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国病機構「九州エリア」の入札談合 医薬品卸5社に総額6億2728万円の課徴金納付命令 公正取引委員会

公開日時 2023/03/27 04:51
公正取引委員会は3月24日、国病機構本部を発注者とする「九州エリア」の病院の医療用医薬品の入札をめぐる談合で、アステム、翔薬、九州東邦、富田薬品、アルフレッサの医薬品卸5社に、独占禁止法違反で再発防止を求める排除措置命令と総額6億2728万円の課徴金納付命令を出した。今回の課徴金納付命令にあたっては2020年施行の調査協力減算制度が初めて適用された。違反事業者に認定された6社のうちアトルについては、課徴金減免制度(リーニエンシー)に基づき、課徴金納付命令と排除措置命令を免れた。

◎調査協力減算制度を初めて適用 減算率はアルフレッサ40%、アステム、冨田薬品は20%

排除措置命令及び課徴金納付命令の対象事業者および課徴金額は、以下の通り。①アステム(課徴金額:1億9119万円、課徴金額減免制度の適用:30%)、②翔薬(1億3328万円、50%)、③九州東邦(1億2759万円、30%)、④富田薬品(1億2445万円、25%)、⑤アルフレッサ(5077万円、50%)。このうち事件の真相の解明に資する程度に応じた減算率が適用されたのは、アステム、富田薬品、アルフレッサの3社。減算率はアルフレッサが40%、アステムと富田薬品は20%だった。医薬品卸5社は、23年10月25日までに課徴金額を支払う。

◎受注予定比率を設定、同比率に合うよう特定医薬品群ごとに受注予定者を決定

公取委によると、今回の違反行為は、医薬品卸6社が、遅くとも2016年6月24日以降、自社の利益を確保するため、医薬品の製造販売業者等で区分した医薬品群ごとに受注予定者を決定し、受注予定者以外は、受注予定者が受注できるよう協力していたと指摘。入札に参加していたアステム、翔薬、九州東邦、富田薬品、アトルの5社は、それぞれの各年度の受注予定比率を設定し、同比率に合うよう特定医薬品群ごとに受注予定者を決定。入札価格は、受注予定者が定め、受注予定者以外は、受注予定者がその定めた価格で受注できるよう、受注予定者が連絡した価格を上回る入札価格を提示するなどして協力していたことを明らかにした。なお、アルフレッサは、富田薬品と提携し、入札については同社に委任していた。

◎医薬品卸各社がコメント発表

医薬品卸各社は公取委の排除措置命令と課徴金納付命令を受けてコメントを発表した。

【アステム】

このような事態に至り、お取引先様ならびに関係者の皆様には多大なご迷惑、ご心配をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます。2005 年に「行動憲章・企業倫理行動基準(コンプライアンス指針)」を制定し、会社を挙げてコンプライアンス遵守の徹底に取り組んでまいりましたが、かかる事態を招いたことを受けて、これまでの施策に加えて「独占禁止法違反再発防止策とコンプライアンス強化取組」の再発防止策及びコンプライアンス強化取組みを実施しております。

【翔薬】
本件は2020年12月9日に親会社であるスズケンが開示した再発防止策の導入以前に行われていた事案であり、当社は、本件の内容も踏まえた再発防止策を既に導入・継続しております。このような事態に至りましたことは誠に遺憾であり、ステークホルダーの皆様には、ご迷惑をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます。

【東邦ホールディングス】
連結子会社の九州東邦は、独立行政法人国立病院機構本部 を発注者とする「九州エリア」に所在する病院が調達する医療用医薬品の入札に関し、公正取引委員 会より独占禁止法に基づく排除措置命令および課徴金納付命令を受けました。株主の皆様、お取引先様ならびに関係者の皆様には、多大なご迷惑、ご心配をお掛けしましたことを深くお詫び申しあげます。当社グループはコンプライアンスの強化に全社を挙げて取り組んでおりますが、この度の命令を厳粛かつ真摯に受け止め、より一層、再発防止の徹底と信頼回復に努めてまいります。 

【富田薬品】
お取引先様、株主の皆様ならびに関係者の皆様には、多大なご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます。当社は、本件を厳粛かつ真摯に受け止め、二度とこのような事態を起こさないよう再発防止策の更なる強化とコンプライアンス遵守の徹底を図り、信頼回復に努めてまいります。

【アルフレッサ ホールディングス】
アルフレッサを含む当社グループは、アルフレッサが 2019年11月27日に独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が発注する医療用医薬品の入札に 関して 独占禁止法違反の疑いがあるとして公正取引委員会による立ち入り検査が入ったことを受け、2020年12 月14日付「独占禁止法違反容疑に関する当社グループの再発防止策等について」で発表いたしましたとおり再発防止策を策定し、独占禁止法違反の再発防止に徹底して取り組んでおります。本件については、株主の皆様、お得意様、お取引先様をはじめ関係各位に多大なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます。

【メディパルホールディングス】
当社連結対象の完全子会社であるアトルは、本件に関し、公正取引委員会に対して課徴金減免制度の適用申請を行い、過去の違反行為を自主的に申告するとともに、同委員会による調査に全面的に協力してまいりました。アトルは、排除措置命令、課徴金納付命令のいずれも受けておりませんが、違反行為に関わり、関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申しあげます。なお、本件行為は、2021年1月29日付で公表いたしました、当社グループのコンプライアンスの徹底に関する諸施策の策定・実施以前に行われていた事案ではありますが、本件を厳粛かつ真摯に受け止め、これまでに取り組んできた独占禁止法遵守に関する諸施策を、より一層徹底して推し進めてまいる所存であります。
 
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