【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

【有識者検討会 3月17日 その1 発言要旨 医薬品の安定供給について・薬価制度を金とする課題】

公開日時 2023/03/20 04:52
厚労省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」の10回目の会合が3月17日に開催された。この日の前半は、前回2月15日に議題となった「医薬品の安定供給」について、特に薬価制度の起因する課題について議論した。後半は「流通に関する諸課題」のうち薬価差等をテーマにディスカッションが行われた。本誌は有識者検討会の構成員による議論の発言要旨を公開する。

遠藤座長:では、ただいまの事務局からの提出資料についてご質問ご意見等いただければと思います。最初に前半では資料20ページまでの安定供給に関する議論を行います。香取構成員お願いします。

香取構成員:最初の質問です。最低薬価、不採算品再算定、基礎的医薬品、局方品とある。この最低薬価、あるいは基礎的医薬品の考え方っていうのは全体として整合性が取れているのかどうかが非常に気になる。要は医療上、基礎的な医薬品で汎用性があると。つまり一般的に使われている医薬品なので、そういったものについては確実に医療現場に提供できるようにすると、そのための措置としてやるとこういうことなっているわけだ。そうすると、局方があって、局方はまさに基礎的医薬品についてリストアップしているということで考えると、不採算品再算定はまた別の考え方でやっているのでしょうけど、要は圧倒的な医薬品で安定的に確保されなければいけない医薬品であれば、例えば局方に一元化すればいいのではないか。

いろんなその線引きをして、それに当てはまったり、当てはまらなかったりでは、制度として分かりにくい。物の考え方も非常に整理されていない。つまりこのカテゴリーの医薬品は、安定供給を確実にそれぞれの医療現場に提供できることを最優先とする。供給等を価格設定するっていうのは、製造と流通を安定的に補償するという意味だと思うので、だとすればそういう交通整理をすべきなのではないか。

もう一つはですね、これは剤形別に最低価格を決めているが、これはどういう意味なのですか。つまりその薬の中身がどうであろうと薬効がどうであろうと、錠剤は1錠10円とかですね。要は決め方ですよね。何の価格をセットしているのですか。要は製造コストってことでしょ。つまり薬としての価値がどうかじゃなくて、要は世の中で紙1枚作るのにはいくらかかるので、紙代が決まるみたいな話ですよね。そこはちょっとね。そもそも剤型ごとに決めるっていうことが果たして合理的なのだろうか。これって製造コスト中身に関係ないコストってことですよね。例えば製造技術が改善されればコストは下がるはずですよね。あるいは例えば1時間に1000錠打錠できる機械が3000錠まで打錠できればコストは変わってくる。そもそも剤型で最低コストを決めるっていう決め方自体が20世紀的というか19世紀的というかですよね。

価格を決めるのであれば、先ほど言った安定供給なんなりという考え方で、おそらく価格を決めることになっていくのではないかと。基礎的医薬品っていうのを決めるのであれば、そのエッセンシャルドラッグのリストを作って、それが安定供給できるような価格の設定の仕方をする。そのときには価値に関係ない、単なる物の製造コストで最低薬価が決まっているというのは、そろそろいい加減見直した方がいいのではないか。

ついでに言えば、局方品は医薬品の検定であるとか、品質の確保のためにいろんな検査方法も規制されているわけですけども、今は化学品でない医薬品がどんどん増えていく中で、そういったものについても、恐らく考え直していかなきゃいけないのではないか。打錠の技術も変わっているので、単にその50回まわして溶けるかとか、100回まわして溶けるかとか、そういうことが段々なくなってきた気がするので、ここは全体として基礎的医薬品についてはもうちょっときちんと交通整理して、本来の目的に沿ってリストアップするなり、価格を決めないっていうルールをおそらく決めていくということになるのだろうと思う。

