「プラス改定企業」登場の衝撃から考える製薬産業の進む道
23年度改定から描く日本の医薬品産業
公開日時 2023/04/01 00:00
2023年度薬価改定は、改定後に3社が「プラス改定」となる、衝撃の結果となった。物価高騰とイノベーション評価という製薬業界が直面する課題に対し、革新的新薬と医療上必要性の高い医薬品に重点的に予算を配分した。メリハリの利いた改定は、これまで以上に企業間での明暗を分けるものとなった。医療保険財政が厳しさを増すなかで、革新的新薬の創出と、医薬品の安定供給という、製薬企業の命題を改めて突き付けたと言えるのではないか。これは奇しくも、製薬産業がこれから進むべき道を示している。(望月英梨)「我が国の創薬力の強化に向けた取り組みを強力に進めていきたい」――。岸田文雄首相は2月15日の衆院予算委員会で、製薬産業を「今後の経済成長の中核となる重要な産業」と位置づけ、こう意気込みを示した。自民党社会保障制度調査...