの流通の問題中で、その薬価だけで物が解決できるわけではないので、これはまた一つの分野ということではあるとは思いますが、やはりこれは公定価格を決めている以上その企業構造に決定的な影響を与えますし、先ほどの安定供給のこともそうですけども、安定的な収益構造を確保できなければ企業は生産しないので、その意味で言うと薬価をどう考えるかってことは非常に大きい問題だというふうに思います。

その意味で、今日も少し資料が出ていましたけれども、ある程度やはりファクトとして今までどういう政策をとってきて、そのことによって、例えば薬価差がどうなったかとか、あるいは帰属がどうなったかとか、どういう改定をしてきたのかとか、やはりそういうのを一応一通りファクトとして整理する必要があるのではないかということで、ちょっと資料要求するというものです。今日の議論の中でもいくつかもう既に出されている資料もありますのでそれはそれで結構ですし、特に後発品についてはどういうふうに変わってきたか。昔は統一名収載ですから、新薬と同じ値段がついていたわけで、今から考えると信じられない時代ですけど、それがどうやって変わってきたかってことを整理してほしいということで、時系列のイメージは1980年代、それこそ薬価差1兆何千億とか言われていた時代、統一名収載とか、基準包装とかやっていた時代ですね。

それが90年代とか2000年代に様々な改定方式があってバルクラインからR幅になる。いまは調整幅になっているわけで、この間どういう改定があったかと。2000年代に入ってからは調整幅をずっと下げてきて現在2%まできてるわけですけれども、例えば薬剤費の総額がどうなったのかとか、乖離率はどう変わっていったのかとか、それを少し腑分けしてお示しをすることができないかということです。ということで、一つは、まさに医薬品の総額がどうなっているか。これによってどれくらい薬剤費総額がコントロールされているか。昔は医療費の30%とか40%とか言われていたわけですから、今それがどうかと、これは別に私は総額に興味があるのではなくて、逆基準でどの通りコントロールされているかということなので、いわゆるDPCは別に問題にならないと思っています。

二つ目は、これによって薬剤費の構成がどう変わっているか。医薬分業をずっと進めてきたわけだし、疾病構造が変わることで薬効群ごとの需要が変わっているはずなので、例えば納入先である病院、診療所、薬局にどういうふうに薬剤が納入されていったかと。分業が進んで薬局への納入が増えているはずなので、どういうふうに変わったかと。あるいは疾病構造が変わることで、昔は例えば抗生物質が多かったわけですけれども、今はそうではなくて別の分野で変わっているということもあるでしょう。

さらに言えば、今日の議論でもありましたが、いわゆる新薬が特許切れの新薬、長期収載品、後発品それぞれがどう変わっていったのか。後発品が増えているってことでしょうけど一方で、高い価格で新薬も入っているわけですから、全体の構造がどう変わっているかの議論をすると同様に、乖離率っていうのが開設主体別にどう変わっているかと。

おそらく病院と診療所と薬局さらに言えば、薬局の中でも個別薬局とボランタリーチェーンと大規模薬局ではおそらく乖離率が違っているはずなのですね。病院でも大小で違っているはず。一律に薬価差とか取引の云々と言いますが、それぞれ状況も違っていますし、これ自体も変化しているはずですね。変わってきているはずで、ある程度やっぱそういう違い。きょうも資料が出ていますけど、新薬と後発品で乖離率はどうなっているのか。

さらに言えば、内服と外用が基礎的医薬品、局方品、輸液、基礎的医薬品それぞれ価格の見方って違っているはずなので、それぞれに乖離率がどうかってことを示していただきたい。なんでお願いするかっていうと、医薬品の市場というのは、おそらく縦横斜めに一様ではない。本来その価格政策を取るのであれば、産業政策を取るんであれば、そういう一応ではない市場ごとに見るという必要があるのではないかと。

薬価のことだけを考えても、薬効群ごとの運用ごとに競争条件とか取引条件が違ってくる。さらに言えば地域差もあるはずで、そういったものによって、いわゆる乖離率が影響を受けているはずなんで、それをずっと見ていきたいというふうに思います。