さらに言えば、もしそういう価格で最低価格を決めるって考えるのであれば、その品目はそもそも「納入価償還」にすればいいんじゃないかと思う。そもそも薬価差って流通価格と償還価格が違うから起こるわけだから、もしこういうふうに決めて安定供給をきちんと確保するのであれば、その医薬品については「納入価償還」というふうにしてしまえば、あとの総価取引の問題への調整弁の問題とかが無くなっていくので、そういう一気通貫で、この手の安定供給が重要だっていう医薬品については、そもそもいろんな形でカテゴライズする中で分けて考える。そういうふうに整理をした方がいいような気がする。そこはお考えいただきたいと思います。以上です。

遠藤座長:はい、ありがとうございます。前半は現行の制度に関するご質問で、後半は提案があったわけであります。特に前半のご質問は、最低価格を決める諸制度をおそらくそれぞれが合理性を持ってできたのでしょうけれども、非常に混乱するんで、その辺の整合性については教えて欲しいと、あるいは検討するべきだというお話でありましたし、剤型ごとに最低価格を決めるということの根拠は何かという話だった。基本的にこれは保険局が決めている話だったと思いますけれども、回答可能な範囲でお願いしたいと思います。

安藤課長:はい、ありがとうございました。基本的に香取構成員が指摘いただいた通りだというふうに我々も考えております。正直申し上げてかなり古い仕組みもあるので、当時の経緯というものについて完全に我々も把握できてないということでございます。資料19ページに整理されることを書かせていただきました。まさに香取委員がご指摘にあったことと基本的には同じ考え方でございますけれども、一つにはやはり保健医療上の必要性が高いか低いかというところで一つ線引きをしている。高い医薬品については基礎的医薬品なり不採算品再算定という形でですね、いわば特例的に薬価を維持とか引き上げたりということ仕組みを導入している。

一方で最低薬価これが一番古いわけでございますけど、これに続けて正直言うと、はっきりした明確な整理というのは難しいのですが、何を基準に各決めているかというと先ほど香取構成員がおっしゃったように、製造コストに基づいて実際の最低薬価と決めているのだろうというふうに思っております。であるならばご指摘にありましたように製造方法が合理化されれば製造コストが下がるので、そういう意味でいくと実際にこの価格自体が、ある意味大きく揺れ動いていくということになるので、はっきり言って今の時代にそういった製造コストベースの最低薬価についてどうあるべきかについては、確かにここは一つ考えなければいけないポイントなのではないかというふうに思っているところではございます。

いずれもそういったもろもろですねちょっと今日の議論も踏まえまして、ちょっと大きなあの方向性、あるべき論として、こういった薬価を下支えする仕組みのあり方については、我々の方でもよく整理した上で考えていきたいと思いますし、この検討会の報告書の中で一定のあるべき論についてもお示しできればというふうに考えてございます。

後段にありました「納入価償還」の話については、流通の方とも絡めた話だと思います。一つの選択肢としてくすり未来塾から提案をされたと思いますけども、方向性として選択肢として考えられると思っておりますけども、それについては後段の方で議論いただければと思います。

事務局:はい、ありがとうございます。日本薬局方に関しまして、基本的なご説明につきましては参考資料として12ページ、それから香取構成員からご指摘いただきました類似の制度との比較という意味では18ページに参考資料を付けてあります。

先ほどご指摘の中でもいただきましたように医療上の位置付けが確立して広く医療現場で使用されているものを指定するという考え方の観点では、この基礎的医薬品、安定確保医薬品が、日本薬局方に類似するところがあるというのはまさにご指摘の通りというふうに考えている。一方でこの日本薬局方につきましては、説明が不足している部分もございました。薬局方に基づき基本的に品質確保を目的に作成されてた規格基準集ございまして、実際の医薬品の製造や品質管理に当たっての細かい技術的な規格を定めたものでございますので、なかなか作成品目の選定等に当たっての手続き等も大きく基礎的医薬品、安定確保医薬品と異なるという部分もございます。なので、実質的には、対象となる品目の整合性あるいは統一というのは難しい面もあるとかとは思います。けれどもご指摘を踏まえて担当する部局と意見交換させていただきまして、何か協力できる点がないかというところは確認させていただきたいと考えております。以上でございます。

