インフルエンザ収まらず 6月の推計患者数は9.1万人 コロナ前の6.5倍
公開日時 2023/07/14 04:50
収束が遅れている2022/2023シーズンのインフルエンザの流行が6月も収まっていないことがわかった。例年4月から5月にかけて患者数が大きく減少して収束に向かうが、今シーズンの6月の経口インフルエンザ治療薬の推計処方患者数は9万人を超えた。コロナ前の3年間(17~19年)の6月の平均推計処方患者数は約1.4万人のため、今シーズンは6.5倍と異例の患者数となる。5月の患者数は約12.2万人
(記事はこちら)で、6月は前月比25%減となるが、例年と比べると季節外れの流行が続いているといえそうだ。
この分析結果は、医療情報分析サービスを手掛けるインテージリアルワールド社が独自に運用する統合医療データベース「Cross Fact」のデータを基にまとめたもの。分析対象の抗インフルエンザ薬は、院外調剤薬局で調剤可能なオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、バロキサビルとなる。
◎九州・沖縄地方で5月比20ポイント増 特に鹿児島県で増加
23年6月の経口インフルエンザ治療薬の推計処方患者数は約9.1万人となった。処方患者をエリア別にみると、北海道3%、東北地方3%、関東地方29%、中部地方11%、近畿地方12%、中国地方5%、四国地方4%、九州・沖縄地方32%――だった。5月と比較すると、東北地方は11ポイント減少して流行が落ち着きをみせたが、九州・沖縄地方は20ポイント伸びた。同社によると、「特に鹿児島県では6月後半にかけて患者数が増えてきている」とのことで、7月以降も注視する必要があるとしている。
6月の処方患者の年代分布は、5月と同じく20歳未満が大多数を占めた。10歳未満が33%、10代が34%で、20歳未満が67%を占めた。同社は「異例のインフルエンザ流行長期化は若年層の間での流行が収まらないことが要因といえそう」とコメントしている。