最後にいわゆる薬価差は乖離率が下がっているってことであれば、何て言いますか、全体としても縮小しているはずなのですね。もう既にその後発品も80%になり、乖離率は大体7%から8%で動いていないのです。ということは、もうそういう意味で乖離率は変わらないってことはですね、ある程度もうそういう意味での薬価差問題ってのはもう、そこから財源出すということを含めて一定限界に来ていると思うので、その前提で今起こっていること。安定供給の問題とか研究開発力の問題とか、国際競争力の問題とかっていうものを横目に睨んでどう考えるかっていうことを考える必要があるのではないかという気がします。

特に診療報酬でも返さないっていうようになっているわけですけれども、診療報酬で返せない議論に対して医療側があまり何ていうかその議論にならないっていうのは、実は薬価差ってもう出ているところは医療機関じゃなくてもっと別のところに出ているっていうことなんだろうと思うので、先ほど薬局の人からもヒアリングした方がいいって話がありましたが、ちょっとそこは議論した方がいいのではないかということです。

同様に今回中間年改定で部分改定したわけですけれども、今回の中間年改定って同様に、診療所とか病院、薬局でどうなっているかとか、前回改定とどこが違っているのかとか、あるいは個別にどうかとこれは0.625っていうの何かその数字の根拠も知りたいところですけれども、政治的に決めたってことでそういうことなんでしょうけども、やはり今回の中間年改定のデータについても少しそういうのを見た上で、全体としてこの問題をどう考えるかと。

これだけ大きく制度改正をして変わってきているので、おそらく世の中の人が思っている薬価差のイメージとか後発品メーカーのイメージと現状はかなり違っているんじゃないかということなんで、やはりこういうデータを少し出した上で、ちょっと議論ができないかということでちょっと非常にビジーな資料を要求して申し訳ないんですけども、ぜひお願いしたいというふうに思います。以上です。

遠藤座長:はい。ありがとうございます。どちらかというと専門的なところもあるので、ざっと見てどこまで出せるかなって、ある程度相場わかるんですけれども、特別集計しなきゃいけないものもだいぶあるので事務局としては工夫をしていただければと思います。

それと最初のページのところで、そのDPC以下の医薬品に云々というところがありますけれどもこれは何か、要するに改定によって医薬品の伸び率がどう変わったかというのを知りたいということがここの主たる目的ですよね。

香取構成員:これは薬剤費総額と薬価改定の関係ということなので、はい、産業として医療医薬品がどれだけ使えるかと言えば、DPCも入れないといけないわけですけどもここで議論したいのはそこじゃない。

遠藤座長:ここで議論したいというのは、費用総額の医療用医薬品の推移を見たいというのが詰まり伸び率ですよね

香取構成員:つまり要するにDPCの医薬品というのは薬価がついてないので、ただそういう意味です。

遠藤座長:日本で使われている医薬品を調べたいということではないのですかね。つまりDPCは一気になったわけじゃありませんから徐々に進んでいったわけなので、ある時期から薬剤費はぐっと減ってくる。政策と関係なくですね。

香取構成員:それはそれでも構わないという意味です。出荷額ベースで考えたときのその薬品の工業生産でてくる数字と保険で薬剤費で出てくる数字が入りしてくる額ベースで見ると乖離してくる。DPCとか包括化が進んでいるので、それはそれでも構わないという意味です。

遠藤座長:ここは何も出たりしてやるかですけどね。そうすると一つ考えてみていただければと。他に何かございますか。よろしゅうございますか。今後の進め方それから業界再編とは何かということも含めて大変重要な御指摘をいただいたと思います。様々なご意見出ましたので本日の資料提供も含めましてですね本日のご意見の事務局としてはまとめていただいて次回以降の議論に資する資料を作っていただければと思います。

それではこれぐらいでよろしゅうございますか。事務局から何かございますか。

事務局;はい。次回の第10回検討会につきましては3月17日に開催予定でございます。
詳細につきましては厚生労働省事務局よりメール等にてご連絡をさせていただく予定でございます。また本日の検討会の議事録は後日厚生労働省のウェブサイトに掲載予定としております。事務局からの連絡事項は以上でございます。

遠藤座長:はい、どうもありがとうございました。これにて本日は終了したいと思います。
 
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