遠藤座長:はい、ありがとうございました。香取構成員如何でしょうか。

香取構成員:局方って5年に一回見直しますよね。であれば、そのまま確かにちょっとこれ専門的な人が集まって議論しているのであれかもしれませんけど、確か元々基礎的な医薬品を決めてその品質を確保するための規格基準と試験方法を規定しているから、そういう意味で言うと、試験方法の規定のところの方が実は現場的に意味があるからその通りなんですけれども、やはり薬事行政と保健行政、それから現実に局方もそうですけど、それこそここでは公衆衛生上の確保と書いてあるわけですけども、現実に科学技術が進歩する中で医療需要に合わせて基礎的な医薬品を決め、そういう薬については品質を確保し、確保するための基準を作るっていう考え方に立っているとするならば、別に学者の議論でやっているわけではなくてね、現実に世の中に役に立つものとして局方を考えてとするならば、それは整合性がとれる形、つまりモノの考え方ですけど、局方品はきちんとそういう意味のあるものとして位置づけて、おっしゃるようにそれに包摂できないものも多々あるんでしょうから、それはそれとして位置付けるっていう、何かそういう全体として整合性がとれたもの考え方っていうのをやっぱり示すべきではないか。それは局方自体を意味あるものにしていくっていう意味も含めて、あそこは是非、医薬局とも相談して頂くことが良いのではないかと思います。

遠藤座長:事務局どうぞ。

安藤課長:ありがとうございました。ご指摘を踏まえて医薬局ともよくやり取りさせていただきたいと思いますけども、合わせて局方につきましては、本日も参考として示させていただいているのですけども、そもそも原薬確保に当たってですね、この局方自体の存在がボトルネックになっているっていうところの課題もありますので、次回の積み残しの課題の中でもう1回取り扱いさせていただきたいと思います。

遠藤座長:よろしくお願いいたします。はいそれでは他にご意見ありますか。坂巻構成員お願いします。

坂巻構成員:この議論に関して少し整理しますと、前半のパートは薬価の下支えをどうするかで、このあと恐らく薬価がなぜかが下がるのかっていうことになると思うのですけども、そうは言っても基礎的医薬品、最低薬価あるいは不採算医薬品といったものを定義しておきながら、なんで薬価が下がるのだというところが大きな問題なのかなというふうに思っている。それはそれとして香取構成員から話がありましたけど、その基礎的医薬品だとか安定確保医薬品の定義に関して、本日の資料に記載がありますけども、例えば基礎的医薬品と安定確保医薬品を見たときに、医療上の位置付けが確立し、あるいは安定確保医薬品に関しては医療上不可欠であって、確かにその安定確保医薬品が医療上の位置づけが不可欠であるということは学会から提案されていますけども、基礎的医薬品の医療上の位置づけってどうやってその定義したのか、ちょっと分かりにくさがありますので、ここは確かに整理すべきだろうというのは感じる。

あるいは最低薬価に関しても、液剤等々ありますけどもちょっとこの資料にはないのですけども、確かにその剤型というかですね薬の種類によってその最低薬価かなり違ってくるだろう。具体的に言いましたけど、バイオ医薬品、バイオシミラーは全然出て行っていませんけども、バイオシミラーも製造の仕方全く違いますので、最低薬価がかなり違ってくると思う。ですからバイオシミラーに関しては、また違う視点で原価の根拠に基づいて最低薬価の議論になることも必要になるだろうというふうに思う。

そういったところ基礎的医薬品やその他のカテゴリーとの整合性をもう少し議論してもいいのではないかということと、最低薬価についての考え方や財源によってということは考えても良いと思う。

その上でちょっと質問してさせていただきたい。後半の議論に関係するところですけども、例えば不採算品再算定であるとか最低薬価について、薬価を下支えしているのに、実際にまたその価格が下がってしまうことがあるわけですね。ちょっとそのデータについて確認したいのですが、資料13ページ、資料15ページそれぞれ対象になった品目数が出ていますけども、あるいはその後の資料42ページにも下がってしまうものがあるって記載があるんだけど、実際に不採算品再算定を受けたもので、また薬価が下がってしまうというものがどのくらいあるのか。何故そんなことが起きているのか。メーカーや卸としてはどうなのだっていうこと。この後議論したいのですが、そこら辺をもう一つ数字として確認したいという一つ。

