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日本イーライリリー ドナネマブ用いたプレクリニカル期の第3相試験にDCT活用 被験者の来院37%減

公開日時 2023/04/26 04:52
日本イーライリリーは4月25日、早期症候性アルツハイマー病の新規治療候補薬・ドナネマブについて、認知症前臨床期(プレクリニカル期)アルツハイマー病を対象とした国際共同第3相試験を日本でもDCT(分散型臨床試験)で実施していると発表した。吉川彰一取締役シニアバイスプレジデント(研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部担当)が同日開催の記者会見で明らかにした。DCTの活用により被験者の来院が37%減少したほか、症例の組入れも6か月で1800件を超える同意を取得するなど、グローバル開発に日本も大きく貢献できているとアピールした。

DCT(Decentralized Clinical Trial)は被験者(患者)が医療機関を来院せずにオンライン診療やデジタルデバイスを活用して行う臨床試験で、欧米のメガファーマを中心に国際共同治験などで広く行われている。日本でのDCT普及も外資系大手企業を中心に高まりを見せているところ。日本の大手製薬企業も国際共同臨床試験にDCTは不可欠として実施体制の整備を急いでいる。

◎オンライン診療、デジタルデバイス、薬剤・資材の自宅配送など

今回のドナネマブを用いた国際共同第3相試験は、アミロイドβの脳内蓄積は認められるものの、まだ認知症等の臨床症状が出ていないような、いわゆる早期の患者を対象とするもの。プロトコルはグローバルと同一のものを日本で導入しており、在宅で日常生活を送る被験者を対象に、①訪問診療、②オンライン診療、③訪問看護、④臨床試験情報、⑤デジタルデバイス、⑥薬剤・資材の自宅配送-などを行いながら試験データの蓄積を行っている。

◎吉川シニアバイスプレジデント 「症例登録のスピードが全然比較にならないほど早い」

記者会見で吉川氏は、「患者の負担軽減として被験者の来院を37%減少することができた。その結果、患者からも好評で症例の組み入れも6か月で1800例を超える同意書を合意いただいている。こちらを通じ、当然ながらグローバル開発にも日本から大いに貢献をしているという状況だ」と説明した。またDCTを活用するメリットに触れ、「症例登録のスピードが全然比較にならないほど早い。これが最大のメリットだというふうに考えている」と述べた。

◎DCT 他の臨床試験にも横展開したい

なお、ドナネマブの早期症候性アルツハイマー病の第3相試験については、「できれば今年中にできるだけ早い段階でデータを皆さんにお届けできるのではないかと期待をしている」と強調した。さらにドナネマブ以外の臨床試験へのDCTの応用については、「まさにそのように考えている」と述べ、「患者さんの声も好評であるということを受け、今後できれば他の臨床試験にも横展開をしてまいりたいというふうに考えている」との見解を示した。

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