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卸連 宮田浩美氏が新会長就任 卸機能を理解・評価してもらう努力重要 「勇気をもって果敢に交渉を」

公開日時 2023/05/26 04:50
日本医薬品卸売業連合会(卸連)は5月25日の総会で、新会長に宮田浩美氏(スズケン代表取締役会長、写真)を選出した。任期は2年間。これまで卸連会長を務めた鈴木賢氏(バイタルネット代表取締役会長)は顧問に就いた。宮田会長は総会後の会見で、赤字品目の販売が当たり前にならないように、医療機関や保険薬局といった顧客に医薬品卸の機能や役割を一つずつ理解・評価してもらう努力を積み重ねることが重要だと強調。会員各社に対し、「勇気をもって果敢にこういった交渉をしていく」ことを呼び掛けた。

◎「商売が成り立たない商売があってはならない」

宮田会長は卸連の活動で特に注力したいことについて、「商売が成り立たないような商売があってはならない」と指摘した上で、「卸売業として生業が立つようなビジネスモデルを作っていくことを、私自身は連合会として進めていく必要があると考えている」と述べた。

自身の営業経験やこれまでの商慣習などから、医薬品納入を“赤字”との理由で断ることは「なかなかできない」との認識を示した。ただ、「不採算なもの(=赤字品目)を販売することが当たり前になってはまずいと思っている」とも指摘。「医療機関や保険薬局の皆様に、(医薬品卸の)機能や役割を評価いただくことが大事で、一つずつ理解いただく作業をしていく」ことが重要だとし、会員各社に勇気を持った行動を求めた。

◎物事を前に進めるには「共感」が重要

また、厚労省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」などで流通問題が議論されている現状から、「政治家、行政の皆様にも今のままでは持続可能ではないと認識いただいている。財政問題など限りのある中でどういう風にやっていくかは、卸連の役員や会員企業の意見を伺いながら方向性を示し、前に進みたい」と述べ、タイミングを逸することなく改革を進める決意を語った。

物事を前に進めるためには、自身の信条でもある「共感」が重要だとも強調した。流通改善ガイドラインで未妥結・仮納入の改善や早期妥結・単品単価取引の推進などが指摘されていることを引き合いに、「一丁目一番地でこれらをやろうとした時、『共感』がなければ前に進まない」とし、「共感しないと納得しない。納得しないと、『さあやろう』という気にならない」と述べ、改革実現のキーワードに「共感」を挙げた。

◎鈴木前会長 「これから新しい大変革が起きる気がする。対応できる新しい医薬品卸に」

鈴木前会長は2013年から19年まで会長職を3期6年務め、21年から再登板して1期2年務めた。鈴木前会長は会見で、印象に残っている業界活動に流通改善GLの策定・スタートを挙げた。そして、「すごく早く進んだかどうかはわからないが、有識者検討会が立ち上がりいろいろな議論が出た。これから新しい大変革が起きる気がする。これに対応できる新しい医薬品卸にならないといけない」と述べた。
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