それから不採算品再算定に関しては、資料13ページに定義が書いてあるが、例えば今回は特例だったと思うのですが同じ成分でありながら、価格が維持されたものと、それから価格が引き上げなったものでばらつきがあったと理解しておりますけども、そういう意味でのその不採算品再算定の根拠の数字というものがどのくらい信憑性があるのか。データから出さないというものがどのくらい信頼できるのかということについて、ちょっと問題意識を持っていますので、もしその点についても定義とその現状、どうだったのかということについての数字の確認をして教えていただければというふうに思う。よろしくお願いいたします。

遠藤座長:ありがとうございます。それでは事務局への質問もありましたし、考えも示されましたのでそれについてコメントも含めてよろしくお願いします。

事務局:まず1点目にご質問いただきました不採算品再算定が行われた品目等につきまして、さらに薬価が下がっているような事例がどの程度あるのかというご指摘でございますけれども、すいません、いまデータとしてお示しすることは難しい。実際に不採算品再算定が行われた後も、また再度薬価が下がってしまうというケースがあるということ自体は把握しているところでございます。実際どれくらいの割合なのか、数字なのかというところは申し訳ございません。ちょっとデータとして持ち合わせておりませんので、ちょっとご説明することが難しい状況でございます。

また、二つ目の不採算品再算定を行う場合の根拠データというのは、それは企業側から申請されるデータの信頼性の話ということでよろしいでしょうか?

坂巻構成員:そういうふうに。

事務局:承知いたしました。不採算品再算定を行う場合には、資料でも少し触れさせていただきましたが、原価計算方式の原価の計算結果を企業の方から申請いただくこととしておりますけれども、そのやり方、方法につきましては新薬の原価計算の際に用いるやり方と同じ方法で、各種伝票や帳票などを求めつつ、その製造にどれぐらいのコストがかかっているかということを企業の方から、資料として提出していただきましてそれを確認するという形で実施をしております。

坂巻構成員:新薬の結果算定方式では開示度によって加算の割合に差がついたりしますけども、そういった問題はジェネリックに関してはないというふうに理解してよろしい訳ですね。

事務局:はい。新薬ではその開示度によって差をつけるというルールがございますけれども不採算品再算定の適用につきましてはそういった開示度に応じたルールというものはないという状況でございます。

坂巻構成員:すいません。追加質問ですけど、こういった薬価の下支えに関しては基本的にそのジェネリックの場合、3価格帯になっているものもあるのでしょうか?最終的に全部一つ一つ安いところに集約されているということでよろしいですね。

事務局:今のご指摘は3価格帯に分かれている製品があったとして、不採算品再算定を行った後の話ということでよろしいですね。不採算品再算定を行った後につきましては基本的に薬価として統一される形になります。

坂巻構成員:ありがとうございました。

遠藤座長:ありがとうございました。それでは三村構成員お願いします。

三村構成員:説明ありがとうございました。それで一つはっきりしたのが最低薬価は基本的に性格が違うということ。局方との関連ということで大変よくわかりました。そうしますと明らかに基礎的医薬品が非常に大きなウエイトを占め、これが明らかに今回の制度改革の焦点だろうというふうに思います。それで、これは必要性が高いに医薬品について、そしてそれが供給不安を起こしうる可能性に立って対応するという設定だと思いますけれども、それと同時に安定確保医薬品との関連性が非常に大事になって、この一つの安定確保医薬品について、どういう制度でということは明確ではないのですけれども、その二つをどう上手く組み合わせていくか。そして基本的には重要性が高いという定義と、それから安定確保医薬品について実はちょっと違うのは医療上の重要性プラスサプライチェーン分断リスクという議論が出てきて、そして安定確保医薬品に関しては、国の経済安全法制の対応になる。そこには非常に国内での生産体制、供給体制の充実のためのある意味での政策的な対応があるというこれも入ってくる。

しかしながら、基礎的医薬品と安定確保医薬品が同様にこれ非常に重要な制度であるということを今回明確に位置づけていただく、そして定義をしっかりしていただくっていうことが非常に大きいのではないかという感じがいたしました。

そのことを踏まえてということですが、今回議論に出ております25年ルールというのは基本的に意味がないというふうに思う。それに合わせた言い方しますと、それが現在もし非常に下がっているならば、それを修正する上において、不採算再算定という方法論が使われるという。この二つが組み合わせていくということだから、基礎的医薬品プラス安定確保医薬品という一つのジャンルとして制度化し、それに対して修正する方法論として、不採算再算定という方法論が逆にそこでつくというような設定があるのかなという感じがいたします。

2年に一度という改定ルールを修正すべき。さらに先ほど話がありましたけれども、なぜさらに薬価が下がるのか、乖離率、薬価差が生じるのか。ここまで重要な医薬品に対して、通常の価格交渉の中に入れてはいけないとですから、そのことをしっかりとアナウンスしていただき、きちんとしたルール化されていけば、それを通して卸と医療機関、薬局との間の価格交渉を行うことはおそらくあり得ないだろうという感じがします。ただ、もちろんそれについては常に品目が実態にあうかどうか、あるいはコストが変わってきますから、別に常に見直しということを常に入れておけばいい。それについては恐らく、今度は供給をどうするかということで、香取構成員が発言されました、例えば購入価償還という方法もある。基本的にきちんとした実費という考え方、あるいは実技術コスト、実流通コストという考え方を入れていく。これも少しいろいろ制度設計したわけで、どれが適正かという感じが見えてくる気がいたします。それに対しますと、今回は基礎的医薬品で非常に重要であり、もう一つ焦点となっている安定確保医薬品との関係性をどういうふうにきちんと整合させるという制度設計をしていただければ非常に流通側も助かりますし、安定供給につながるというふうに考えています。以上です。

遠藤座長:ありがとうございます。事務局からコメントをお願いします。

安藤課長:貴重なご意見ありがとうございました。基礎的医薬品の25年ルールの件についてですが、正直あの話が明確ではないところもあるのですけども、ぜひ先生方にご意見賜ればと思っている。そもそも一定期間の市場流通というのを前提とするっていうことについてどう考えるかということ。25年という数字というよりは、一定期間、市場に流されているということについて今要件に入れているわけですけども、それについてどう考えるかということについてぜひご意見いただきたいと思う。

個人的な考え方も含めてということですけども、もとより今の薬価算定というのは市場実績も先ほど説明しましたように、市場実勢化方式によって、すなわち市場において医薬品の価値をある程度見定めた上で、それに基づいて薬価を変えるっていうルールで動いていると承知している。今回の基礎的医薬品については、そういったルールの例外的な措置として薬価を下げない、維持する仕組みを入れている。逆に言えば、ある程度その医薬品の価値というものについて長年に渡って市場に流されることによって確定されているので、これ以上市場取引の中で決まった価格に基づいて、あの薬価自体を動かす必要性がないっていうことを前提としているのかなというふうに私自身ちょっと思っていたのですけど、逆に言うとそうだとすると基礎的な要件として、やはりこの25年という数字が正しいかどうかは別にして、一定の期間市場に流されているっていうことは、やはり要件として考えるということが必要ではないかというふうに私個人的に思っていたりする。是非そこについて構成員の皆様方のご意見を賜れればと考えている。

それからその上でもう一つ乖離率が全体の平均以下という要件も入れている。これも私の考えですけども、当時の想定として、今申し上げたように一定程度価値が市場の中である程度確定しているという品目については、仮に市場に流したとしても、そんなに大きな乖離幅は存在しないのではないかということを前提に、こういった要件というものを入れている。ただ実態は、先ほどご覧いただいたように、むしろ逆にそういったものの方が乖離幅が大きくなってしまっているという実態があるので、恐らく当初の想定したようには必ずしも実態として動いてないという課題が実際に見えてきているだろうというふうに思うのですけども、必ずしも明確にその資料が残っているわけではないが、その点について構成員の先生方からご意見賜れればと思います。よろしくお願いします。

遠藤座長:三村構成員のご意見に対しては今のようなご質問という形での切り返しですけど、三村構成員よろしいですか。

三村構成員:大変貴重な視点だ。ただ、薬剤も特性とか状況も変わるので、比較的安定的に評価されているような、だからその結果、例えば安定確保医薬品で学会にお願いしたら薬価が上がってきたわけですので、だからそういうような評価がある意味で関わっているものというような何かそういう定義でもいいのではないかあっていう感じはいたします。25年と設定することが異常でその機動性を失わせている感じがします。それからあんまりこういう商品については殆ど価格変動しないので、そこに乖離率を入れることによって、乖離率を尺度化することによって逆に使いづらくなるし、おっしゃる通り、これが後の議論でありますが、総価取引的なもの中で価格引き下げの手段になっていると、これが価格を分断するという、そういう考え方でいいのではないかと思う。

遠藤座長:ありがとうございます。ただいまの安藤課長の問いかけへの答えでも結構ですし、そうでないご意見があっても構いません。いかがでございましょう。成川構成員お願いします。

成川構成員:はい、ありがとうございます。今の質問への直接ではないのですが、それも交えてお願いします。今日のご説明で最低薬価、基礎的医薬品、不採算再算定の経緯を含めてすごく明確に私も頭の中の整理ができました。それそれぞれのルール、特に最低薬価と基礎的医薬品については、薬価の下落を未然に防ぐというか、下支えをするという意味では一定の役割を果たしてきているということを再認識しました。

一方で後半の議論も少し被りますけれども、理論的にはいくら安売りされても薬価がもとに戻るというのがルールですから、そこは総価取引の「値引きの調整弁」になっているのは事実だと思う。そういう意味でも、やはり医薬品の面からも弊害というか、言い方を変えた流通の場で基礎的医薬品というか、価値が考慮されてないのは非常にやっぱり残念でありまして、何か対策を考えないといけないのかなというのが一つの感想です。

それで事務局に2点細かい質問ある。一つが、いま25年の話があった。特に今回新しくできた安定確保医薬品の特にカテゴリーAで、この25年というのが引っかかって、何て言うかな、これにならなかったものがどれくらいあるのかイメージがわかれば教えていただきたい。

二つ目は不採算品再算定ですけれど、要するに純粋に原料コストが上がって適用になるケースと、あとは薬価がじわじわと下がって、気づいたら不採算なったというケースが非常にあるのかなと思っている。それが見分けがつくのかどうかとか、あるいはその両者がどれくらいの割合なのかとか、もしヒントがわかれば教えていただきたいと思っております。以上です。

遠藤座長:ありがとうございました。それでは事務局、ご質問も出ておりますが。

事務局:ご質問ありがとうございます。ご質問いただいた大きく2点についてですが、いますぐにお答えできるデータを持ち合わせていない状況でございます。改めまして確認の上共有をさせていただきたいと思う。

遠藤座長:成川構成員よろしいですか?はい、ありがとうございます。他ございますか。それでは坂巻構成員お願い致します。

坂巻構成員:そもそも価格の下支えすべき医薬品は何なのかっていうところの整理だろうと思う。基礎的医薬品は先ほど言いましたけど、医療上の位置付けと安定確保医薬品についいても、正確に言いますと506品目全てで、今回薬価の下支えになっているのがカテゴリーAということになる。

例えばその安定確保医薬品のカテゴリー分類の中で対象となる主要患者数やサプライチェーンの状況などが資料18ページに書かれている。実は使用患者数に関して患者数が多いものがどちらカテゴリーと上の方に行きます。ところが、製薬企業側で見ると希少疾患であったり、患者数が少ないものの方がむしろその安定確保というか、原価が上がってきてしまって、安定確保のリスクをリスクが高まるってことがある。ですから例えば価格の下支えすべき医薬品の中には患者数が少なくて、一方で安定確保が必要であるようなことも考える必要があるのではないか。あるいはサプライチェーンの状況っていうことで括っているが、実際にどういうふうなカテゴリー分類しているかというと、製造方法が特殊であってということも含めています。つまり原料・原薬の供給先が限られているっていうことに加えて、非常に製造が難しいようなもの。これもそのコストが上がってくるわけですね。そういったものも確認した際はすべて対象品目として考えた方がいいのではないか。

一方で25年ということの根拠があまりにもないですし、むしろもう一度、安定確保の価格下支えすべき薬というものはどういうものかということについて整理をした方がいいと思う。これが一つ目です。それから価格の下支えという考え方の中で薬価を維持するっていう考え方もあるんですけども、一方でその市場実勢価が下がっていってしまうのであれば、例えばこういった価格を下支えする薬については流通の仕方ですね、これまでもう少し議論しましたけども、「公定マージン」をこういった医薬品に限定的に導入するとか、そういった考え方もあるのではないかと思う。その形で結果として価格が維持される。この考え方も整理しておく必要があるかなというふうに思っております。

遠藤座長:ありがとうございましたご意見ご提案でありましたけれども何か事務局コメントありますか。

安藤課長:ありがとうございました。貴重なご意見だと思います。先ほど三村構成員からの指摘も踏まえて、1回ですね、ここはちょっと初心じゃないですけどもあの価格を支えるべき品目というのはどういうものなのか、あるべき論として我々の方でも検討する様にさせていただきたいと思う。またそういった中で実勢価が下がってしまうっていうものについては、先ほど香取委員からもございましたけども、別の仕組みというものも含めてちょっと考えるべきではないかというご指摘だと思います。これちょっと後半の部分の議論をかかりますけども。それについても、どういった形があるのかっていうところについて検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。

遠藤座長:ありがとうございます。前半の議論大体よろしゅうございますか。事務局から出されている論点というのが20ページにありまして、ここにはいくつかの論点が示されておりますけれども、既に皆様方のご発言の中でこれに該当するものもあったかと思いますけれども事務局の案ですので、皆様方はかなり根本的な制度の話をされておられますが、事務局生現行制度を御の修正を考えるときの視点から書かれておりますので、若干ダイレクトにこれに対する答えは発言の中になかったわけですけれども、もし何かコメントがあれば次の議論に移る前にいただければなと思いますけれども、いかがでございましょう。

香取構成員:ちょっと細かい話ですが、今回特例で特定のカテゴリーについて全てのメーカーが不採算でなくても、不採算になったものについて個別に薬価を上げるってことをやったので、最低薬価がばらけたわけですよね。そもそもこれはテクニカルな話ではあるが、当該品目に別のメーカーが全部不採算でないと対象にしないというふうになっているんですけど、二つ議論があって、一つは何のためにやっているかというもの。先ほどからあるように、安定的に確保されること、まさに流通も含め薬の作成も含め云々ってことなんですけど、もう一方で当然ながらメーカーによって、その技術力の差というか企業の規模の差もあるので、不採算になるところもあるし、この薬価でもやっていけるところってのもあるわけです。そう考えると、全ての品目、全てのメーカーが不採算になっているかどうかっていうことが問題じゃなくて、この価格をきちんとつければ一定の供給が確保できるっていう価格はないんだと。厳しいことですけど、一定の供給が確保して安定確保できるっていう価格帯がセットできるのであれば、そこで一定のボリュームと安定的な供給を確保できるっていうのであれば業界全体としてマーケット全体としてのボリュームの方できる。それで作れないメーカーってある意味で落としてもいいわけですよね。そこに無理に作らせるってことはやる必要ないわけなので、ちょっと最低価格を決めるときの決め方もみんなが倒れたらそのまま何とか上げてあげますっていう今のやり方っていうのはやっぱちょっと本来の目的からすると整合的でないので、ちょっと細かいようですけれども、やっぱ最終的な目的が何かってことを踏まえてどういう設定の仕方をするかを考えた方が良い。安定供給も安定供給確保も同じ話で、個別のメーカーしかないとかある程度そっちのものであれば当該メーカーのことを考えればいいわけですけど、一定のメーカーが参入しているような価格帯の製品の場合にはやっぱちょっとそういう、今のやり方だとちょっと乱暴という気がします。

遠藤座長:はい、ありがとうございます。ご提案として承りました。他に何かございますか。はい菅原構成員お願いいたします。

菅原構成員:ありがとうございます。詳細なご説明ありがとうございました。非常に概略的なコメントになるんですけれども、例えば最低薬価の話がございました。剤形ごとに関わる最低限の供給コストを確保するという目的だと思いますけども、やはり剤形ごとというのが果たして今の実態に即して本当に供給コストの確保につながっているのかどうかっていうことはもう一度やはり検討した方がいいと思います。各々の剤形は同じだったとしても、かなりコストのばらつきはあるんじゃないかなとことがありますので、そういった目的を達するために、本当にこの剤型ごとでどのぐらいばらつきがあるのかっていうことですねもう1回精査をするということがもしかしたら必要なのかなというふうに考えた。

最低薬価に薬価が算定されていないものっていうのが、注意書きの問題意識などにありました。何故この部分の点鼻剤や軟膏がずっと最低薬価から外れてきたのか。経緯は理解しづらいので、逆にこれどう思うかって感じるのですけども、歴史的になんでこれだけ残っちゃったのかを少し確認させていただきたい。

それから、資料13ページのスライドになりますが、これ不採算品の算定ルールが書かれている。その中で、まず大前提として、原価等が著しく上昇したと認められるものついて、と書かれている。原価が逆に言うと上昇しなければ、基本的には不採算品の算定品目は発動されないという前提でいいのか。まず確認をした上で、さらに原価が上がっていってその下のところですけども原価が著しく低額であるということが二重でクロスの条件としてかかるのかどうなのか。私自身はその理解がいいのかどうか。

それでここで問題になるのはこの著しく上昇したとかとか、著しく低額であるっていう書きぶりなのですけども、ここのルールがどういうふうに運用されているのかっていうのが非常に気になっていて、きちんとルール化されていればいいが、それが明示されていないのであれば、今後きちっとそれをルール化した方が良いのではないのかというのが私の意見である。例えば資料は違いますけれども先ほどの資料10ページ、11ページのスライドを見ると横に消費者物価指数の推移が書かれている。これはあくまでも最低薬価の変遷の推移だが、どういうときに再算定というかそういう制度が発動されたかっていうのを見ていただくと、基本的には税金・消費税対応があったときは必ずほとんどほぼ対応されているわけだが、それ以外、割と消費者物価指数だとか原材料価格と参考としてという形で、言い方が悪いが割とアドホックにその消費者物価指数が何%どんなポイント上がったときにそれがこう出てきたのかっていうことは、なかなかこれからは傾向が見づらいかなというふうに思っている。

先ほどの話に戻るが、このような制度をいくつか今あるわけですけれども、大枠として、どういう状況が起こったときに、やはり発動するといったルール化あるいは内規があればそれはそれで良いが、それがきちっと説明をされた方がいいのかなという気がいたしました。
以上でございます。

遠藤座長:ありがとうございます。では事務局、お答えできるものがあればお願いいたします。

事務局:ご質問ありがとうございます。まず最低薬価について一部に最低薬価が設定されていいない剤型が残っている。なぜかというご質問につきましては、明確なところまではお答えが難しいのですけれども、先ほど資料の中でもご紹介させていただきました通り資料10ページ、11ページ再契約の変遷として、当初は内用薬、注射剤のみ採択が設定されていたところ、順次剤型が追加されてきたという形一部の剤形が残ってしまっているという状況であることしか、ご紹介ができない状況でございます。

もう一点、不採算品再算定ですね。資料13ページの記載の中で原価等が著しく上昇したと認められるものでなければならないのかという点につきましては、原価等が著しく上昇したと認められるもの等々、させていただいておりまして、実際の運用としましては、原価が著しく上昇したもの以外のものでも不採算になっている最初の製品状況を踏まえて、個別に判断をさせていただいている。ただ、ご質問いただきましたどれくらいの程度であればといった数字的な基準については恐縮でございますけども明確にはなっていないという状況でございます。以上でございます

遠藤座長:他にいかがでしょう。よろしいでしょうか。ありがとうございます。他になければ次のテーマに移らせて頂きます。(発言要旨 その2に続く)
 
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(0)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー